
■【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】5ー09 我田引水 自分の考えに固執し、周囲に迷惑をかける~自分の都合ばかりの身勝手な振る舞い~

四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。
■ 第5章 表現上手で説得力を向上
世の中には、作家でなくても美しい文章を書いて、読者を魅了できる人がいます。アナウンサーでなくても、話し上手な人もいます。プロのナレーターでありませんのに、聞いているだけでほれぼれするような声や話方の人もいます。パワーポイントを使って、難しいことをわかりやすく説明してくれる人もいます。
「話し上手は、聞き上手」という言葉を良く聞きます。「一を聞いて十を知る」という理解力の高い人もたくさんいらっしゃいます。一方、相手の言うことを充分に理解できなかったり、誤解したり、時には曲解したりして人間関係をこじらせてしまう人もいます。
情報提供側として、上手な文章を書いたり、話したり、パワーポイントなどの作図技術など表現力を豊にしたいと願う一方、それとは別の立場で聴取する側におかれたときに、傾聴力をフルに活用し、相手の言いたいことを正確に聞き取れることは、私たちの日常に不可欠です。コミュニケーション上達法を四字熟語から感じ取りましょう。
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世の中には、作家でなくても美しい文章を書いて、読者を魅了できる人がいます。アナウンサーでなくても、話し上手な人もいます。プロのナレーターでありませんのに、聞いているだけでほれぼれするような声や話方の人もいます。パワーポイントを使って、難しいことをわかりやすく説明してくれる人もいます。
「話し上手は、聞き上手」という言葉を良く聞きます。「一を聞いて十を知る」という理解力の高い人もたくさんいらっしゃいます。一方、相手の言うことを充分に理解できなかったり、誤解したり、時には曲解したりして人間関係をこじらせてしまう人もいます。
情報提供側として、上手な文章を書いたり、話したり、パワーポイントなどの作図技術など表現力を豊にしたいと願う一方、それとは別の立場で聴取する側におかれたときに、傾聴力をフルに活用し、相手の言いたいことを正確に聞き取れることは、私たちの日常に不可欠です。コミュニケーション上達法を四字熟語から感じ取りましょう。
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■ 5ー09 我田引水 自分の考えに固執し、周囲に迷惑をかける
~ 自分の都合ばかりの身勝手な振る舞い ~
「我田引水(がでんいんすい)」とは、「我田」は、自分が所有したり耕作したりする田んぼのことで、そこに「引水」すなわち水を引くという意味です。このことから、自分の田に水を引き入れることばかりを考えて、他の田のことは考えないことから、「自分の都合ばかりを考えて、身勝手で他の人のことを考えない」ことをいいます。「手前勝手(てまえがって)」という言葉と同じです。
自分の利益ばかりを考える利己主義者でも困りますが、自分の理屈でものごとを判断し、他の人の意見や条件等を勘案しないのも困ります。世の中には、「頑固一徹(がんこいってつ)」な人がいます。意志が強く、それを貫き通すといいますと、非常に魅力ある表現となりますが、自分の考えだけで、あるいは自分の流儀だけをかたくなに守り、ひたすらそれを相手に押しつけたり、自分の考えを押し通したりすると組織活動を渋滞させたり、時には破壊したりしかねません。
私の身近に、身障者がいます。その人は、遠慮深く、また大変人に対する思いやりのある人です。人には迷惑をかけないように、できるだけ自分で何でもやってしまう人です。自分で無理をしてやるために、痛い思いをしたり、筋肉痛になってしまったりと、その弊害が出てきます。それが一因となって頭痛や肩こりで悩み、本人は明るく接しているつもりですが、暗い顔をしていることがしばしばあります。
そばにいる者としては、そのような状態を見るのが辛いですので、できる限り、その人が何をしたいのか、何をしてあげたらその人が楽をできるのか、終始注意を払っていなければなりません。その人は、何方の人にしてもらうのは悪いと思って遠慮をしているのですが、反って周囲の人に余計な気を遣わせてしまっているのです。
例え、自分は良いことをしているつもりでも、それが我田引水で、時には人に対して失礼であったり、迷惑をかけていたりすることもあるということを知っておくべきでしょう。
人間は人と接するときに、四種類に大別されるといわれています。攻撃性という軸と表出性という軸でポートフォリオを作成します。攻撃性というのは、人との付き合いの中で、相手を打ちのめす傾向が強いか、弱いかという観点です。一方の表出性というのは、その言動が表に明確に出る人と、そうでない人とがあります。
