「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

世界に誇る芸術、「浮世絵展」に選りすぐりの160点

2008年11月28日 | 私の趣味
  11月24日(祝)、江戸東京博物館で開催されている「ボストン美術館 浮世絵名品展」へ出かけました。ただでさえ多忙な毎日、この秋はそれに輪をかけて色々な予定が山積し、プライベートの時間が思うように取れません。早く見に行きたくてウズウズしていた浮世絵展でしたが、この日、ようやく行くことができました。 
  あいにくの曇り空、午後には雨になるとの予報です。昼までにはなんとか両国に着きたいと、急いで所用をこなし、博物館に向かいました。 振替休日とあって、館内はかなり混んでいました。入館すると、いきなり鳥居春倍の「立美人」 3点の迫力に度胆を抜かれました。小さな和紙にダイナミックな線で、存在感溢れるみごとな美女が描かれています。  

  アメリカのボストン美術館は、日本を除けば日本美術品の所有が世界一といわれ、約 5万点を所蔵しているそうです。今回は、その中から選りすぐりの約160点の、浮世絵版画と肉筆画が日本にお里帰りです。 
  同美術館はこれらの作品を色褪(あ)せなどから守るため、一般公開せず大事に今日まで保管してきたといいます。初めて公開される作品も多く、版画とは思えないほどの線の細やかさと、色彩の鮮やかさ、保存状態のよさは予想以上で、大変驚かされました。  

  当時の大都会・江戸の様子が絵のなかから伺われ、気が付いたらすっかり江戸の町にタイムスリップした気分になっていました。ドラえもんの「どこでもドア」があれば、お洒落で粋で遊び心満点な、こんな素敵な江戸の町に暮らしてみたいなぁ、などと本気で思ってしまいました。  
  9月に行ったオランダのクレラー・ミュラー美術館で、ゴッホが広重を真似て、しかもあの独特な点描で描いた浮世絵を見ました。それは彼が江戸の浮世絵の素晴らしさに憧れた様子が、改めて理解できる作品でした。 
  当時のヨーロッパ印象派の画家達に、大きな影響を与えた日本独自の浮世絵版画の質の高さがよくよく分かります。 
  今回の作品を目にして、これほど日本人に生まれてよかったと感じたことはありません。江戸の町に遊んでみたかったものだ、と本気で思っています。何と素晴らしい江戸の文化でしょう! 日本人として心底世界に誇れる芸術に、江戸東京博物館で出会えたのです。 
  言葉にできない素晴らしさとはこのことだと、つくづく感じた今回の展覧会でした。

  11月30日までの開催です。時間がある方はぜひ足を運ばれますよう、心からお奨めいたします。やはり実物を見なければ、本当の素晴らしさは分かりません。  
  もし鑑賞されるなら、ぜひ天眼鏡を持参されることをお奨めします。絵の中に隠された遊びは、裸眼で見つけるのは不可能です。館内は絵の褪色(たいしょく)を防ぐためでしょうか、かなり暗いので、絵の細かい部分はもちろん解説の文字も読みにくいのです。 
  この日、天眼鏡を持っているのは私1人だけでした。多くの方が、感動の世界に触れることができますように! 今、祈るような気持ちです。
 

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