切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 富士三十六景 甲斐御坂越 

2014年07月15日 | Weblog

甲斐御坂越」 

杖を手にした旅人が、峠の頂で立ち止まり、右手で笠を押し上げて富士を見遣っている。御坂峠を登りきって顔を上げると、富士と河口湖の雄大な景観が眼に飛び込んでくる様子を旅人の目線で描かれている。絶景を眼にしたときの感動を追体験させてくれる一枚である。御坂峠は甲府盆地から富士山麓へ抜ける鎌倉往還上にあり、峠の頂に辿り着くと、長大な裾野を曳いて河口湖を抱く富士の壮麗な姿を見渡すことができて、そのスケールの大きさに圧倒される。鎌倉往還は甲斐国から駿河国や相模国へと続く重要な街道で、御坂峠はいにしえより富士の名所として知られていた。

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