「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

超高齢者の鼠径ヘルニアが1回の治療で快癒

2009年02月04日 | 素晴らしい指圧効果
  1月24日(土)の夕方、治療室の前を散歩で通る可愛らしい犬を眺めながら仕事をしていると、親孝行で有名なご近所のTさんが突然顔を出されました。 
「こんにちは! 今、親父が腹が変だというので医者に連れて行ったんですが、脱腸だから手術するしか仕方がないといわれました。でもなにせ90歳という高齢なので、麻酔を使うのも怖いし、どうしたものかと困っちゃって。そのとき、そうだ村岡先生に相談しようと思い付いたんです。どんなもんでしょうか?」
 「治療できると思いますから明日のお昼にお連れ下さい。90歳じゃ麻酔を使いたくないのはもちろんですし、鼠径ヘルニアは外科手術で処置しても、また反対側から出てきてしまうことがほとんどのようです。小腸がお腹の中での居心地が悪くなっているために鼠径管から出てきてしまうのですからその居心地が改善されれば戻るのです。逆にそれをしなければ、根本的に治ったことにはなりません。基本指圧ではこれが可能です。私の治療経験でもほとんどが治癒して、再発はまだ聞きません」

  翌日、90歳になるTさんのお父さんが、来院されました。   左鼠径ヘルニアです。鼠径靭帯部に小腸が出てきていました。小腸は極端な出方はしていなかったのが幸いでした。左鼠径靭帯部分に握り拳より少し小さいくらいの大きさでした。ただ出てしまっている小腸の硬さが強いのが少し気になりました。慢性的なものでしょうか? 体調により、今までも出たり収まったりしていたのではないか、と思われる小腸の硬さです。
   患部と反対の右鼠径部から治療開始です。1点目の硬さは尋常ではありませんでした。焦らずゆっくり圧しました。まず右鼠径部が緩むことが治療の最大のポイントです。右足全体の循環が改善されたのが確認できたので、左足も左鼠径部から丁寧に圧し、以後全身の治療をしました。腹部も思いの外よく緩み、鼠径部のヘルニアもマシュマロのように柔らかくなったので1回目の治療を終わりました。

   息子さんに、翌週早々にどんな状態かを電話で知らせてくださるようにお願いしました。“多分OKだ”と確かな手応えは得ましたが、何せ90歳という年齢ですから油断は禁物です。息子さんとしては、週明けにもう1度施術してほしい意向でしたが、私の予定が詰まっていましたので、OKであれば取り合えずの治療は終了としたかったのです。
   その辺のご理解をいただくようによく話し、取り合えず電話連絡を下さいということにしました。    27(日)朝一番で電話がありました。 「本人は、大丈夫だと言っているのですが、他の先生でもいいですから予約を入れてください。その時に村岡先生にちょっと診てもらえたらと思います」
 「了解しました。では明後日どうぞ」   来院されたおじいさんの鼠径ヘルニアは、みごとに治っていました。全身状態も上々です。担当したスタッフも、状態の良さに感動しています。耳がひどく遠いおじいさんは、無表情な印象を受けていましたが、この日は、いつになくにこやかで「大丈夫だ」と嬉しそうです。     

基本指圧を学んていることで、色々な治療ができるようになりました。力圧しをしていたときには考えられない、高い効果をだすことができるようになったのです。まことにありがたいことです。より一層の上達を目指して精進していこうと思っています。

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