「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

失われた身体機能に無限の可能性が

2009年02月06日 | 素晴らしい指圧効果
 昨年10月から、埼玉県立ひばり養護学校の高校2年生の子供達と、身体機能改善を目指して、指圧とチャレンジの体操が新たにスタートしています。これは、チャレンジナンバをやっていた、タツヤ君の縁で始まったものです。   メンバーは脳性麻痺のMちゃん(女子・17歳)と、骨形成不全症(ガラスの骨)のHちゃん(女子・16歳)です。12月からは、二分脊椎症のY君(男子・17歳)も加わって、ともかくも賑やかになりました

。    毎週水曜日と金曜日の仕事が終わった後、約1時間ほど時間を工面し、スタッフDさんの協力を得てのボランティアです。3人とも自分の目標を持ってチャレンジしています。

   Mちゃんは、当初ほとんど自力では動けない、ただ寝ているだけのような状態でした。時間をかければ、やっと寝返りだけができる程度です。お母さんが介護に疲れ果てていることは、その顔色から一目瞭然です。本当に大丈夫かしら? と心配になるほどでした。
   しかし生来の明るい性格が功を奏したのでしょうか、Mちゃんはみるみる成果が上がってきました。先月23日にはうつ伏せになり、そこから四つん這いになって、次に足先を身体の下(オシリの下)に巻き込んで、自力で座ることができたのです。写真はそのときのものです。
   たった3カ月でここまでできるようになるとは、誰もが想像すらできなかったことです。彼女の動きがどんどんよくなるのに驚いた養護学校の先生が、見学に来たこともありました。今はこの形から、膝で立つところまでいきたいという目標を、親子で熱く語っています。彼女のお父さんも大変喜び、仕事で疲れているでしょうに毎回一緒に来られます。

   Hちゃんは、“ガラスの骨”と言われる骨形成不全症と言う難病ですが、大変明るくしっかりしたお嬢さんです。身体の長い骨(特に足の骨)は飴状に曲がっています。しかもわずかな衝撃で骨折してしまうそうです。   生まれたときはお産の衝撃で、18箇所も骨折していたといいます。お行儀がよく、ハキハキした受け答えのできる優等生タイプで、勉強も大好きだそうです。先日も英検を受けると張り切っていました。痛くて辛かった腰痛の改善が目標ですが、すでにクリアして新たな目標に立ち向かっています。

   12月から参加のY君は重度の二分脊椎症で、現在も病院で整形外科・眼科等9つの科にかかっています。17歳の男の子らしくとても活発で、エネルギッシュに腕だけで動き回ります。足には感覚がないというのですが、どうやら可能性があるのではないか? と私は考えています。
   1月7日、川越道場で行われたチャレンジナンバのレッスンで、桐朋学園大学の長谷川智先生から受けたレッスンが、彼の足の感覚を呼び起こしたようなのです。自力で動かすことは諦(あきら)めていたのですが、なんと四つん這いで足を使って動くことができたのです。リハビリの先生もビックリしているそうです、本当に感激です。この感動を皆で分かち合いました。

   以後、同級生同士という連帯感が良い刺激を生み、不可能と思い込んでいた身体機能に呼び掛けることで、無限の可能性が目を覚ましました。次々に目前で起きる友の奇跡が、次は現実に自分にも起きるのです。諦めていたことが次々とクリアでき、彼等の世界が加速度を増して拡がっています。   子供達の目の輝きが、何とも形容し難い美しさを放ち始めました。“やればできる!”この発想しかなくなりました。一緒にチャレンジしたいという友達の輪も広がり始めています。今後どのように展開していくのか、本当に楽しみです。また報告します。 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする