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時々、初手に黒1と打たれることがある。
ちょっと居心地が悪く、手が止まってしまう。
プロの棋士ならば
「黒右上隅小目」
と言えば、ほとんど例外なくAだと思う。
昔は覚えていないが、現在は例外なく私もそう打っている。
しかしそれはどうしてだろう?
右上に打つ理由としては、
「白が打ちやすいよう、下辺を空けておく」
という意味づけがなされている。
本当かどうかは知る由もないが、一応の理由は設定されているわけだ。
しかし小目の向きに関しては、それが見当たらない。
慣例といってしまえばそれまでだが、今まで並べた棋譜に黒1はなかったように思う。
慣例にしては強固なルール。
むしろ初手に右上隅に打たないケースの方が、プロ実戦例は多いのではなかろうか?
初手以外はどこに打っても良いということになっているが、昔武宮正樹プロが初手をBの星に打ったのに対し、小林光一プロがCに打ち、武宮プロが「カッ」となったという話がある。
Dでも同じであり、そう打つのが普通だから。
確か「武宮正樹名局細解」に記されていた。
これも本来、ルール違反ではないのだからカッとされる謂われはないが、やはり暗黙の了解というものが破られているのだろう。
ただそれほどまでに忠実に守り続けるルールに、理由がないというはちょっと不思議な気もする。