奈良大好き☆お勉強日記

奈良大学文学部文化財歴史学科(通信教育部)卒&奈良まほろばソムリエ検定のソムリエを取得したヒトの色々な勉強の日記です♪

人麻呂の茶道具?

2014年06月21日 | 奈良検定お勉強日記

こんな記事をネットで見つけて目が点…。

”落札額は3千万円! 柿本人麻呂ゆかりの茶道具盗む、母と長男を逮捕”

柿本人麻呂たぁ~大きく出たね(謎)

しかし、この文章、おかしいではないか。
柿本人麻呂の活躍していた年代(7世紀後半生まれ~8世紀初め頃没)と、
お茶が日本に入ってきた年代(9世紀はじめ)が違うのだから。

お茶の起源ということで云えば、
弘法大師空海が遣唐使として中国大陸へ渡ったとき、茶の種子を持ち帰って、
それを室生に蒔いて茶の栽培を始めたことにはじまるって~ってやつ。
(ソースは奈良検定のテキスト(笑))

それがいつかといえば、大同元年(806)だというのだから、やっぱり変だよ>柿本人麻呂。

事件の調査の方は警察の方にお任せするとして、
問題なのは、このニュース「文章」だ。

”捜査関係者によると、盗まれたのは「玄々斎好(げんげんさいごのみ)
 筆柿香合(ふでがきこうごう)」と呼ばれるお香入れ。
 裏千家の文化財を保存している茶道資料館(京都市)によると、
筆柿香合は第11代家元の玄々斎が幕末から明治初期にかけて、
柿本神社(兵庫県明石市)に人麻呂が植えたとされる柿の木の枝で作らせた。
ほかに3個しか確認されていないという。”

うーん。
柿本神社は、その名のとおり、ご祭神は柿本人麻呂だというらしいが。
そこには「人麻呂が植えたとされる柿の木」があり、
その枝で作らせたのが、盗まれたという茶道具らしいのだけど。

むーん。
柿本人麻呂ゆかり、って、いえば、ゆかりなのかもしれないけど。
それを人麻呂ゆかりの品って云っちゃっていいのか?

どちらかといえば、「裏千家のお宝」のうちの一つってことでの価値の方が高いと思う。
(別に人麻呂が使っていたとか、そうゆうもんじゃないし)

最近、キャッチで「うん?!」って目を引く記事って、
全体を読むと「はあ?」なことが多くて、
これもそのクチ。

それでも、笑ったからいっか。
久しぶりに奈良検定のテキストも開いてみたし(笑)
いいベンキョウになったわ。

ちなみに、モンダイの「筆柿香合」とは→こんな感じだそうで。
またまた一つ物知りになっちゃったわさ。

人生何ごとも勉強だ♪

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6 コメント

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この (なぎ)
2014-06-22 16:45:26
茶道具、オークションで三千万円で落札されたのがきっかけで、盗まれたのが分かったんだって。
盗まれた時は気が付かなかったってことかしら?
どうもよ~分からん事件だったわ…・
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ねえ (かるほ)
2014-06-22 22:38:47
なぎさ~ん
これ、奈良のハナシでしょ。
ナニナニ?と思って読んだら納得がいかん文章だった(ははは)

ヤフオクなんかでも「何でこんなものが?!」ってものが出品されていることがあったりするからね。
しかし、そんなお宝を持っている人は持っているってことか~。

しかし、一つ勉強になったわ。
間違ったニュースも、勉強のネタモトになるもんだ(笑)
返信する
いまごろですが (まあ)
2016-10-01 15:01:45
はじめまして、2年も前のこと今頃でごめんなさい。
窃盗に会ったのは今から5年前、昨日のことのように感じています。我家にて目を離した隙にかすめ盗られ、すぐに気が付き当人を追及したがすでに仲間と連携していて戸外に。
犯人の住所・指名、品物の写真等添えて同日警察へ行ったのです。
上記のように気が付かなかったわけではなく、警察は動いてくれず、あの香合に対する私の執着・執念(母の形見)からどんなに捜したことか!そして遂に今の在りかを突き止め、また警察に。それでも逮捕まで何年も。
今思い出しても警察の対応に腹が立つ。
初動捜査のミスで勿論品物は還ってきません。

ちなみに、あれは明石の人麻呂神社の筆から裏千家11代玄々斎が塗師8代宗哲に四つ作らせ(四君子)蘭・竹・菊・梅の内、私のは「梅」の銘で塗りの箱には万葉仮名で人麻呂の歌が書いてありました。
今どこに在るかも判っていますが、いくら出しても還ってこない、あの方は離さないと言われました。
返信する
なんとまあ… (かるほ)
2016-10-02 23:16:31
まあさん
はじめまして。

あの盗難事件の当事者の方ですか。
それはそれは大変な目に遭われましたね。
あの事件は記憶しているのですが、その後のことはわからなかったのですが…。

それについて検索してみたら、
あの犯人の一族も、窃盗で逮捕されているのですね。
なんてことでしょう!
(→http://www.sankei.com/west/news/150108/wst1501080046-n1.html
(→http://www.sankei.com/west/news/141127/wst1411270025-n1.html

盗まれたものをオークションで処分したら、
それを知らずに購入した人に返却を求めることは法律的にできないそうですね。
盗難にあった仏像で無事に戻ってきたものもありますが、
そういう法律的な制約もあるのですね。

現在の所在場所もわかっているのに何もできないのは歯がゆいこととお察しいたします。
あまりに法外な値段で取引されていますし、先方の言い分もわからないのではありませんが…。

窃盗団に賠償責任って問えないのでしょうか。
(一族郎党で窃盗団ってどういうこと!!と現在激怒中です)
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書こうかしら (まあ)
2016-10-03 10:53:04
返信有難うございました。
犯人は過日執行猶予付きの刑が確定しました。
私は即日品物の写真数枚(これが重要)、犯人の住所・指名を警察に届けたのに、警察は然るべき所(古美術オークション場等)への周知を怠った。故に買った人の「知らなかった」が通じたのです。
この件では一冊の本が書けるほど、2時間ドラマができるほどストーリーがあり、またこの老体にこんな知恵とパワーがあるかと思うほど頑張った次第です。
悔しいけれどある意味、楽しめました。
返信する
是非! (かるほ)
2016-10-03 22:14:18
まあさん
犯人に執行猶予ですか…。
猶予要らないですよ、ホンマにもう(怒)

今は悔しいけどある意味楽しめたなどとおっしゃってますけど、
起こった当初はもちろんのこと、今でも「!!!」って思われているでしょうね。

人間一生に一冊は本が書けるエピソードがあるといわれるようですが、
まさに「一冊本が書ける」体験をなさっているので、
今だったら無料のブログを借りて、書いてみたらいかがでしょうか?
他の方へのそういう被害の予防にもなるでしょうし、
こういう手口があるのだという周知にもなりますし。

ぜひぜひ思いのたけをつづってみてください。
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