人妻と青年の不倫の物語ということで、甘美さのある恋愛というものを期待していたが、そんなことなくガッツリとフランスのドロドロした話であった。
序盤はよくある不倫ものという感じであったが、途中から夫人が着々と破滅へと歩みを進めていき、最後に待ち受ける救いのなさ。金の無心に走る夫人は当初のキャラをぶっ壊す鬼気迫るものがある。ゾラの『居酒屋』も読んでいてきついものがあったが、その時と同じ気持ちになっていった。
医者に嫁いだ夫人が物足りなさを感じてイケナイ恋に走るというのは現在でもよく見るような展開だ。その辺りの普遍的なテーマを描いたというのも評価されているということなのかな。
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