ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

「これらの時間についての夢」 宇都宮美術館

2022-10-15 22:08:32 | ○○展


特に惹かれる企画展ではなかったが、せっかく宇都宮に行ったから見てみようくらいな気持ちでいったが、すごい作品と出会ってしまった。

宇都宮の市街地からバスに揺られて美術館に到着。帝京大が近くにあるが、宇都宮にもキャンパスあるんだね。

来るまでに長いこと歩いたので、とりあえずカフェでブレイク。席からタブレットで注文だが、キャッシュレス非対応というちぐはぐがなんとも言えん。でも、フルーツサンドは美味しかった。

マグリットの「大家族」とか気になる作品もあったが、今回、いや今までであった中でも特にインパクトがあったのは髙橋銑という現代作家の「二羽のウサギ」という作品。映像作品なのだが、普段映像作品はじっくり観ないことが多いのだが、これはすごい。

宇都宮美術館と群馬県立館林美術館にあるフラナガンという作家のウサギのオブジェを対比して批評している。
宇都宮美術館にあるウサギは開けた場所にあり、誰でも触れることができ、子供も乗っかったりすることができる。一方館林にあるウサギは一度破損したのを機に周りを生け垣で囲んで触れられないようにしている。当然前者は作品へのダメージが大きく、後者は保全されている。
映像作品では主に作品への保護に対して対立している。作品を保護することが大切だという意見と、人々が触れ合うことができることが素晴らしい、劣化も作品の一部だという意見。「芸術哲学」に当てはまるのかはわからないが、非常に観ていて考えさせられるし、どちらも正しい言い分である。もし、私が学校の先生だったら学生にディスカッションさせたいくらいに面白いテーマである。
ただ、作者はどちらも「いい作品だ」と結論づけているところに、非常に愛を感じたし、救われた。

もちろんテーマだけでなく、細やかな映像演出や語り口にも引き込まれる要素は大いにある。
これは館林にも行きたくなる。





実物を見に行くと子供が乗っかっていたし、しっかり劣化していた。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