いま一番気になるのがタマネギの苗作り。9月上旬にタネをまいてからというもの、苗に適する大きさにまで育て、それに予定の本数を得ることができるか、心配ばかりしている。
いま20センチを超えている。生育はいい。ひと安心といったところで、今年もうまくいったかなと眺めている。
タマネギの苗作りはかなり難しい。わたくしにとっては最難関。30年以上家庭菜園をやっているとたいていのものは失敗なく育てて収穫までいける。ところがタマネギの苗作りだけは、毎年やっていても、うまくできるときとそうでないときがある。予定した数を育てる確実性がいまもないのである。
たいがいのひとはあたりまえのように種苗店やホームセンターで苗を買う。農家の人だってそうだ。苗作りがむずかしいのをわかっているからそうせざるを得ないのである。わたくしだって市販の苗を使うことがある。予定数の苗を得られなかったときは、不足分を市販の苗で補う。
それだったら初めから市販の苗をと思うときもあるのだが、自家苗にこだわるには2つの理由がある。
ひとつは、タマネギは苗を植えつけると、ほとんど手間がかからずに収穫できてしまう。育てる楽しみがないのである。おもしろくないのである。タマネギの栽培の楽しみは苗作りにある、そこが腕も見せどころ、というのが長いこと家庭菜園をやってきて思う。
もう一つは、市販の苗の質である。いい苗を得られればいいのだが、悪い苗をつかまされると根付かずに枯れてしまう。昨年は周囲の菜園の多くがそんな状態になった。笑ってはいけないが、再度植えなおしたらそれもまた枯れてしまいさんざんな目にあっているのを目撃している。
ということで苦労承知で自家苗にこだわっている。いい副産物がある。むずかしいことに挑戦することで、たとえ失敗しても栽培のスキルは確実にアップしていくことである。このことは自分の経験でいえる。
ことしは、9月4日に中生種を9日に晩生種のタネをまいた。育苗日数は約2カ月といわれている。11月に入れば植えつける。
毎年300本を植えつける。予備苗を含めると少し多めに350本の苗を確保したい。しかしことしは生育はいいのだが、倒伏したものも多く、また生育の悪い小さな苗は使えないから、ざっと見たところ300本ギリギリかと思えるのだが、これはあてにならない。いざ植えてみると多く余るということもある。
すでに畝の準備はできている。15センチ間隔の穴あき黒マルチを敷いたところだ。