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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 米国にいち早く進出、美の世界で大きな活躍 3c20-5521

2025-05-21 12:21:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】  米国にいち早く進出、美の世界で大きな活躍 3c20-5521

 経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 米国にいち早く進出、美の世界で大きな活躍 3c20-5521

 理容室や美容室に行くと、椅子に座らされ、その椅子がくるっと回転して鏡の前に自分の姿が映る。高さが調整されて、カットやパーマなどの施術が始まる。仕上げでは椅子がリクライニングされシェービングが施される。バーバー椅子と呼ばれるこの椅子は、米国で南北戦争が繰り広げられた1800年代後半に最初の特許が取得された。その後もバーバー椅子の進化は続き、マッサージ機能のあるものや、カットが終わるとシャンプー台が現れて、移動することなくシャンプーまでできるものなど、さまざまなものが登場している。

 理美容業界にとってなくてはならない椅子で、現在世界市場トップに立つのが、T社(大阪市)だ。同社は1921年にY氏 が大阪の鋳物工場として創業した。1930年に米国製のリクライニング機能のある理容椅子に着目し、製造を始めた。1956年には、早くも米国に現地法人を設立して先行する米国メーカーに伍して市場を開拓していった。同社の米国進出は、日本企業の中でも4番目と早く、中小企業でありながら果敢に挑戦する姿勢は、注目を集めた。

 そんな同社がまた世の中を驚かせたのが、1970年の大阪万博への出展だった。当時万博参加を表明していたのは、名だたる大企業ばかり。同社の当時の売上高は99億円で経常利益は2億5000万円。これに対して万博の出展費用は 2億5000万円(実際は4億円かかった)。当然周りからは心配や反対の声があがったが、「中小企業でもその気になればやれるところを見せたい」とY氏は押し切った。

 パビリオン設計に建築家黒川紀章氏、コンパニオンのユニホームにはデザイナーのコシノジュンコ氏を起用するなど、新進気鋭の若手クリエイターに活躍の場を与えた。美をテーマにしたパビリオンは、開幕時には150万人の来場予想を立てていたが、最終的には350万人が訪れ大成功をおさめた。何より、全国の理容師・美容師に自分たちの仕事に対する誇りを与えたことは大きい。

【 コメント 】
 「経営とは時代対応業」という私の先輩の言葉は、これまでもご紹介してきました。すなわち、「時代の潮流を読む」という観点で、T社の読みがあったわけです。先を読んで、果敢に挑戦する姿勢が、それに加わって、中小企業でも万博に出展できるまでになったのです。
 万博に出展するという、その発想も、なかなか中小企業にはできないことでしょうが、それができる経営者のチャレンジ精神が、常に経営の根底にあるのでしょう。

 ちなみに、同社の基本信条を紹介しておきます。
  ・お客様に喜びと感動を提供する
  ・常に新たな領域へ挑戦する
  ・日々改善・進化をし続ける
  ・努力とアイディア、スピードを是とする
  ・損得より善悪で判断する
 「感動を提供する」というのが第一項にあります。多くの人が「感動を与える」と、上から目線的に表現するところを、「提供する」という表現に納めているところにY氏の人柄が感じられます。

 一方で、この種の経営者の多くは、周囲の言うことに耳を貸さないのです。T社のY氏は、そのタイプのようには見えませんが、Y氏自身が自覚しませんと、思わぬところに落とし穴がありますので、注意が必要です。
 

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ブームに陰り…経営を見直す機会に 3c06-551

2025-05-14 12:21:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】  ブームに陰り…経営を見直す機会に 3c06-5514   

 経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

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■ ブームに陰り…経営を見直す機会に 3c06-5514

 2010年代後半に大きなブームを巻き起こした「高級食パン」。スーパーなどで 売られている一般的な食パンよりも高額だが、素材や製法にこだわり、味も おいしい。「お金はそれほどかけられないが、ちょっとだけ贅沢したい」。 そんな「プチ贅沢」を楽しみたいという消費者のニーズを取り込み、全国的な 広がりをみせた。 

 埼玉県所沢市のK社は、2018年から高級食パン店「考えた人 すごいわ」を展開している。著名なベーカリープロデューサーがプロデュース。 東京・清瀬に一号店を出店し、全国に店舗を広げている。「小麦や塩、バター だけでなく、高性能の浄水器を導入するなど水にもこだわって、パン作りを している」と代表取締役のO氏。口どけの良さとコクが特徴で、トーストをせずに生で食べるのがおすすめ。固定客の胃袋をしっかりとつかんでいる。 

 行列ができるほどだった「高級食パン」ブームも2020年を過ぎると陰りが見え始めた。急激な環境の変化に大舘氏は「これから先、どうしたらいいか」と漠然とした危機感を持っていたそうだ。そこで、所沢商工会議所の門をたたき、経営サポートを受けることにした。

 いかに経営を安定化させ、さらなる成長の足がかりをつかむかが大きなテーマ。長期間にわたる伴走型支援を受けながら、漠然とした課題を明確にし、自らが課題解決に取り組む。意識改革は経営者だけでなく、幹部社員たちにも及ぶ。サポートを通じて「経営者と従業員という分け方ではなく、全員で会社を経営するという意識を持った」とO氏は語っていた。 

 逆風のときこそ経営者の真価が問われる。同業他社の閉店が話題になる中で、「考えた人すごいわ」は大きく店舗を減らすことなく堅実に店舗を運営している。今後、イートインコーナーを併設した総合型ベーカリー店や米粉を使ったパンを販売する新たな業態の店舗の開発にチャレンジする考えだ。「甘い感覚が抜け切れていない中で、対応が後手に回っていた」と反省していたが、商工会議所のサポートは、むしろ先手を打った対策だったと感じる。

