「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

私の洗剤かぶれは、身体のメッセージ

2007年03月29日 | 素晴らしい指圧効果

  昨年暮れの12月29日。仕事納めを残業で終え、多忙な一年を象徴していると思いつつ、「さあ明日から1週間は家事に専念しましょう」と、あれこれ段取りを頭の中にかけ巡らせていました。
  ところがその夜、手の指が異常にかゆくてとても眠れないのです。少々の痛みなら眠れないことはありませんが、“かゆい”というのは、とてもたまらないもので、しっかりと睡眠のさまたげになってしまいます。
  右手の人差指と、中指と、小指がとにかくかゆいのです。血がにじむまでかきむしってしまいました。翌日から時間を逆算して、年末の大忙しの真っ只中に突入です。翌朝、寝不足の目で自分の手をみて、ビックリしました。かきむしった部分の皮膚がカサカサになって、指を動かすとパリッとひび割れてとても痛いのです。

  こんな手で家事をこなせるかしら、でも予定はびっしり、待ったなしです。洗剤かぶれは、俗に“主婦湿疹”と言われるほどですから、女性に多いようです。指圧治療上からみると、神経疲労が内蔵へ与えた影響が指に出たものです。
  自分のどの部分が神経疲労になり、影響しているのか、考えながら過ごしていました。何が身体に負担をかけているのかずっと探り続けていましたが、なかなかこれかと思える原因が分かりません。指が痛いままでの指圧の仕事は、少し辛いものがあります。

  鈴木林三先生に聞いてみました。
 「この湿疹がなかなか治りません」
 「もう1億3千万人は、圧せないと思っているだろうけど、もしかしたら1億人くらいなら圧せるかもしれないと思っているんじゃない?」
 「えーっ!そんなことー」

  あまりに治らないので、身体がなにを訴えているのか、先生の話に一生懸命耳をかたむけていました。その結果、私はずっと続いていた残業を、3月に入ってから止めてみました。誰になにを言われてもやめたのです。
  それがきっかけで、原因がみえてきました。私は、長年、力でぐいぐい圧す指圧をやってきました。ここ10数年は、鈴木先生に師事し、無駄な力を使わない圧し方を学んでいるので、すっかり忘れていましたが、強い力でがんがん圧していると、何が何でも圧す! 追いかけてでも圧す! というような精神状態になります。
  しかも、朝から晩まで一年中休みなくやっていたのですから、少し変だったのかもしれません。そんななかで“やらなきゃ!”という気持ちが、脅迫観念になって潜在意識にしっかり入ってしまっていたのでしょう。

  残業をやめたことで、やっと自覚できました。「身体というのはすごい」と驚いたのは、自覚できたら、なんと洗剤かぶれが治りはじめました。体表の皮膚も内蔵の粘膜も同じです。このかぶれ、中にできたら潰瘍です。
  同じ悩みを持つ方は多いようです。あれこれの薬も意外に効かないことは、経験者は、知っています。一度ご自分の身体からのメッセージと向き合ってみると、思わぬ発見があるかもしれません。お試し下さい。

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