弔辞

あさやま　ブナ林

先日買った夏の喪服、こんなに早く着るとは、予想もしてなかった・・・
しかも、あなたが、死ぬなんて・・・

付き合いは、40年以上にもなるでしょうか
あなたは、いつも、目だっていて・・・周囲を笑わせ・・・座をにぎわした

目立ちたがりで、面倒見が良くて・・・・

会えば、冗談ばかり・・・
取ってきた、海の幸、山の幸を・・・食卓に並べながら・・・

どこの山に行けば、タケノコがあり・・・ギンナンは、あそこにある・・・
海のあそこに行けば、サザエがおり・・・大潮に合わせていけば、タコがひらえる
焼酎にこれをつければ、あれに効き、これを飲めば、よく寝れる・・・

食べる前に・・・食べながら・・・機嫌良く、延々と、講釈が語られる・・・

サザエやギンナンを、食べながら・・・ビールを飲みながら・・・
内容は全く覚えてないけど・・・
かるく、合いの手を入れながら、安心して、飲めた・・・

昨年の4月、がんになったと聞いた・・・
その直後、結婚式で会ったときには、すこぶる元気そうで・・・
披露宴会場で、またまた焼酎談義・・・
会場ホテルの、部屋まで、焼酎飲みに行ったよね～～

あの時、あんなに元気で、これから一泊して、山に登りに行くと言ってた・・・

山に登ってるか、酒を飲んでるか・・・
日に焼けて、陽気で、元気印のあなたしか知らない私にとって・・・

お別れは、悲しすぎる

会えば、冗談言い合い、自慢し合い、お互い、気楽な存在として・・・
ずっとずっと、歳を重ねていくのだと・・・
それが当たり前だと、何の疑いもなく、そんな気がしていたんだよ・・・

だから・・・
一度も、まじめに、お礼も言ってなかった・・・

私の、ぎんなん・サザエ好きは、きっと、あなたのせいです・・・

今度会ったとき、必ず、お礼を言うから・・・

65歳だなんて、早く行き過ぎるから・・・

もう少し、いや、もうしばらく、焼酎飲んで待っていてください！！