『恐怖の岬』

リメイクの方は十数年前に観たけど、ほとんど記憶にないから比較はできない。が、デ・ニーロとはまた違うイヤらしいロバート・ミッチャムの怪演は見応えがある。

当時はストーカー犯罪なんて概念はなかっただろうが、そういう時代にこんな映画を作るのは凄いな。
ロバート・ミッチャムとグレゴリー・ペックの非常に分かりやすく対極あるキャラクターの動かし方がうまい。それに加えて前述した演技とモノクロの雰囲気が怖さを効果的に引き立てている。

私の評価的にはうまい映画だけど、面白い映画には一歩及ばない何とも言えない名作である。

『キングコング対ゴジラ』

ゴジラシリーズ3作目でアメリカを代表するキングコングと対決させるという発想が凄いね。一歩間違えばキワモノにしかならなそうだけど、世間的にはどうなのかな。一応大ヒットはしたようだけど…。タイトルが「ゴジラ対キングコング」ではないのはキングコングを立てているのかな。でも、そのわりにコングの造りが残念すぎる。

とにかく前半が退屈すぎる。前半はお約束のキングコングを見世物にする話で、全然ゴジラとの絡みがない。後半のバトルも見応えはあるのだけど、やっぱりこういうのってはっきり決着つけんのよね。モヤモヤする。

なんか最近ゴジラばっかり観て疲れてきた。でも、アマプラではどんどん配信されているし。

『羅生門』

古い黒澤映画は嫌いだけど、どメジャーどころだから一応観たけど、ホントに観ただけ。セリフが不明瞭すぎて全然頭に入ってこない。
黒澤映画を観るとつくづく外国人がうらやましく思える。字幕で観られるんだもの。

『Q&A』

序盤はシドニー・ルメットらしい骨太な作品だったが、なんだか途中から適当になってしまったように思えたのは私だけだろうか。カマ掘って爆発させて、突撃して撃ち殺されるっていうのは、もうちょっと何とかならんかったかな。

ニック・ノルティの野蛮な演じ方は良かったが、もうちょいルメットらしい鋭さが欲しかった。

『ゴジラの逆襲』

前作のハードルが高かっただろうが、なんかピンとこなかったな。というか、2作目ながら、一番地味な作品じゃないかひょっとして。ライバル海獣のアンギラスって名前も初めて知ったかな。

怪獣映画ながらプロレスシーンが少ないように思える。かといってドラマ部分が濃いかといわれるとそんなこともなく中途半端に思えてしまうのは私だけかな。
とはいいつつラストの雪山の特撮シーンの仕上がりはさすが円谷と言うしかない。