攻撃性も表出性も、いずれの指標も高い人のことを「攻撃型」と分類します。相手の意図を斟酌せず、自分の考えや気持ちをそのまま相手に押しつけるタイプです。我田引水型の人に多いと思います。このような人は、フェース・ツー・フェースでありましょうが、会話の中に攻撃相手がいないこともありましょうが、自分のことを棚に上げて、相手を攻撃します。自分が、相手を傷つけているという意識はなく、人のことを悪くいいます。いじめという問題では、いじめる側の人です。
「陰湿型」というのがあります。攻撃型とよく似ているのは、攻撃性が高い面ですが、相手への攻撃が表立ってはあまり見えない人です。陰口をたたく人がその代表です。近年は、メールやSNSなどを使うとさらに高揚して、攻撃性が強くなります。
攻撃性も表出性も、いずれの因子も弱いのが「受身型」人間です。どちらかといいますと口数の少ない人に多く、相手の人のことを考えすぎて、自分の気持ちを表に表さない人です。何かを言われますと、自分は弱い人間だ、ダメな人間だと、気持ちが内に向いてしまいます。そのことに固執しすぎて、時には何日も悩んでしまうのです。
攻撃性はあまり高くないのですが、表出性の高い人を「八方美人型」といいます。誰とでも仲良くできるのですが、意外と信頼されていないタイプの人です。ぶりっこであったり、優等生タイプであったりする人が多く、このような人は他の人から嫌われないように、自分の気持ちを殺してしまったり、感情を隠したりしてしまいがちです。責任感が強い人ですと、鬱病にかかってしまうこともありますので、感情のコントロールを本人も、周囲の人も配慮が必要です。
これらの分類は、もちろん、明確に分類できるわけではないのですが、攻撃性が強いと人間関係がギスギスしてしまいます。攻撃性が弱いと主体性のない人生を送りがちです。相手の立場を常に意識して、自分の気持ちや考え方、要望やニーズを率直に伝えることがコミュニケーションの基本です。誠意を持って接すれば、多くの場合に相手に通じますので、受身型の人でも、中庸性が次第に出てきて、人間関係が改善されて行くでしょう。
私が会社勤務をしている頃、部下に我田引水型の人がいました。その人とは、そりの合う人の方が少ないくらいで、仲間から敬遠されがちでしたが、仕事は熱心でした。あるとき、事前に彼とは仕事の進め方でぶつかっていたのですが、彼が自分の主張に基づいて仕事を進めることになりました。「失敗させて人を育てる」ということを信条としていましたので、彼のやり方で進めることを容認したのです。
彼が徹夜や残業が続いたときに「○○さん、頑張っていますね。あと少しでこの仕事も終わりますから、がんばってください」と励ましたつもりでした。ところが、彼にしてみれば、自分は徹夜までして頑張っているのに、その上、さらに頑張れといいますことは、彼の方法論に異を唱えていた私が、彼に当てつけに言ったと解釈したのでしょう。その後、口も利こうとしなくなってしまいました。
そこで、日を改めて、仕事のやり方で、彼から中間報告を聞くことにしました。業務報告ですから彼も口をきかざるを得ません。「君の頑張りは、他の課員にいい刺激になっているよ。でも、たまには息抜きをしたらどうかね。ても、手抜きはダメだよ」と軽口をたたきました。それで軟化したのか、彼が、自分の方法では解決できそうにないので、私のやり方でやってみたいと思うという提案をしてきました。ただ、説明するだけではなく、私も彼と一緒にやり、その日のうちに問題を解決することに成功しました。
我田引水の部下でしたが、こちらが敬遠するのではなく、積極的にアプローチをかけ、また相手の仕事ぶりを高く評価することにより、二人の気持ちの距離感が縮まったように思えました。また、一方的に命令口調で言うのではなく、自分がして欲しいことをキチンと伝えるとともに、相手の状況についてもキチンと把握した上で、業務を進めることが大切です。たとえ我田引水の人であっても、共感し、共鳴しますと、こちらの気持ちにも寄り添ってくれることを実感したのです。
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~ 自分の都合ばかりの身勝手な振る舞い ~
「我田引水(がでんいんすい)」とは、「我田」は、自分が所有したり耕作したりする田んぼのことで、そこに「引水」すなわち水を引くという意味です。このことから、自分の田に水を引き入れることばかりを考えて、他の田のことは考えないことから、「自分の都合ばかりを考えて、身勝手で他の人のことを考えない」ことをいいます。「手前勝手(てまえがって)」という言葉と同じです。
自分の利益ばかりを考える利己主義者でも困りますが、自分の理屈でものごとを判断し、他の人の意見や条件等を勘案しないのも困ります。世の中には、「頑固一徹(がんこいってつ)」な人がいます。意志が強く、それを貫き通すといいますと、非常に魅力ある表現となりますが、自分の考えだけで、あるいは自分の流儀だけをかたくなに守り、ひたすらそれを相手に押しつけたり、自分の考えを押し通したりすると組織活動を渋滞させたり、時には破壊したりしかねません。
私の身近に、身障者がいます。その人は、遠慮深く、また大変人に対する思いやりのある人です。人には迷惑をかけないように、できるだけ自分で何でもやってしまう人です。自分で無理をしてやるために、痛い思いをしたり、筋肉痛になってしまったりと、その弊害が出てきます。それが一因となって頭痛や肩こりで悩み、本人は明るく接しているつもりですが、暗い顔をしていることがしばしばあります。
