「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

二分脊椎・水頭症の23歳男性、便もれとアトピー性皮膚炎が改善

2014年12月22日 | 指圧の活動

 公益財団法人・日本二分脊椎・水頭症研究振興財団から受けた助成金で、埼玉県の男性U君(23歳)の治療をしていましたが、助成金で予定していた分は11月28日に終わりました。この指圧治療は、4月3日から11月28日まで、隔週でどれくらい効果が上がるかを期待して挑みました。
 
治療にあたったのは、基本指圧研究会のメンバー加納慎一です。初めての大仕事で緊張感を持って挑みました。治療は全身指圧を8カ月間施療し(合計18回)、私もU君の厳しい状態を知っていますので、少しでも改善に結びつけることと、加納慎一に教える目的で、加納の治療週以外の週をボランティアで、応援することにしました。私が3~40分ほど圧しながら、体調が変わって行く様子を加納に教えながらの挑戦です。(村岡の指圧が合計16回) 
 
治療は1回1回順調に進み、徐々に身体が変化してきました。彼は車椅子生活で、足が利かず歩けません。生まれた時から水頭症も合併していて、頭部5回も手術しています。腰は脊椎側弯症もひどく、角度は47度でこの4年間変わっていないと聞いていました。

 指圧を受ける効果が早くも3ヶ月で確認されました。大学病院での今年7月のレントゲン検査の結果、側弯症の角度は37度に変化し、医師も驚いていたそうです。曲がった膝も少しずつ伸びてきました。ひどかったアトピー性皮膚炎も、びっくりするほど良くなってきました。夜も眠れないほど痒くて辛かったから、たいへん喜んでいます。

 順行性洗腸から脱出ができたらと思い、洗腸で使う水の量を1リットルから100ccづつ減らしながらチャンスがあればと窺っていました。7月31日、本人と母親からの申し出で、逆流性洗腸に変えることになりました。色々考えて、洗腸の水は100ccを5回入れることにしました。
 
結果、それまでの便もれが8月14日の指圧以後なくなりました。二分脊椎症患者が一番悩むのは、予想不可能な便もれです。今回の彼も週1~2回あった便もれで、仕事に行けない日があることが一番の悩みでした。

 
U君とそのお母さんから、財団と私たちへの感謝のコメントです。

 
彼からです。
 
「村岡先生、加納先生に指圧をしてもらったおかげで、職場などで便もれが無くなりました。体調もとても楽になりました。本当に感謝しています。また、村岡先生には、電車に乗る練習に付き合って下さり本当にありがとうございました。感謝しています。これからは色々な所へ自由に出かけられると思うとワクワクしてきます。今後もよろしくお願いします」

お母さんからのコメントです。
 
「このたびは財団の助成金の対象として息子を選んでいただき、最高のチャンスに本当に感謝しています。ありがとうございました。4月から開始し、回数を重ねる度にひどいアトピー性皮膚炎が見る見る良くなりました。そのすごさには驚いています。
 
そして一番の悩みであった、洗腸後の便もれが無くなりました。これまで洗腸後に必ず便漏れがあり、何時も心配で仕事を休むことも多くありました。現在は、まったくありません。
便性も変わりました。時には、『お腹が痛い』といいトイレに行き、自分で排便することもあります。7月には側弯症のレントゲン撮影があり、47度→37度の変化には驚きました。性格も穏やかになりました。薬を使わず身体を改善できる、指圧の素晴らしさを改めて実感することができ、感謝でいっぱいです。本当にありがとうございました」

 
今後、自力排便目指して私らで工夫しあって、指圧治療を同じペースで続行できたらいいなと考えています。また報告します。


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