国内企業が電動三輪車の開発に照準を合わせている。
法改正により免許なしで小型の電動車を公道で走行できるようになるのに合わせ、市場の拡大が見込まれるためだ。
若者に人気の電動キックボードと競合するが、安全性の高さを強調し、需要の開拓を狙う。
ホンダの技術者が立ち上げた新興企業ストリーモは、―人乗りの電動三輪車「ストリーモ」を年内に発売する。
6月中旬に300台分の抽選販売の申し込みの受け付けを開始したところ、想定を大幅に上回る1200件の注文があり、追加販売を決めた。
現行の道路交通法ではストリーモの電動三輪車や電動ボードなどは原付きと同じ扱いだ。
ただ2年以内に施行予定の改正道交法では「特定小型原動機付自転車」という新たな分類に指定され、16歳以上であれば免許は必要なくなる。
ヤマハ発動機は前二輪で立ち乗りの小型電動三輪車「トリタウン」の開発を進める。
まずは2023年中にテーマパークや工場などの私有地で運転できる製品の発売を目指す。
トヨタ自動車も電動三輪車「シーウォークティー」を2021年10月に発売。
公園や空港、商業施設向けを想定する。
小型電動車の市場は、電動ボードを中心に新興企業が先行している。
業界大手の中国企業セグウェイーナインボットは7月中旬に日本仕様の新型電動キックスケーターの最新モデル「D-AIR」を発表。
改正法施行を前に製品のラインアップを増やす。
一方で、電動ボードは一部の利用者による交通ルール違反や事故が相次ぎ、厳しい視線も向けられる。
ある大手の関係者は「いったん事故が起きれば企業のブランドイメージが傷つく。
安心できる乗り物だと知ってもらう機会を増やしたい」と話す。
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