対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
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新刊棋書情報06/10/31

2006-10-31 01:55:55 | 棋書
MYCOMの今月の新刊は「イー・チャンホ流3 中盤の絶対感覚」。

イー・チャンホ流1 布石の考え方」「イー・チャンホ流2 形勢判断の急所」の続刊。
第1章で考え方の概論を、第2章以降の李プロの実戦から取材した「次の一手」問題で、第1章の考え方を具体的に身につけるという構成は、前2作と変わらない。
今回の中盤編では「中盤で主導権を握るには、まず攻めるより守りを固めてから」という考え方を主軸に置いている。
これは布石編での「本手で構えよ」、形勢判断編での「形よく打てば、形勢は悪くない」という考え方とも相通じ、前2作を楽しんだ人は違和感なく本作も読めるはずだ。
「Slow Igo Style」を尊ぶ、李プロの特色が良く出ている。

ただ難を言えば、ライター大島正雄の構成は決して嫌いではないのだが、いずれもワンパターンで工夫に乏しい。
内容は充実していても、どれも同じにみえる。
もっといえば「具体例」の列挙ばかりで、そこからどういうエッセンスを抽出するかは、多くが読者の努力にかかっているのがやや不満。
もちろん囲碁とはそういうものだし、梶原プロのような理論的にみえる、体系立てた本を書くのは難しいとは承知しているが、もう少し別の工夫をみせて欲しいのが本音だ。

またどうせ同じ形式なら、棋苑図書から出版されている「イ・チャンホの中盤戦略」3巻と同じく、問題までの手順が掲載してほしかった。
これがあれば、棋譜並べの題材としても使えるから。
私は貧乏性故この部分を重視しているので、そこも減点である。

とはいえ世界最強棋士の名を冠した本として、無難と言えば無難な本だとは言える。
イー・チャンホの本(全て大島氏が構成)を読んだことがある人なら、大きくその期待から外れることはないだろう。


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