2014年12月11日、久しぶりに眼球振盪の高校生KMちゃんが来院しました。
今年4回目の指圧治療です。彼女は以前、物を見るとき眼球の振れが止まる一点だけに目を固定して見ていました。去年初頭から週1回、基本指圧で治療し8月末に帝京大学の眼科の教授から「確かに真っ直ぐ向いていますね」と確認されました。私は、8カ月間必死に治療に没頭した疲れがどっと出てしまい、彼女の状態が落ち着いてきたので高校受験もあり、少しお休みをもらって、来年受験が終わってまたときどき来てもらえば大丈夫と、治療を小休止と決めました。
今年、高校に進学してからは、憧れのチアリーダーの部活動の練習で毎日毎日忙しいらしく、なかなか治療に来なくなりました。人に聞いた話では、この高校は今年全国大会で優勝したそうです。久しぶりに会ったKMちゃんは、ずい分身長が高くなって、スマートな素敵なお嬢さんになっていました。
この日は、「腰が痛いです!」と訴えていました。チアリーダーの動きがまだまだ思うようにできずに苦労しているのだろうと、身体を圧しながら応援する気持が湧いてきました。―― 頑張れ。
圧し手として一番気になるKMちゃんの前頸部は、どうなっていたでしょうか。
今年は4回とも、1回1回よくなっているのは分かっていたので安心していましたが、これが「成長」という身体の「力」だと確認し、感動しました。大人にはすでに無くなってしまった素晴らしい力です。いい物も悪いものも、すべてが成長してしまう生命力という力です。改めて自然に具わった身体の脅威に感動しました。
さて、今日はどうでしょうか。
眼球振盪独特の、頸部の硬さはやはり少し残っていました。全身を圧し終えて、確認の意味で最後にもう一度、気になる前頸部の硬さを圧して見ました。――ビックリしました。その部分がキレイに緩んでいたのです。
KMちゃんに聞いてみました。
見た目では、分からないほどよくなっているけど感想は?
「???んー、どうだったかな? えーと? 分からない! 忘れちゃった!」
この答えには、驚きとともに本当に嬉しく思いました。
確かに良くなったら分からなくなるのは、結果が本物だということだと思いました。嬉しくて、誰にでも言いたくて、何回も同じことをいっていました。KMちゃん、来年も時々指圧を受けにきてね!