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航空専門誌の文林堂『航空ファン』&『世界の傑作機』公式ブログ

国際観艦式に参加した高官輸送ヘリ

2022-12-01 19:20:51 | BLOG×記事
11月6日に海上自衛隊が相模湾で実施した平成4年度国際観艦式については
現在発売中の『航空ファン』1月号でリポートしていますが、
ここではこの式典を支援した機体に関するミニ情報を紹介します。

今回の観艦式には観閲飛行や訓練展示に陸海空自衛隊のほか
米海軍海兵隊、フランス海軍の航空機が参加していますが、
これに加えて高官の空輸支援や取材支援などで数機のヘリコプターが投入されました。
そのうち高官の空輸支援に使われたのが、第111航空隊の掃海輸送ヘリ、MCH-101。
ホームベースは山口県の岩国航空基地ですが、
事前訓練期間を通じて2機が千葉県の下総航空基地に展開、関東各地を飛び回りました。

当日は8651が観閲官である岸田文雄内閣総理大臣を
首相官邸から観閲艦の護衛艦「いずも」まで運んだほか、
式典終了後には「いずも」から付近を航行する空母USSロナルド・レーガンまで、
首相を運んでいます。
また、バックアップ機で随行員らを空輸する任務を帯びたもう1機の8652も、
式典後には横須賀から「いずも」に乗艦した浜田靖一防衛大臣を
レーガンまで運んでいます。



一部航空機マニアにはお馴染みですが、こうした高官輸送の際、
軍や自衛隊では搭乗者に敬意を表してプレートを掲出します。
内閣総理大臣と防衛大臣の場合、5つ桜のプレートが掲出されますが、
首相の桜がバックグラウンドが紫であるのに対し、
防衛大臣のものはエンジ(濃い赤)となっています。

さらに、あくまでも搭乗を示すプレートのため、掲出のタイミングも気を遣うようで、
岸田首相が「いずも」に到着して機体を降りた際には、
すでにプレートは外されていました(2枚目の写真参照)。









そして、今回の国際観艦式ではもう1機、プレート掲出機を見ることができたのですが、
式典にゲストとして参加した米海軍作戦部長(CNO)
マイケル・ギルディ大将の搭乗したMH-60Sで、
4スター(4つ星)に「CNO」の文字が入った紙が
キャビンドアに貼られていました。
同機は式典終了後に「いずも」に飛来、ギルディ作戦部長を
空母レーガンまで運びましたが、同艦に配備されるCVW-5(第5空母航空団)隷下の
HSC-12(第12戦闘支援ヘリコプター飛行隊)”Golden Falcons”の所属機で、
空母航空団司令機にあたるいわゆるCAG機(NF610/167885)です。



じつはこの機体、国際観艦式の1週前、10月29日にキャンプ富士で開催された
フレンドシップフェスティバルに、地上展示機として飛来していました(1月号P.41参照)。
この際、空母レーガンは洋上で行動中なのになぜ厚木に残っているのか不思議で
乗員に聞いたのですが
「この機体は今回は厚木に残されていて、
僕ら第7艦隊司令官などの高官輸送を担当するDet.1(第1分遣隊)が管理しているんだ」
とのことでした。
そして機内には革張りの座席が設置されており、
「とある理由でちょっと前にこの椅子を装着した」と説明してくれました。
「とある理由」がCNOの搭乗だったということが、このフライトで判明したわけです。



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