対局日誌

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新刊棋書情報「囲碁小町 嫁入り七番勝負」

2011-02-03 21:37:50 | 棋書
棋書というか囲碁を題材にした小説。
囲碁小町 嫁入り七番勝負」(講談社)という本を書店で見つけた。

著者は犬飼六岐
2000年「筋違い半介」で第68回小説現代新人賞受賞。
2011年「」で第144回直木賞候補…って、この間のか。
時代小説の若手期待の星とのこと。

ストーリーはリンク先参照のこと。

「『天地明察』の人気に便乗したかな?」
「囲碁小説といっても囲碁は刺身のツマだろう」
「短編集かも…」

なんて思いながら手に取ったが、なかなかどうして

ハードカバーに包まれた、厚い、しっかりとした長編本だった。

懸案の対局の描写もストーリーの重要なシーンとしてページを割いており、
囲碁の初歩、ルールも軽く説明しながら、
なかなかに丁寧に描写していて感心。
ここまで盤上の様子を文章だけで表現しようとした作家は初めてかも。

臨場感のある描写とはいえないが、
元々囲碁の内容は盤面があっても描写しづらいので、
この辺りが限界と思う。
強い打ち手かどうかは知らないが、
著者は恐らく囲碁が打てるのだろう。

文中には主人公おりんの憧れの存在として、秀策が登場。

まぁ、ヒカルの碁を読んだ人には御馴染みだから
これは驚くに当たらないが、文中の会話で
「安井家のお鉚(りゅう)さんに先で打ってもらいました」
という話が出てきたのに、また驚いた。
古碁に興味のないプロ棋士なら知らない人も多いのでは?

お鉚は囲碁四哲安井知得(仙知)の娘で、
天保四傑の安井俊哲(算知)と兄妹。
アマプロの区別がなかった時代に二段の免状をもっていた。

確か「囲碁史探偵がいく」の中で福井プロが
「江戸時代最強の女流」として取り上げていたように記憶するが、有名とはいえない。

時代小説家としては当然なのかもしれないが、
上の一事からも囲碁史をしっかりと研究していることが伺われて、
「こりゃ一度ちゃんと読まないといけないな」
という気にさせられた。
好きな女流棋士を主人公に投影させながら読めば、より面白いかもしれない。


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