そばにいる者としては、そのような状態を見るのが辛いですので、できる限り、その人が何をしたいのか、何をしてあげたらその人が楽をできるのか、終始注意を払っていなければなりません。その人は、何方の人にしてもらうのは悪いと思って遠慮をしているのですが、反って周囲の人に余計な気を遣わせてしまっているのです。
例え、自分は良いことをしているつもりでも、それが我田引水で、時には人に対して失礼であったり、迷惑をかけていたりすることもあるということを知っておくべきでしょう。
人間は人と接するときに、四種類に大別されるといわれています。攻撃性という軸と表出性という軸でポートフォリオを作成します。攻撃性というのは、人との付き合いの中で、相手を打ちのめす傾向が強いか、弱いかという観点です。一方の表出性というのは、その言動が表に明確に出る人と、そうでない人とがあります。
攻撃性も表出性も、いずれの指標も高い人のことを「攻撃型」と分類します。相手の意図を斟酌せず、自分の考えや気持ちをそのまま相手に押しつけるタイプです。我田引水型の人に多いと思います。このような人は、フェース・ツー・フェースでありましょうが、会話の中に攻撃相手がいないこともありましょうが、自分のことを棚に上げて、相手を攻撃します。自分が、相手を傷つけているという意識はなく、人のことを悪くいいます。いじめという問題では、いじめる側の人です。
「陰湿型」というのがあります。攻撃型とよく似ているのは、攻撃性が高い面ですが、相手への攻撃が表立ってはあまり見えない人です。陰口をたたく人がその代表です。近年は、メールやSNSなどを使うとさらに高揚して、攻撃性が強くなります。
攻撃性も表出性も、いずれの因子も弱いのが「受身型」人間です。どちらかといいますと口数の少ない人に多く、相手の人のことを考えすぎて、自分の気持ちを表に表さない人です。何かを言われますと、自分は弱い人間だ、ダメな人間だと、気持ちが内に向いてしまいます。そのことに固執しすぎて、時には何日も悩んでしまうのです。
攻撃性はあまり高くないのですが、表出性の高い人を「八方美人型」といいます。誰とでも仲良くできるのですが、意外と信頼されていないタイプの人です。ぶりっこであったり、優等生タイプであったりする人が多く、このような人は他の人から嫌われないように、自分の気持ちを殺してしまったり、感情を隠したりしてしまいがちです。責任感が強い人ですと、鬱病にかかってしまうこともありますので、感情のコントロールを本人も、周囲の人も配慮が必要です。
これらの分類は、もちろん、明確に分類できるわけではないのですが、攻撃性が強いと人間関係がギスギスしてしまいます。攻撃性が弱いと主体性のない人生を送りがちです。相手の立場を常に意識して、自分の気持ちや考え方、要望やニーズを率直に伝えることがコミュニケーションの基本です。誠意を持って接すれば、多くの場合に相手に通じますので、受身型の人でも、中庸性が次第に出てきて、人間関係が改善されて行くでしょう。
私が会社勤務をしている頃、部下に我田引水型の人がいました。その人とは、そりの合う人の方が少ないくらいで、仲間から敬遠されがちでしたが、仕事は熱心でした。あるとき、事前に彼とは仕事の進め方でぶつかっていたのですが、彼が自分の主張に基づいて仕事を進めることになりました。「失敗させて人を育てる」ということを信条としていましたので、彼のやり方で進めることを容認したのです。
彼が徹夜や残業が続いたときに「○○さん、頑張っていますね。あと少しでこの仕事も終わりますから、がんばってください」と励ましたつもりでした。ところが、彼にしてみれば、自分は徹夜までして頑張っているのに、その上、さらに頑張れといいますことは、彼の方法論に異を唱えていた私が、彼に当てつけに言ったと解釈したのでしょう。その後、口も利こうとしなくなってしまいました。
そこで、日を改めて、仕事のやり方で、彼から中間報告を聞くことにしました。業務報告ですから彼も口をきかざるを得ません。「君の頑張りは、他の課員にいい刺激になっているよ。でも、たまには息抜きをしたらどうかね。ても、手抜きはダメだよ」と軽口をたたきました。それで軟化したのか、彼が、自分の方法では解決できそうにないので、私のやり方でやってみたいと思うという提案をしてきました。ただ、説明するだけではなく、私も彼と一緒にやり、その日のうちに問題を解決することに成功しました。
我田引水の部下でしたが、こちらが敬遠するのではなく、積極的にアプローチをかけ、また相手の仕事ぶりを高く評価することにより、二人の気持ちの距離感が縮まったように思えました。また、一方的に命令口調で言うのではなく、自分がして欲しいことをキチンと伝えるとともに、相手の状況についてもキチンと把握した上で、業務を進めることが大切です。たとえ我田引水の人であっても、共感し、共鳴しますと、こちらの気持ちにも寄り添ってくれることを実感したのです。
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