「山下町日比谷」
空には奴凧など複数の凧があがっている。それらの凧にまぎれて浮かぶ羽根つきの羽根は、画面の左右に突き出された羽子板により、打ち上げられたものである。右の羽子板の図は、歌川派が得意とした、当時人気の女形の役者絵だろう。日常の一瞬を切り取る絵師広重の、カメラマン的な目線が感じられる。このあたりは古くは姫御門と呼ばれていた場所で、山下門(現在の帝国ホテル横)の山下町を銀座方面から見ている。遠方に描かれた江戸城外堀と佐賀藩主鍋島家の上屋敷あたりは、現在、日比谷公園になっている。鍋島家の屋敷の門は、将軍の娘が嫁したことを表わす朱塗り、門前には門松が並ぶ。
春日井市在住、1935年私的な挿絵等に全て自由にご使用ください。
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