対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

W杯第16日

2006-06-25 20:15:09 | スポーツ
「不幸のブログ」の本領発揮。
危うく予想と、真逆の結果になるところでした。
しかし考えていた以上に、2試合とも面白かった!

ドイツ対スウェーデンは試合開始早々に2点差がついた上に、退場者が出て一方的になるかと思われたが、意外やそこから試合がシマった感じになった。
チェコやポーランドとはそこが違った。
勝負としては緊張感が欠けるのはやむを得ないが、攻守の切り替えが早く、シュートシーンも豊富で楽しめた。
さすがにラーションが1点差に詰め寄るPKを外してからは、スウェーデンの足が止まってきたこともあってダレてはしまったけど…。

ズラタンは今大会最大の期待外れでしたね。
ユベントスでも調子を落としているのは伝えられていたが、それをここまで引きずるとは思わなかった。
もっともこういう選手が、大会にいつも何人かいるのは常。
ズラタンは残念ながら2大会続けてババを引いたということで、4年後にリベンジなるかというところか。

ドイツはクローゼがキレていた。
私はこの選手をあまりに過小評価しすぎかもしれない。
バラックも調子を上げてきた感じだし、このチームは私には不可解だわぁ。
多分、予想の足枷になるだろう。

アルゼンチン対メキシコは、アルゼンチンの不調とメキシコの奮闘が上手く噛み合って、見応えと緊張感のある好ゲームが繰り広げられた。
3つのゴールはどれも綺麗なもの。

メキシコの厚みある攻めには、アルゼンチンが一発喰らいそうでヒヤヒヤだった。
アルゼンチンを「強いな」と思ったのは、メキシコに先制された数分後にすかさず追いついたこと。
今大会アルゼンチンはリード許すような逆境に立たされたことがなかったので、真価が問われた試合だったと思う。
そういう意味で早い段階で追いついた、このクレスポの同点弾は大きかった。

反対に頂けなかったのは、優勝候補としては致命的なパスミスが多かったこと。
リケルメやスカローニ、エインセらが相手にボールを渡してしまうようなパスミスをしていたのには目を覆いたくなった。
また芝で足を滑らすシーンも多く、攻撃がそこで中断していたのは不満。
アルゼンチンはやや調子が低下しつつあるのかもしれない。
ブラジルに比べて高さや破壊力で劣るので、全体の機能がミスで低下するのは命取りだ。
そこがどう修正されるかで今大会全体が大きな影響を受けるだろう。

しかしそれにしても決勝点となった、延長前半のマキシの一発は凄かった!
チャンピオンズリーグ決勝のジダンのゴールにも匹敵しそうな、文字通り目の覚めるドライブボレーシュート!
いいもの見せて貰いましたよ。
痺れました。

さて、今日の予想はイングランド対エクアドルはイングランドで決まり(?)として。
また外れそうで怖いが。
問題はポルトガル対オランダ。

これが全くわからない。
両チームの選手の質は互角。
オランダはチームとしてW杯の経験は豊富だが、ポルトガルは前回優勝監督フェリペ監督という百戦錬磨がいる。
ベテランに関してはファンデルサールとコクが守備陣にいるオランダに対し、ポルトガルは攻撃陣にフィーゴとパウレタを揃える。
またキーになりそうな選手はオランダはファンデルファート、ポルトガルはデコ。
ロッベンvsC・ロナウドの最強ウイング対決も見逃せない。
どこまでいっても良い勝負なのだ。

どちらかというと思い入れがあるのはポルトガルなので、敢えてポルトガルの勝ちを予想しましょうか。
オランダのサッカーはみていて楽しいので、それが消えるのも嫌なんだが…。
あー、困った(笑)。
決勝T1回戦屈指の好カードである。

そういえば昨日「東欧全滅」と書いたが、ウクライナは東欧に含めるべきでしょうか?

「囲碁孫子の兵法」の罪

2006-06-25 08:05:31 | 棋書
本当は本をレビューする時に話そうと思っていたのだが、レビューできる棋力に達するのにまだまだ時間がかかりそうだ。
しかし「なんとなく囲碁夜話」の記事に対する以文会友さん、aizomechouさんのコメントを読むと、勘違いしている人がやっぱりいるとわかったので書いてしまいます。

囲碁孫子の兵法 ~三十六計にみる囲碁戦略~」(誠文堂新光社:馬暁春著)のこと。
この本のタイトルには、ある重要な間違いがある。
敢えて日本に置き換えると、この本のタイトルは「囲碁楠木流 ~甲陽軍艦にみる囲碁戦略~」となってしまうのだ。
かえってわかりにくいかしら(汗)?

つまり「孫子」と「三十六計」はどちらも軍略を説いた本ではあるのだが、全然別のもの
「三十六計」の方が時代を下っているし、内容上、確かに「孫子」の影響を受けてはいるけれど。
そこを指摘したくて、この記事を書いた。

「孫子」は日本では、戦国時代の名将、武田信玄が好んで読んだこと有名。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず…」
「はやきこと風の如く、侵略すること火のごとく…」=「風林火山」
らの一文が広く知れ渡っている。
作者は春秋時代(紀元前5世紀頃)の軍略家孫武である。

余談だが武田信玄の兵法、個人史を描いたのが先の「甲陽軍艦」。
で、楠木流とは楠木正成の兵法のことです。
楠木正成が南朝の後醍醐天皇を助けた、近畿の豪族だというのはご存じですよね?

対して「三十六計」は宗の時代(12世紀頃)以降の本で、「孫子」とはかなり時間的にも隔たりがある。
作者は不詳で、古来伝わる軍略のセオリーを四文字熟語でまとめたものだ。
こちらに書いてある熟語は中国史が基盤なので、日本人には馴染みが薄いと思われる。
「三十六計逃げるにしかず」という諺は有名だけど。
ちなみに私も以前、この中の「声西撃東」を使って記事を一つ書いた

で、この四文字熟語を使って囲碁の戦略を考えてみようというのが、「囲碁孫子の兵法」のコンセプト。
ややこしい。
だから「囲碁孫子の兵法」は中身を読むとその実、全く「孫子」とは関係がないのである。

もともと「囲碁孫子の兵法」は、中国で出版された(?)時は憶測するに、「囲碁三十六計」というタイトルだったのだと思う。
それを訳した誠文堂の編集者が「三十六計」じゃ据わりが悪いとでも思ったのか、不勉強だったのか、勝手に「孫子」を付け加えたのが真相ではないだろうか?
馬プロが書いたのだから、「馬子の兵法」だったらまだおかしくはなかったのにね。
馬子にも衣装、蘇我馬子ってか?
もっとも孔子老子と並べられては、馬プロもさすがに恥ずかしいでしょうが。

だからそんな機会はないとは思うが、
「孫子の兵法に『声西撃東』という言葉がありましたね」
などと中国の人に話すと恥をかきます。
多分。
ご注意下さい。