九条太ネギ(左)と下仁田ネギ(右)
↑下仁田ネギ
↓九条太ネギ
待ちきれなくて …あなたを、なんて言いたいのだが、この時期は色気より食い気だ
「冬ネギはまだかな」
きょうはすき焼きだから冬ネギを入れたいという。冬ネギを収穫するのはまだ早い。そう思いながらも、味見のつもりで食べてみるのもいいかなと、下仁田ネギと九条太ネギを掘ってきた。
下仁田ネギはやはりというか早かった。まだかたい。九条太ネギはなんとか食べられるのだが、はやりまだだなという味だった。
この冬に食べる冬ネギは、昨年の10月にタネをまいたもの。収穫までに14、5カ月ほどかかる。冬ネギは寒さにあたってうまくなる。わが菜園の冬ネギは、12月中旬ごろから収穫をはじめる。あの、とろりとした味わいは格別だ。待ちきれない。その気持ちを我慢してしばらくは辛抱しなければならない。
味は別にして冬ネギの見た目はいまごろが一番いい。とくに下仁田ネギの姿は青々として颯爽としている。かっこいい。葉はまるで剣のようだ。この姿に惚れて食べてみようかなんて気を起してはいけない。見た目に惑わされてはいけないことは、野菜ばかりでないことはとうに承知のはずだ。
下仁田ネギの一番うまいのは1月だ。厳冬期だ。そのときの下仁田ネギの姿といったら、見られたものではない。わたしのふだんの姿のようにまるでボロぞうきんだ。しかし一番うまいころの下仁田ネギは姿が悪いから、なかなか市場に出ない。それを食べるには自家栽培するしかないのである。