Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

マイクロソフト、Officeのウェブ版をやっぱり無料提供

2009-07-14 22:23:03 | Thinkings

 先週、Google Chrome OSの発表がありました。Googleらしくない、いかにも見切り発車的な内容でしたが、それは「マイクロソフトが月曜に重大発表をするらしい」という噂にかぶせるタイミングを選んだという噂がまことしやかに流れていました。
 そんなわけですので、「マイクロソフトはたぶん、Google Chrome OSと同じようなもの、つまりブラウザOSを発表するのではないか。それは、以前から研究対象になっていたコードネーム”Gazelle”ではないか」という期待があったんですね。これまでも、立ち上がるのに時間がかかるWindowsではなく、電源オンからすぐ立ち上がるけどブラウザとメール、スカイプくらいしか使えないインスタントOSがいくつも発表されてきました。要するに、Chrome OSのコンセプトは別に珍しい物ではなく、今までにも同じような物はあったわけです。中にはネットブックにバンドルされて、Windowsとデュアルブートするものもあったのですが、そのどれもが結局普及せずに終わっています。

 しかしながら、マイクロソフトが「他社にやらせるならウチで」と参入しない理由も特にありませんので、くだんの発表を楽しみに待っていたんですが・・・そう、待っていた結果がこれですよ。

MS Office 2010のウェブ版は無料で使えるようになる! GIZMODO

最初の発表以来、すっかり音沙汰ナシだったGoogle-docsライクなOfficeのウェブ版ですが、月曜、マイクロソフトはOfficeのオンラインスイートを無料で公開することを明らかにし、「Office 2010」の試験利用もスタートしました。

 と言うことで、発表があったのはまさかのOffice2010について。確かに、本家のOfficeのウェブ版が無料で使えるというのは、Google Docsにとって脅威かもしれませんけれど。

 そう、無料なんですよ。
 確かに、Googleを始め、様々なウェブオフィススイートが無料で提供されてきましたので無料にせざるを得なかった、という面は否めません。しかし逆に言えば、これまでのMS Officeで培ったノウハウを生かした、中途半端でないオフィススイートを提供できるなら、無料という同じ条件を生かして他のサービスを駆逐できる可能性が高いと言うことです。当然、スタンドアロン版との連携もとれるでしょうから、企業ユーザーに取っては有力な選択肢になりそうです。

 ところで、スタンドアロン版の方は、2010からすべてのエディションにパワーポイントが入るなどの販売形態の再編が行われていますが、もっとも気になるのはやはり価格です。パーソナルの通常版で36,000円という価格は、無料のOpenOffice.orgは言うに及ばず、他社の数千円の製品に比べてもずいぶんと割高です。必要に迫られないとなかなか買えません。
 ですから、さらなる普及とか他社の駆逐とかいう意味も含めて、スタンダードの通常版を15,000円、アップグレード版を9,800円程度に抑えてもらえると、だいぶん購買意欲が湧くと思うのですよ。少なくとも、その値段なら私は買います。パワーポイントも入ってますしね。

 Windows 7の発売が迫るにつれて、いろいろと業界が浮き足立っているような気がしてなりませんが、次こそはGazelleの発表に期待しましょう。