『平成狸合戦ぽんぽこ』

別に特別ジブリが好きなわけでも宮崎を信奉しているわけでもないが、宮崎と高畑の差がくっきり出ているなと感じた。そんでもって宮崎はやっぱり凄いな。

開発により土地を追われるタヌキをユーモアに描いているが、なんだかメッセージが前面に出ていて素直に楽しむことができない。映画にメッセージを込めるのはもちろん大事なことだと思うけど、まずストーリーありきではないか。『もののけ姫』からは環境破壊のメッセージを受け取ることができるが作中では特に触れているわけではない。まあ、描く方向性が違うから単純比較できないしそれだけで『もののけ姫』の方が優れているとも言えないけど。
作中ではタヌキたちの奮闘、人間への対抗をメインに描いている。それ以外に特に何もないのにそれをひたすら120分間続けるというのは正直苦痛。90分ぐらいにまとめてくれるか、もっと見どころを増やすかしてくれないときつい。
ラストは問題が解決されたわけではないが、救いのあるというか、希望のある終わらせ方をしてくれてよかった。そこんところは評価できる。