切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 六十余州名所図会 武蔵 隅田川 雪の朝

2018年01月05日 | Weblog

武蔵 隅田川 雪の朝

画面中央を流れる隅田川に左手前からほぼ直角に合流しているのが「山谷堀」音無川の三ノ輪あたりから隅田川の今戸をつなぐように掘られた掘割で、水害対策とともに、灌漑の補助もかねていた。こういった堀は江戸にはたくさんあったが、堀といえば「山谷堀」を指すほど著名で、船宿や茶店が堀の両岸に並んだという。この山谷堀沿いをすすむと「新吉原」の遊郭へとつづく。この堀は現在上をふさがれた暗渠となり「山谷堀公園」としてその名を残している。右下に見える建物は待乳山本龍院で、浅草名物七福神の毘沙門さんにあたる現存する寺院です。いかがわしくも江戸の風俗のメッカともいえるこの地を、雪の朝の清浄な風景として広重は描いている。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする