『桐島、部活やめるってよ』

映画好きの友人が絶賛しているから観てみたが、めちゃくちゃ面白いというほどではなかった。偏差値で言うと58くらい。

基本的には学校という閉鎖された空間、人間関係の中で物語は進められていく。この映画の最大の特徴はキー人物である桐島が登場しないということであり、全編に緊張感が漂っている。
主人公は映画部で学校のカーストでも下の方。イケイケの運動部や帰宅部の面々に比べて映画部のメンツだけリアルな風貌である。学校のスター桐島が部活を辞めた噂が全校に駆け巡り、もう一人の主人公ともいえる幽霊野球部の菊池やその他の生徒の感情の変化が生々しく描かれている。ラストの主人公と菊池のやり取りなんか観ていてちょっと切ない。高校という華やかな面とドロドロした面の両方を様々な視点からとらえている。同じシーンでも別の生徒の視点からとらえてみることにより見え方に幅が出てくる。なんか『街』を思い出す。

映画部がメインの特典映像がなかなか面白い。ひょっとして本編より面白かったりして…。