「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

それは “自分ができないだけ” と知るべきです

2008年07月14日 | 指圧の活動
  7月8日(火)、川越道場の練習会に初めて参加された青年がいます。私のブログが縁で基本指圧に興味を持ち、勉強してみよう、と遠くから川越道場にいらっしゃったのです。  

  ブログの記事を書くとき、どんな方が読んでくださるか分からないので、私がいちばん気を付けているのは、とにかく分かりやすく書くこと、あとはあまりマニアックに走らないように気遣っています。 
  また指圧効果の点でも、文字にすると読む人が信じられないのではないか、と思うものは極力避けているつもりです。とにかく分かりやすく、より指圧に対して理解を深めていただけるように書いているつもりでした。 
  要は指圧効果について、例えば10を6か7と書くことはあっても、11や12に書いたことは1度もないということです。  

  しかしこれが、私の思い通りには伝わっていないケースもあることが分かりました。「こんなことが指圧でできる訳がない」との感想を持つ指圧師がいる、と彼から聞きました。私は「えーっ。プロなのに、なんで?」と驚きました。 
  彼はブログの内容があながちウソとは思えない、1度ジカに基本指圧に触れてみたいと考えたそうです。  

  やはり指圧師の技量自体が変わってきた、と実感せざるをえないと改めて感じました。かつて天才・浪越徳治郎先生が、現実に奇跡のような指圧効果をたくさん見せてくれました。見えなくなった眼が見えるようになったり、直るはずのない難病が直ってしまった例がゴロゴロあったのです。 
  私はそんな天才にジカに教えてもらえたラッキーな体験があるので、自分はできなくても、指圧の効果の高さに疑いを持つことなく、今まで30数年やってきました。 
  ですから、今回の指圧効果を疑問視する反応があるというのは、実は初めての体験です。「指圧自体が、私の考えているものとは違うものとして、広がっているのだ」と薄々感じていたのが本当のことだったのだとよく分かりました。  

  6月20日に、奥の近道ブログに投稿した記事を証明するような出来事に出会ったのです。街の便利な立地で足裏、リフレクソロジー、クイックマッサージ、手もみん、癒し系、タイ式、整体、整骨、カイロプラクティク、等々挙げればきりがないほどの盛況さを見ます。気が付いたらこの盛況さの中に無免許者が溢れてしまっているのです。もういちいち取り締まれる数ではありません。免許所有者の10倍以上、いや20倍以上かもしれないくらいいるのです。 
  この理由は色々あるようですが、その1つには、免許所有者の技術の低さにもあると私は思っています。 
  有免許者のほとんどがただ“力でグイグイ押す指圧”に明け暮れているのは事実です。これは残念ながら技術などという代物ではありません。私も長年同じことをやってきましたが、むやみに強い力で押し続けると押し手も受け手も確実に身体を悪くしてしまいます。 

  今、無駄な力が省けた状態になる圧し方の勉強法ができたのです。望めば誰もが身体を痛めることなく、効果の高い本物の圧し方を学べるようになりました。 
  志を高くもち、学ぼうとする姿勢は尊いと思います。1人でも多くの本物のプロと呼ぶにふさわしい指圧師が増えることを、心から期待しています。  

  この日、前頸部をちゃんと圧されたことがないという彼の前頸部を圧すことになりました。せっかく遠路はるばる川越まで訪ねてくれた彼の気持に対して、お返しのつもりで左前頸部を圧させていただきました。 
  日頃頑張っている様子が前頸部によく表れていました。丁寧に圧して「いかがでしょうか?」と起き上がってもらうと左肩が広がり、緩んで肩甲骨も下がりました。そのせいで左腕が右腕より長くなってしまいました。 
  本人はとても驚いて鏡の前で茫然と左肩を撫でています。左右差を比べてもらうために左だけ圧しましたが、あまりにも左右差が大きくなってしまったので、皆が右も圧さないと帰りに転んでしまうかも、と言います。 本人の希望もありましたので右も圧しました。あらかじめ右肩の感覚や形をよく確かめた上で圧しました。同じように起き上がった時、右肩も広がったのが驚きだったようです。手の長さも左右がそろいました「何かすごく呼吸までが楽です」とうっとりされているのが印象的でした。  
 
  これまたウソのような本当の話なのです。文字にすると確かにウソっぽいかもしれませんが、その場にいた人みんなが証人であり、なにより当のご本人がこの日をきっかけに、基本指圧を学ぼうと決意されたことが真実なのです。その決意に対して敬意を表し、頑張って欲しいと心からエールを送ります。  

  個人的には去年より今年は上達できている手応えを掴んでいます。今も新たな上達への工夫を見付けました。これで来年はまた一歩前へ進むことができるとワクワクしています。 
  指圧師なら、誰よりも指圧のすばらしさを確信してください。自分の未熟さを考えないで、「指圧でそんなことはできない」と決して言わないでください。

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