ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『八月の光』 フォークナー

2021-10-26 22:42:06 | 
フォークナーは以前に新潮から出ている短編集を読んだが、あんまり面白くなかった。それでもこの作品は名高いので、分厚いながら気合入れて読んだ。

いや〜難しい本だった。とは言っても話の筋を追うのは難しくなくストーリーもよくわかる。ただ、その背後にあるアメリカ南部の人種問題、キリスト教要素なんかの本質を捉えることは日本人の自分には難しい。
それでも南部の埃っぽさを感じることは十分にできた。そして様々な「運命」を持つ人物が一つに収束して行く様は見事に描いていると手放しに称賛できる。
ただ、深く語ることはできない。もう少し経験を積んで10年後くらいに再読したい。

私が読んだのは光文社の版だが、訳もわかりやすく同じページに注釈が多くあって読みやすい。ただ、途中クリスマスに関するネタバレがあったのは許せない。