「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

脊椎側湾症の治療、改めて感じた前頸部指圧の大事

2008年10月20日 | 素晴らしい指圧効果
  以前、基本指圧研究会のメンバーAさんから、妹さんの脊椎側湾症の治療をしている、という話を聞いたことがあります。自分の家族を指圧するのはよくあることなので、「そうなの」と話として聞き流していました。ただ、かなり一生懸命やっているらしい、とは感じてはいました。  

  10月1日の夕方、いつも通り仕事をしていると、ヒョッコリ2人が挨拶をしたいと顔を出しました。背が高いお兄さんと違い、妹さんは小柄で笑顔の可愛らしいお嬢さんです。しかし身体的にはかなり厳しい状況で、その様子は一目瞭然でした。他のスタッフも皆心配していました。  

  彼が一生懸命指圧治療をしているのを知っていましたから、少し待っていてもらい、私の仕事が一区切りついたころで前頸部だけ圧してみました。 
  前頸部は“その人の全ての情報が凝縮された部分”ですから、当然彼女も非常に強い張り方をしていました。こんな異常な状態では具合いがいい訳がありません。
 きちんと直しておかないと、加齢とともにもっとひどくなってしまいます。メンバーの家族ですから、他人事(ひとごと)とは思えません。触ってみると明らかですが、前頸部はまったく圧せていない状態です。Aさん自身にとっても、前頸部がいかに大事かを、あらためて学ぶ絶好のチャンスです。治療場所は私の治療院でやることにして、そのたびに私が前頸部だけ圧すことにしました。  

  今までずいぶん指圧をしたようですが、前頸部が圧せてないので改善がイマイチでした。それ(前頸部)を私が圧し始めてから、効果が明らかに違うことに2人とも驚いています。 
  目で見ただけで身体の形がハッキリ変わってきたのです。彼女の身体がとても楽になってきたのが分かります。その上、彼も色々細かい部分まで勉強になっています。これが机の上ではできない生きた勉強です。  

  彼女は14歳の時に、「生まれつきの脊椎側湾症」であると診断されたそうです。医師から手術を勧められ、ご両親はずいぶん迷って結局手術はしなかったそうです。今までコルセットを使ったり、生ゴムを巻く治療や整体、鍼(はり)等々いろいろ試したそうです。 
  しかし脊椎の側湾こそ、前頸部を圧さなければ真の改善はありません。だからこそこれは、手術以外には治すことはできない、といわれてきたのです。しかし身体の芯部にメスが入れば、かなりのリスクも背負うことになります。今となっては、手術をしなかったことは「賢明な選択」であったのではないでしょうか。  

  Aさんは自分の妹なので、都合の付く限り思う存分圧すことができます。身体に圧す負担がかかりすぎないように、1回の治療時間を短めにして、週に3~4回の治療を目処(めど)に今月からスタートしました。本人の了解を得て、治療経過を写真に撮りながら変化を追うことにしました。これから時々投稿しますので参考にしていただけたら、と考えています。  

  ちなみに、診断が下された当時の手術内容を聞いて、何ともいえない気持になりました。 身体の背中側からの手術は、神経が通っているため身体の前面、つまり胸骨を開いて腹部まで縦にメスを入れ、内蔵をどけて、脊椎を前面からボルトで止めていくというハードなものだそうです。 
  これを聞いただけでご両親が手術を拒否したといいますが、心情的によく理解できます。今、兄であるAさんの治療に、家族全員が期待しています。今後の治療効果が楽しみです。  

  写真は、14歳当時、診断が下された時のものです。10月1日に診た時には、年齢が加算された分でしょうか? 背中の左側の膨らみがもっと大きく、この写真よりはるかに歪みは強くでていました。
 
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