Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

著作権について(後編)

2004-11-10 21:02:52 | Weblog
 前回、著作権のパネルディスカッションについて、著作権者側の模様を紹介しました。今回は著作権を”扱う”側のディスカッションについて言及します。


ひろゆき氏「開発者逮捕でP2Pネットワークの制御がしにくくなる危険も」
impress社 Internet Watchより 以下イタリックはその抜粋

 実は、このディスカッションは、弁護士や法学部教授などの「法律を扱う」人たちのものであり、過去の判例や法律的解釈を主に話を展開しており、私たち一般の人たちが聞いても「で、結局どうなのよ?」といった感想を持ってしまいがちです。現に彼らの言葉はどうにも曖昧で、色々と含みを持たせるものも、最後には「かも知れない」で終わってしまっているのです。

 ただ、もちろん私たちの興味を引くような言葉も多々あります。
 
「科学者や教育関係者ら“ネット先住民”によってコンピュータのリソースシェアリングを目的に発展したインターネットはパブリックドメイン(公共領域)で、著作権を主張することはありえないことだった」

 慶応大学の苗村氏の言葉ですが、彼は”ネット先住民”の対義語として、商用目的で流入してきた人々を”ネット移住民”として区別し、

ネット先住民は、研究結果などの知的財産権が過剰に進展し、有用な研究成果や技術の利用が妨げられる「アンチコモンズの悲劇」を、一方のネット移住民は、それまであまりにも権利保護の概念に乏しかったインターネットにおいて資源の過大利用を危惧する「コモンズの悲劇」を認識するようになったという。


とまとめています。
 つまり、ネット先住民は自由であることを制限され、ネット移住民は自由であることを危惧すると言うことですね。「学術・研究目的」か、「商用目的」か。それは基本的な立場が全く違うのですから、当然それに対するスタンスも変わってくるというもの。問題なのは、それらスタンスの違うもの同士を、インターネットが区別せずに飲み込んでしまったと言うことでしょう。「後から来て何言ってやがる」と切り捨てられるような次元までインターネットが肥大化してしまっていますので、これからも強調してゆく必要があるのでしょうが、このあたりをうまく線引きできないところに、インターネットの若さがあるのでしょうね。

 そして、この記事の最大のポイントとは多分ここなのでしょうね。

「Winnyのネットワークは依然として肥大化しており、後継ソフトも開発されてしまった。むしろ、公にP2Pソフトを開発していると表明できなくなってしまったため、ネットワークのコントロールができなくなるのではないだろうか」

 これはひろゆき氏の言葉ですが、つまり、公に公表できないなら、目の届かないところで暗躍すればいい。そうなると、法の守護者も、著作権の管理者も、P2Pの特性上、ネットワークの管理者さえも知らないところで新たなネットワークが作られてしまい、規制も、取り締まることもできなくなるのでは?と言っているのだと思います。

 確かにこれは第3の選択です。ユーザーはインターネットのプロバイダと契約することによって、インターネットという世界への扉を手に入れた。だが、同時に”物理的につながっている回線網”への扉も開かれたと言うことですよ。しかも、ご丁寧に”IPアドレス”や”MACアドレス”という素敵な住所ですでに振られているときています。これを利用したWinnyは、今もユーザーを増やしている。これは大きな前例です。

 さて、ひろゆき氏は著作権に対し、こういっています。

「期間が長いことが問題。モノだったら減価償却という考え方がある。著作物の価値によって期間を変えたら」

 この考え方は、著作物を利用している人間にとっては非常に受け入れやすいものでしょう。そして、著作権を持っている側については、とうてい受け入れることができないものでしょうね。それは前回のディスカッションの記事で分かって頂けると思います。

 では、なぜ持っている側と持っていない側でここまで意見が紛糾するのか。
 「著作権法は例外に例外を重ね、複雑になりすぎている」(苗村氏)
 やや乱暴な言い方になりますが、著作権は例外を重ねねば時代について行けない古い法律なのです。
 ちょっとこのページを見てください。
 
 著作権データベース

 すさまじい例外の数でしょう?もともとはその名の通り”著作物”に限定されていたものが、芸術全般に拡大解釈されているのですから、ついて行けないのも当然です。
 そして、その曖昧さ故に双方の意見が大きくすれ違うのでしょう。

 著作権を甘く見てはいけません。
 時にアメリカの黒いネズミの会社は、著作権を盾にとんでもない額の損害賠償を求めてきますし、しっかりと引用先を明記しておかなかったせいで、せっかく作ったパンフレットを前回収という事にも成りかねません。
 ふと周りを見回すと、私たちの生活の中には著作権で守られたものがわんさかあるのです。これから著作権を扱うこともゼロとは言えませんので、縁のないと思ってみえる方も、ちょっと注意してニュースや新聞を見てもらえると幸いです。

風邪が・・・

2004-11-10 08:11:31 | Weblog
ここのところ、本当に体が弱くなったなあと思うのですよ。
というのも、昨日も風邪で倒れてまして。午前中に医者へ行って、そのときにもらった薬のせいか、なんとも眠くなってしまったんですね。

私の今年の風邪の傾向は、のどから来るようです。
皆さんも気をつけてください。