
好きな作品の舞台となった土地を訪れる「聖地巡礼」というのがあるが、私は逆に訪れる土地が舞台となる作品に触れてみる。
夏休みの旅行で久々に京都に行くことになり、京都が舞台の作品ということで読んでみた。実は川端作品はこれが読むの初めて。
読書好きな人が「あの人が書く日本語は美しいね」なんて言っていたりするが、私はいまいち「美しい日本語」というのが理解できない。そんな私でも川端康成の書く日本語は美しいと思えた。いや、美しいというよりは品がある。
ストーリーは生き別れた双子の姉妹と出会うという、現実的とは言えないがファンタジックな内容でもないもの。しかしながら不思議と全編に幻想的な雰囲気が漂っているんだよな。これは京都×川端の相乗効果なのかな。
ラストの千重子が「また来て」と言った後に苗子が首を振るが、それは縦か横かはわからない。そんなところからも作品に対する奥ゆかしさのようなものまで感じてしまう。
植物園とか平安神宮とか有名どころなんだろうけど、知らない場所も出てきてガイドブック的にも参考になる。ぜひ作品の舞台を訪れてみたい。
ちなみに京都旅行は直前の体調不良で中止した。