Carpe diem

Chi vuol esser lieto, sia: Di doman non vè certezza.

行政 vs マンション業者

2006年06月24日 | 北新宿3丁目プロジェクト
行政 vs マンション業者

行政とマンション業者の関係についてネット検索してみたら隣接する中野区での事例がhitしました。かなり昔の判例ですが、マンション業者が中野区を相手取り最高裁まで争っています。結果はマンション業者が負けたようです。
以下のURLで詳細を見ることが出来ます。

http://www.hiraoka.rose.ne.jp/C/820423S2.htm

内容は以下のようです。
中野区が近隣住民がマンション建設に合意していない状況を慮って区道の使用許可を5ヶ月間下ろさなかったようです。それに対してマンション業者が工事遅延による損害賠償として約16,000,000円を要求する訴訟を起こしたということのようです。最高裁は中野区の対応を正当としマンション業者の訴えを斥けました。
約30年前にはもうマンション業者は今回の件と似たような近隣住民との衝突を起こしていたようです。しかし,行政が住民との和解を目的に行った処置に対して損害賠償を求めるというのは私には理解しがたいことです。しかも最高裁まで上告するというのは一般的に行われていることなのでしょうか。知識が乏しいので判断出来ませんが,凄まじい執念を感じます。何がマンション業者をここまで駆り立てるのでしょうか。

主文と理由を貼っておきますね。

最高裁(第二小法廷)昭和57年04月23日判決
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 昭和55年(オ)第255号・損害賠償請求上告事件
  棄却
   第一審→東京地方裁判所昭和53年05月29日判決
   控訴審→東京高等裁判所昭和54年11月30日判決
  上告人 (控訴人・原告)  有限会社X  代理人 篠崎芳明 外一名
  被上告人 (被控訴人・被告)  中野区
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 主 文
 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人の負担とする。
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 理 由
 上告代理人篠崎芳明、同大場常夫の上告理由について
 道路法四七条四項の規定に基づく車両制限令一二条所定の道路管理者の認定は、同令五条から七条までに規定する車両についての制限に関する基準に適合しないことが、車両の構造又は車両に積載する貨物が特殊であるためやむを得ないものであるかどうかの認定にすぎず、車両の通行の禁止又は制限を解除する性格を有する許可(同法四七条一項から三項まで、四七条の二第一項)とは法的性格を異にし、基本的には裁量の余地のない確認的行為の性格を有するものであることは、右法条の改正の経緯、規定の体裁及び罰則の有無等に照らし明らかであるが、他方右認定については条件を附することができること(同令一二条但し書)、右認定の制度の具体的効用が許可の制度のそれと比較してほとんど変るところがないことなどを勘案すると、右認定に当たつて、具体的事案に応じ道路行政上比較衡量的判断を含む合理的な行政裁量を行使することが全く許容されないものと解するのは相当でない。
 これを本件についてみるのに、原審の適法に確定したところによれば、被上告人の道路管理者としての権限を行う中野区長が本件認定申請に対して約五か月間認定を留保した理由は、右認定をすることによつて本件建物の建築に反対する附近住民と上告人側との間で実力による衝突が起こる危険を招来するとの判断のもとにこの危険を回避するためということであり、右留保期間は約五か月間に及んではいるが、結局、中野区長は当初予想された実力による衝突の危険は回避されたと判断して本件認定に及んだというのである。右事実関係によれば、中野区長の本件認定留保は、その理由及び留保期間から見て前記行政裁量の行使として許容される範囲内にとどまるものというべく、国家賠償法一条一項の定める違法性はないものといわなければならない。
 以上の次第であるから、所論の点に関する原審の判断は、その結論において正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、いずれも採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 塩野宜慶 裁判官 栗本一夫 裁判官 木下忠良 裁判官 宮崎梧一 裁判官 大橋進)
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1 コメント

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三百代言 (3丁目住人)
2006-06-25 01:57:36
お久しぶりです。久しぶりにじっくりと拝見しました。



へぇーー、ですね。

アクロスの弁護士と25年前の中野区事件のマンション側弁護士は同一人物(又は事務所)だったのですね。しかも「民暴の鷹」を書いてる民暴対策で(ちょっと)有名だった弁護士とは。



民暴対策で売っている弁護士がアクロスにつくとは、全くもってジョークですね。一般市民の感覚で言えば悪質マンション・デベロッパーなんていうのは民暴の権化のようなものなのですが・・



しかも中野区の事件は「行政判例百選」(法学部の学生なら皆持っているシリーズ)に掲載の有名判例です。弁護士サンにとっては負けた裁判が有名になったというありがたくないケースでしょうが・・。25年たっても同じような事をしているわけですね。



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