形勢判断してみれば…

テレビアジア囲碁選手権が3日わたってBSで放送されていた…らしい。
知ったのは既に見たかった依田-古力戦の放送終了後。
放送があるのは知っていたが、まさか平日の昼間とは思わなかった。
ましてや放送を知らない囲碁ファンが、平日のこの時間帯のテレビ欄に眼を向けるとは思えないのだけど。

それはさておき。
今日は落ち着いて打てそうな環境の日だった。
しかしこういう日に限って挑戦がなく、また私が再戦を挑みたい相手もログインしていない。

「今日は止めようか」
と諦めかけたところ、挑戦が来た。
前回と同じ方。
ここのところ対戦が多い。
正直、どうしようか迷ったが、囲碁を打ちたい気持ちが強かったので一局。

向先。逆コミ1目半。

白6は常識外れとわかっていたが、小目にかかってくる相手に対応する形で打ちたかったので。
こういう場合、小目が星なら迷わないから楽である。

白16と突き抜く前に、15の右を利かしておかなかったのはずっと後悔していた。
あるいは白14で素直にツイで黒を隅に封じるのもあったか。
本譜では左上は有利とは言えない。

それでも白28から上辺にイチャモンをつけて、白44まで手順に囲えれば打てるつもり。

白48は甘い？とりあえず普通にツイでおくところか。
黒51が帳消しで36の上を押さえておけば、上辺はそれなりの大きさにまとまったはず。

「白52で上辺の黒地は傷持ち。大して大きくならない」
と思っていた。
後の災いのもと。

黒57は「ここからくるか」という感じ。
善悪は良くわからない。
白68は甘いかとも思って迷ったがダメ詰まりが魅力なのでワタる。
白70は贅沢で白60の上にノビておけば左辺に手段がなく大きくまとまった。
黒71のキリが思った以上に厳しく、対応に苦慮。
白76はひねりすぎの気もしたが…。

懸案の左辺上方を攻められる。
白82、白90、白92が利くので大丈夫と思っていたが、白88に反発されたら危なかったかもしれない。
何とか、生き。
しかし左辺の地が大幅に減ったのは痛い。

白110。
大場の手止まりがこんな後まで残ってはいけないか？
黒111は「無理」と思い、実際白120までで取ったつもりだが、実は味というか手が残っていた。

白150で入念にヨんだ。
すなわち白152からのシチョウ。
高段者なら直ぐ読み切れるのだろうが、間違いないか不安だった。
黒153・155と二つ逃げて相手も気づいたのだろう。

ここで
「上辺の黒地はいくらでも減らせる」
「下辺の白地は大きく安泰」
「シチョウを2つも逃げたのだから、相当の損」
という3つの要因から「白勝勢」だと思っていたのだが、大変な判断違いだった。

まず図の黒165をみてビックリ。
必死にさまざまな攻め合いの手筋を思い出して、取れないかを画策するが取れない。
仕方なく、白166・168で妥協。

それでもまだ良いと思って、黒181と止められたところで形勢判断をすると「ん？」
「右下から右辺の黒地が、大体下辺の白地と同じ？！」
となると上辺の黒地と左辺・右辺の大きさの比べ合いだが…。
「負けてる？！
「黒181は許してはいけなかった？」

ガックリ。
それでも今日は不思議と冷静というか鈍感。
白188などという陽気ではないのだけど、マッタリとヨセ。
黒191・193などを先手でヨセられ、本当に敗勢になってきた。

「最後のお願い」と白214。
せめて勘違いして引いたりしてくれないかなと念じていた。
そのお答えが黒215。
期待以上の見損じ（？）である。
恐らく、黒は形勢を悲観して、追い落とし見落とし一撃必殺を狙っていたのではないかと思われるが…。

それでも足りているか自信がない。
白228はさすがにウッカリを期待していたのではなく、利かして少しでも中央の地を増やそうと言う意図だった。
それが黒229…。

これにて熱戦は幕である。
23目半勝ち。

総合して序盤にかなり良いという意識が間違いだったのだろうか？
そんなに悪い手を打ったつもりはなかったのだが、左辺の攻防が思った以上に白に損だったのだろうか？
黒181や黒165を打たせないよう手番をもってこなければならなかったのか？

囲碁の難しさを感じる。

(;GM[1]FF[1]SZ[19]
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