政府は、言語機能や聴覚に障害のある人でもスマートフォンの画面を操作し、音声による会話をせずに110番通報ができる全国統一のシステムを導入する方針を決めた。
「共生社会の実現」を揚げる2020年東京五輪・パラリンピックを機に全国へ普及させたい考えで、2019年度中の運用開始を目指す。
政府関係者が8月19日、明らかにした。
システムでは、画面上の「事件か事故か」「けが人はいるか」といった質問に答えて送信すると、所在地がスマホ内臓の衛星利用測位システム(GPS)で割り出され、管轄する都道府県警にデータが送られる。
警察の担当者がチャット形式で通報者から詳しい状況を確認し、警察官を現場に向かわせる仕組みだ。 十
警察庁などによると、電話の110番では通報内容を聞き取れなかったり、障害者が通報をためらったりするケースもあるという。
障害者だけでなく、軟禁やドメスティックバイオレンス(DV)の被害者など、加害者身近にいて声を出しにくい状況での活用も想定している。
スマホを使った通報システムでは、消防・救急の「Net119緊急通報システム」の運用が一部で始まっているが、電話が困難な人を対象にした事前登録制。
110番システムは登録制とせず、誰でも利用可能にする方向だ。
都道府県警によっては既にメールでの通報受け付けや専用アプリを設けているものの、方式が異なるため利便性を考えて統一する。
警察庁はスマホ通報に備えて都道府県警の態勢を整備する方針。
通常の110番が可能な場合は電話の利用を呼び掛ける。
五輪観戦などで来日する外国人の通報が増えると想定し、多言語化も検討している。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます