1月20日、月面着陸に挑戦する日本の探査機「SLIM(スリム)」に、タカラトミーなどが開発した超小型変形ロボット「SORA-Q(ソラキュー)」が搭載されている。
生き物の動きから着想を得たおもちや企業ならではの技術が詰まっており、月で撮影した写真を地球に送り届ける。
ソラキューは直径約8センチ、重さ約250グラムの球体で、野球ボールほどの大きさ。
スリムが着陸する直前に本体から放出され、月面で球体が左右に開いて変形。
外殻を両輪のように回転させて走行する。
前後2台のカメラで、走行中の周辺環境や着陸後のスリムを撮影する。
写真やデータは別の小型探査機を経由して地球に送信する。
電池が切れるまで活動を続け、地球には戻ってこない。
球体からの変形は、乗り物が口ボットに変形する同社のおもちやムトランスフォーマー」の技術を活用した。
両輪が回転する「バタフライ走行」と交互に回転する「クロール走行」は、干潟で動くムッゴロウやウミガメの動きがヒントになった。
砂をかき分けて体を浮かせながら移動し、30度の斜面も上れる設計だ。
月は重力が地球の6分の1で、地表は「レゴリス」という細かい砂で覆われている。
地球と異なる環境下での移動や斜面の上り方は、開発の課題だった。
研究開発 部長を務めた同志社大の渡辺教授は「『月面でどのように動かすか』から勉強した」と振り返る。
同社の米田さんも「まずは砂に埋もれないことを目標にした」と話す。
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