ニュースで毎日のように話題になっている、「34歳女」による結婚詐欺事件。少しずつ事情が明らかになるにつれ、彼女の周辺に数百万円~数千万円を振り込んだ男性が相次いで謎の死を遂げていたり、結婚を持ちかけ金を振り込ませようとし、断ると態度を豹変させたり・・・。まぁワイドショーの格好のネタにされているわな。
同じ34歳の自分としては、ニュースで知る限りの彼女に「ひでぇことするなぁ」と思いつつも、何となく気持ちがわからないわけでもない。
mixiから辿って出てきた、とある書評を読んだ。「ロスジェネはこう生きてきた」
それによると、「1972~82年生まれの人」を「ロストジェネレーション」として取り上げている。生まれた頃は日本経済が最も豊かでありながら、「バブル崩壊」によりかつてない不況の波に立たされた時代(ロストジェネレーション)に世に出てきた世代だという。子供の頃、「頑張ればあとから必ずいい結果がついてくる」と信じられたことが「バブル景気の崩壊」とともに虚構とされ、フリーターや派遣社員になったり、一攫千金を夢みてホ×エモンみたいになったり、はたまた無事に正社員となりつつも、いつ倒産やリストラに遭うかという恐怖におののく毎日・・・。
そういえば、人生を「勝ち組」「負け組」と勝手に線引きするようになったのも、この世代からかもしれない。
冒頭の「34歳女」も、叶姉妹を「神」とあがめ、高級マンションに高級車という、一見セレブリティ(ぼくはこの言葉、大嫌いなんだけど文脈上あえて使います)な生活も、じつは支払いに追われ、その結果としての詐欺行為なんだそうで。身から出たサビだ、自業自得だと言ってしまえば簡単だ。だけど、同じ世代の視点で考えると、そうでもしなければ「『自分』が『自分』として生きていく」ことができないと。「努力すれば報われる」という、昔の金科玉条を失った今の時代の中で、彼女なりに必死にあがいていたのかもしれない。ただその方法が非道すぎたわけで。
一応ぼくも、社会で10年以上もまれ、その中でもある程度の苦労はしてきているつもりだ。今でこそ、会社員としてひとりで何とか生活できているつもりだが、もし明日にでもクビになったら、病気で働けなくなったら、天災や人災に巻き込まれたら・・・なんて考えることはある。バブル崩壊で子供の頃抱いていた「甘ったれた人生設計」など望むことさえできなくなった今、このままでいいのか、それともどこかで転機を求めるべきか、ひじょうに大きな舵取りを日々迫られているような気がする。
「幸か不幸か」という、サブタイトルのテーマの答えは、今早まって出さずに人生の引き際にでも考えればいいかな・・・なんて思うのですが、ダメ?