「 あぁ、僕達は何も成し遂げなくても — 初夏の晩の小さなノート」

2017年05月28日 | ドイツの暮らし

「初夏の晩の小さなノート」


 
 

ドイツの初夏、それは夜の10時過ぎまで、様々な光が輝く、一年で
一番素敵な季節です。

鳥達の声と木々を吹き抜ける風と若緑のささやきが何十にも重なる
時間、耳を澄ませば、此処に在ることの静かな悦び、まさに人生の
休息日の幸せが心身を包むようです。

今日、僕は昨日の飲み残しの南イタリアの地酒、プリミィティーボの
赤ワインに氷を幾つか投げ入れ、桜の葉越しに午後6時の透明な太陽
を見つめてます。
[あぁ、僕達は何も成し遂げなくても、こうして此処にいられること
が本当は有難いのだなぁ」と、心の底から思います。

午後5時、6時、7時、初夏の光の中に全てが輝くような不思議な時間
です。


 
 

そして、白色の太陽が橙色の西陽となり、その最後の光と共に消える夜
の9時頃、小さな星達がポツリ、ポツリと灯をともし、透き通るような
蒼い夜が訪れます。
その中で、僕達も大きな時間の限りない流れの中、その一部となるので
しょう。