夫婦以外の卵子や精子を使った非配偶者間体外受精の実施を国内で初めて公表した諏訪マタニティークリニックは、これまでに夫婦79組が、夫の実父から精子提供を受け、118人の子どもが誕生したとする結果をまとめた。
7月31日、東京都内で開かれる日本受精着床学会で発表する。
同クリニックによると、1996年11月から昨年末まで、夫に精子がない110組が、夫の実父(50歳代~70歳代)の精子と妻の卵子で体外受精をした。
子どもを得た79組中19組が2回以上出産した。
移植1回当たりの妊娠率は38%だった。
非配偶者間体外受精に関する法規定はないが、日本産科婦人科学会は体外受精を夫婦間に限っている。
一方、厚生労働省審議会は2003年、匿名の第三者からの体外受精を認める報告書を出し、兄弟姉妹らからの提供は人間関係が複雑になりやすいなどの理由で当面は認めないとした。
匿名の第三者の精子を妻の子宮に注入する非配偶者間人工授精では、国内で1万人以上が生まれたとされる。
日産婦も1997年に追認している。
国内の多くの医療機関では、精子がない夫婦が子どもを望む場合、選択肢として非配偶者間人工授精と養子縁組のみを示している。
匿名の第三者からの体外受精だけを良しとするのは理解できない。
身内からの提供を望む夫婦は少なくない。
血のつながりがあった方が、提供者家族も含めて良好な家族関係を築きやすい、出自が明確になるという面もある。
将来、子供自身の納得さも考慮したうえ、子どもを望む夫婦が決めることだ。
精子提供の有効な選択肢の一つとして厚労省は早く対応するべきである。
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