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サバを卵から育てる「完全養殖」 5年プロジェクト始動

2024年06月09日 | 技術・科学

サバを卵から育てる「完全養殖」を5年かけて実用化するプロジェクトが、福井県小浜市で今春から始まった。

同市の企業「わかさかな」を中心に、県や県立大、漁業関係者らでつくる「ふくい水産振興センター」も参加する。

市内の養殖サバが夏の猛暑で大量死する事態が発生しており、プロジェクトでは安定供給に向け、高温に強く大きく成長するサバを生み出すことを目標に掲げる。

小浜の養殖サバは現在、ブランドサバ「小浜よっぱらいサバ」が主力で、2016年度に市などが養殖を開始。

2019年からは、地元漁業者らによる「田烏水産」が担う。

瀬戸内海でとれた天然サバを仕入れ、酒かすを加えた餌で養殖するのが特徴だ。

近年は養殖に使う天然サバが不漁であるほか、高温に弱いサバを夏の猛暑が襲い、安定供給が難しくなっている。

昨夏は記録的な猛暑の影響で、いけす周辺の海水温が数週間下がらず、育てていた約3600匹のうち9割近くの約3190匹が死んだ。

田烏水産はよっぱらいサバを安定供給できるよう、天然サバに頼らない完全養殖の研究を進める。

しかし、成長に必要な栄養素や、時期に応じた餌の量、餌の消化の過程が不明で、次代に同じ遺伝子が伝わるとも限らないほか、生育過程で多数のサバが死ぬため財政負担が大きいことが壁となり、技術は未確立だ。

そのため、田烏水産社長の横山拓也さん(56)は、完全養殖の研究を進めるための企業「わかさかな」を昨年12月に設立。

専門家らを役員に迎えた。今年4月から5年計画で、同社を中心に完全養殖の実用化に向けた「さばイバル・プロジェクト」を開始。

ふくい水産振興センターなどが計画の立案、実行に関与するほか、国立研究開発法人「水産研究・教育機構」なども研究に協力する。

 プロジェクトでは今後、昨年の猛暑を生き延びたよっぱらいサバから採卵、人工授精し、生まれた稚魚から高い海水温にも適応するサバを育てる。サバが大きく成長するような餌の開発も進めるという。

横山さんは「水産資源に異変が起きており、完全養殖の実用化はいち早く取り組まねばならない課題だ。サバの完全養殖の技術を獲得後は全国にも広められたら」と意気込む。


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