安倍首相は、外交・安全保障の総合的な指針となる「国家安全保障戦略」を年内に策定する方針を固めた。
従来の外交・防衛政策の枠にこだわらず、エネルギーや海洋、食糧、文化、宇宙など幅広い分野に関する対外戦略をまとめる。
9月中旬をめどに有識者会議を設置し答申を受けた上で、閣議決定する見通し。
複数の政府関係者が8月17日、明らかにした。
安倍政権は集団的自衛権に関する憲法解釈の見直しに前向きで、積極的な資源エネルギー外交も展開。
一方で中国の東シナ海進出に直面するなど複雑な国際環境に置かれている。
このため「アベ・ドクトリン」と呼べるような包括的な戦略を内外に示し、中長期的な視点で諸課題に取り組む必要があると判断した。
8月2日に首相官邸で、首相と麻生副総理兼財務相、岸田外相、小野寺防衛相、菅官房長官が会談し、こうした方針や今後の段取りを確認した。
9月の初会合には首相が出席し、政権の基本的な姿勢を提示する運び。
包括的な戦略を策定する構想は、米政権の国家安全保障戦略(National Security Strategy)に倣った。
米国では大統領の交代や再選など政権の節目に策定され、国際情勢や外交、防衛、経済を軸に戦略目標を包括的に示す。
オバマ政権は2010年に公表した。
安倍政権は、外交・安全保障政策の司令塔となる日本版「国家安全保障会議(NSC)」を、関連法案の成立を待って年内にも発足させたい考えで、国家安全保障戦略の策定が、NSCの初仕事として取り上げられる可能性もある。
同時に、年内策定を目指す新国防大綱にも、国家安全保障戦略の内容を反映させたい考え。
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