対局日誌

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21世紀の旗手(書評)

2005-03-20 23:27:43 | 棋書


21世紀の旗手(日本棋院:依田紀基著)

第53回NHK杯は張栩本因坊・名人の優勝で幕を閉じました。
依田紀基碁聖を応援していたので、少し残念。

依田碁聖と言えば、以前、打碁集が「勝負の極意」しかないと書いたのですが、絶版の本にも踏み込むと「21世紀の旗手」という本がありました。

1997年の出版。
当時、初タイトルの十段位を獲得・防衛したのを記念して出版されたようで、「棋聖 小林覚の世界」「囲碁に燃えて」
「名人武宮正樹」と似たような本です。
ただこれらの三冊と違って、中身は極めてオーソドックスな打碁集。
20局以上収録されて、数的には十分ですが解説は淡白です。
第一、依田碁聖自身が解説しておらず、対局当時の解説、対局者の感想。
当然、伝え聞く依田碁聖の変人ぶりはちっともわかりません。
もっともわかる本が出てきたら凄いですが。

しかし依田碁聖が初挑戦初タイトルを決めたのが29歳、そしてそこに至るまで何度も大一番で負けて涙を呑んでいたという事実には驚きました。
囲碁に関心が向いてから日が浅い私には、依田碁聖は世界戦に通用する強い「名人」という印象しかありませんでしたから。
そこに至るまでに苦難の日々があったとは想像もしませんでした。
この打碁集に敗戦譜が多いのもそのためでしょう。

依田碁聖はテレビ的にも盤面的にも、碁界に数少ない魅せるタイプの打ち手だと思います。
将棋で言えば加藤一二三先生、谷川浩司先生に近い印象。
若手の突き上げが厳しいですが、その若手も世界の壁に苦しんでいる現在はまだ、若手の良い目標となって君臨し続けて欲しいですね。

今回は残念でしたが、今後のご活躍を期待しています。

尚、この打碁集はまだきちんと並べていないので、しばらくしたら何か追記するかもしれません。

【2011/2/16追記】
構成は小西泰三プロ。

収録局は
第1章「十段獲得と防衛」
…第33期十段戦 挑戦手合
…第33期十段戦 挑戦者決定戦
…第34期十段戦 挑戦手合
第2章「タイトル戦奮戦局」
…第17期名人戦 挑戦者決定リーグ
…第12期棋聖戦 最高棋士決定戦
…第29期十段戦 挑戦者決定戦
…第38回NHK杯 決勝
…第41期王座戦 挑戦者決定戦
第3章「国際棋戦と碁聖獲得」
…第8回日中スーパー囲碁
…対李昌鎬 5番勝負
…第3回応氏杯 準々決勝
…第21期碁聖戦 挑戦手合
第4章「依田紀基最新棋譜」
…第3回応氏杯 決勝5番勝負
…第1回三☆火災杯 決勝3番勝負
付録「依田紀基全対局記録」

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