<ボルト・ナットには強度区分があるのです>
初めに
この度、皆様の御支援で(選挙調?)訪問者が5万人を越える事が出来ました。これは、フォローして頂いている皆様のお力が有ればこそと思っています。
そこで、5万人超、2015年を迎えるに当たり、日本ブログ村から旅立つ事にしました。
旅立ちは、やはり船ですね。
行き先はサハリンでは無く、「人気ブログランキング」です。すでにバナーも張り替えました。
キャンカーのブロガーの数は少ないようですが、これからの発展を期待している所です。
今後共にバナークリックを宜しくお願いします。
では、本題に入ります。
締付けトルクが昨今の話題のようですが、締付けトルクのお話をする場合、ボルト強度のお話をしないと御理解頂けない部分があると思います。従いまして、今日は「ボルトには強弱がある」と題しましてボルト強度に付いて、分かりやすく簡単にお話します。
ボルトの赤丸部を軸部と呼びます。ボルトが引っ張り強度を受け、破断する場合は軸径が細い部分、ネジの終わり部、座面の首下部から破断する場合が多いようです。
いきなりボルトが破断、折れるお話から入りましたが、ボルト、ナットで物を固定する事を締結(ていけつ)と呼びます。締結される物の重要性、重量、入力される荷重に応じ、自動車のボルトは選定されています。
自動車に使用されるボルトの大きさは、特殊な物を除き、軸径6~16mmの物が多いようです。
国産車の場合、全てのボルト、ナット類は、JIS B1180に準じ加工されていますから安心できます。
しかし、純正以外の用品を取り付けの場合、そうとうも限らない場合も有るようですから、注意が必要です。
keny爺さんが国産品を愛用する理由もこの辺りにあります。やはり信頼性が大切ですからね。安物に飛び付きますとお金を失い結局、高いものに付きます。適正なコストは安心代と思い負担したいものです。
ボルトの強弱は、実はボルトの頭部に表示されています。
このボルトの場合、「10」の浮出し文字が見えますが、JISのボルト強度の中では、最強の強度区分「10.9」ボルトに相当します。
これより上の強度を要したボルトは有りません。
もし10.9ボルト以上の耐力が必要な場合は、軸径を大きくし必要な耐力を得る事に成ります。
また、この頭部の表示には、メーカー名、ネジ区分(メーチルかインチ)、材質名等を浮出す場合もあります。
ボルト強度は単位面積当たりの強度で、10.9ボルトの場合、1,000N/mm2(平方ミリ)ですから、断面積が1mm2の針金に置換え時、約102Kgの強さに耐える事が出来ると言う事に成ります。
例を上げますと、カムロードのホィールスタットボルトは、12mm径で強度区分は表示は有りませんが、10.9相当ですから、最小引っ張り荷重は
ボルト有効断面積84.3平方ミリ*102Kg=8、598Kg
言い換えますと、1本で約8.6トンの荷重に耐えられます。
これが6本ですから
8.6*6=51.6トン
約52トンも有るのなら、壊れる事は無いとお考えかも知れませんが、実際はそんな簡単な話には成りません。
この引っ張り荷重 52トンはボルトの軸に垂直に引っ張った時の強度なのです。実際の車の場合はホィールが取り付き、ボルト軸部にはせん断荷重が掛ります。軸部に対し直角に荷重が掛る事に成ります。
ボルトは本来はせん断荷重が掛る使用はしないで下さいとされています。
荷重がせん断(横方向)方向に掛る場合は、引っ張り強度の60~70%まで落ちます。
仮に60%としますと、52*0.6=31.2トンの荷重に耐える事ができます。
更に、引っ張り強度は静荷重なのです。静荷重は決められた引っ張り速度で文字の如く、静かに引っ張り、荷重を入力して行きます。
しかし、実車はタイヤを履いているとは言え、走行しますから動荷重、衝撃荷重が入力されるのです。
車重3トンの車が時速100Kmの速度で走行し、突起に乗り上げると、どれ程の荷重が入力されるのでしょう?
また、その車の生涯走行距離が、10万~20万Kmとも成りますと、どうなのでしょう?
安易な用品取り付けは出来ません。怖いです。命がけですね。
こんな小さなボルトでも強度区分 10.9の物も有ります。
強度区分 10.9の下は8.8と成ります。頭部に8と浮出し文字が見えます。
拡大しますと
長いボルトでもホームセンターで良く見るボルトは、強度区分が有りません。
頭部の拡大です。強度区分の表示が無い場合は、強度は8.8以下と成ります。
Mの浮き出し文字は、メートルネジを表しています。
御参考にホィールスタットボルトです。
頭部の下軸部に回転防止のナール(ぎざぎざ)が切られています。
このナール部がリアドラム、フロントハブ部に圧入され回転止めと成ります。
オーバートルクでホィールクリップナットを締めますと、空回りし高い出費に成りかねませんので、御注意を。
以上、簡単ですがボルトには強度が有り、強い物、弱い物が有るとのお話でした。
実際の自動車では、必要に応じボルトを使い分けていますので、万一、交換する場合は強度区分を確認し同一種類の物と交換するようにしたいものです。
ボルトひとつとっても、技術立国日本の底力が、見えますね。
大変参考になります。ありがとうございます。
でも命に関わる部分は学ぶ価値があります。
ありがとうございます(^-^)
ボルト・ナットだけで、JISは本が1冊有るほどですから、奥は深いです。
ネット上にかなりの資料が有りますから、興味があれば検索して見て下さい。
自動車の組み立てには無くては成らない部品ですからね。自動車に付いて調べて行きますと、ボルト・ナットの要素に行き着きます。
タイヤの宣伝で、「タイヤは命を乗せている」と言うのが有りましたが、「ボルト・ナットも命を乗せている」と言えると思いますね。
緩みなどで、思わぬ事故に会わないようにしたいものです。「ボルト・ナットの緩みは気の緩み」ナンチャッテ!
おそまつ。
M10 のピッチ1.25ですか?
何センチのボルトでしょうか?
また、どこのボルトかわかりますか?
サイズ的には、多分M12か14だと思います。
ネジピッチは、1.25ですね。
自動車メーカーはホンダ車から外しましたボルトですから、ホンダ純正ボルトです。
ボルト自体の製造メーカーは不明です。
ホンダの純正部品ですから、購入は可能だと思います。
そんな訳でここでは、ボルト最大強度は10.9ボルトとしました。