【 コメント 】
 「経営は環境対応業」であると、ある私の先輩が教えてくれました。
 環境というのは常に変化をしています。その変化を先読みすることが、経営においては非常に重要なことの一つです。とりわけ流行とかブームとかいうビジネスというのは、その流行・ブームがすぎさったあとは大きく落ち込みのが常です。
 例題のK社も、高級食パンというブームに乗って成長してきました。しかし、そのブームが去り、なんとなく不安を感じていました。そこで商工会議所に相談するために訪問したわけです。相談に行ったタイミングは、遅きに失することはなく、同社は新たなステップを踏み出すことができました。
 同社において特筆すべき事は「全社一丸となって知恵を絞る」という点にあります。ひとりの人間の知識や知恵には限界があります。「三人寄れば文殊の知恵」と言いますので、全社員を巻き込んだ経営を行うことにより危機を脱する機会が早めに回ってきたのでしょう。
 同社における今回の対応は、遅きに失することはありませんでしたが、むしろ打つべきタイミングは、必ずしも誉められるものではありませんでした。
 経営の基本は、常に次の手を打っておく必要があるのです。高級食パンで業績が上がってきた時点で、同社は次に何をすべきかに着手すべきであったといえます。これがブームを追いかけるビジネスの基本中の基本と言うべきです。
 ブームに乗ったビジネスとともに、コンスタントに売り上げを確保することができる、安定的なビジネスという、ビジネスの柱を常に持っておくべきです。
 

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 出所者の“居場所づくり”を続ける協力雇用主 3b22-5507

2025-05-08 15:34:24 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 出所者の“居場所づくり”を続ける協力雇用主 3b22-5507   

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■ 出所者の“居場所づくり”を続ける協力雇用主 3b22-5507

 「過去負う者」という映画が上映されている。実在する受刑者向け求人誌の 活動をヒントに、刑務所の出所者の社会復帰という重いテーマを扱っている。 ひき逃げで10年服役した後に中華料理店で働く男性をはじめ、就職したものの 社会の不寛容という壁に突き当たる出所者の苦悩が描かれている。
 日本では出所者の約半数が再び犯罪に手を染めている。その大きな要因の 一つが就労だ。周囲の偏見などから仕事に就けず、経済的に困窮したり社会的に 孤立したりする。再犯者の7割は犯行時に無職だったというデータもある。 政府は2016年、再犯防止推進法を施行し、自治体や民間企業などと連携して 出所者の就職などを支援。雇用に協力したいとする「協力雇用主」も 約2万4000社にのぼっているが、実際に雇用している企業は5%ほどにすぎない。

 そんななか「仕事に就いて収入を得られれば再犯を防げる」と考え、 更生保護に取り組んでいるのが解体工事などを手掛けるE社 (島根県出雲市)だ。協力雇用主として登録し、現在5人の出所者を雇用 している。代表取締役のS氏は保護司として活動しているほか、 雇用した出所者の家賃や生活費の一部を個人的に援助することもあるという。
 一方で、雇用した出所者が行方をくらまし、その後、逮捕されていたことが わかったというケースも。周囲からは「あそこは“ムショ帰り”を雇っている」 との声も聞かれた。実際に雇用している協力雇用主が少数にとどまっている のも、取引先など周囲の理解が得られないのが理由の一つだという。
 映画「過去負う者」では、苦悩する出所者のため演劇による心理療法を採用し、出所者が稽古を重ねて舞台公演するというストーリーが展開する。しかし、舞台初日の観客の反応は厳しいものだった…。社会復帰の前に不寛容という大きな壁が立ちはだかっているのが現実だが、それでもS氏は 「出所者の“居場所づくり”を続けたい」と話している。


【 コメント 】
 TVドラマなどで、刑期を終えた人がテーマとして取り上げられることは多いです。
 ドラマの中で、保護司さんが活躍したり、陰で支えたりというようなシーンを見ますが、それを地で行っている会社があるのですね。
 社会的弱者である「務所帰り」の人を、温かく迎えて挙げるだけではなく、自分の会社で雇用したり、時にはポケットマネーで金銭的な援助をしたりと、まさにドラマを地で行っているのです。
 このような人が現実にいらっしゃるのですから、頭が下がります。
  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 超高齢社会を持続可能に 3b15-5430

2025-04-30 07:10:53 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 超高齢社会を持続可能に 3b15-5430   

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■ 超高齢社会を持続可能に 3b15-5430
 「団塊の世代」という言葉を知っている若い世代は少ないのかもしれない。 戦後間もない1947年~1950年の第1次ベビーブームのころに生まれた世代の ことだ。年間出生数は毎年250万人を超えていた。今の3倍の子供が生まれて いた計算になる。高度成長期が就職時期で、働き盛りの40代にバブル期を経験。 日本の生産や消費、文化を牽引してきた世代だ。
 その団塊世代が75歳以上の後期高齢者にさしかかっている。「2025年問題」 といわれ、雇用や医療、福祉など幅広い分野に影響を与えるのではないかと 懸念されている。その15年後には、団塊世代の子供たち、「団塊ジュニア」 世代が65歳以上になる。高齢者人口がピークとなる「2040年問題」が待ち 構えている。

 島根県松江市で高齢者施設向け調理済み食品の製造・販売など手掛けるM社は、「2040年問題」に向けて、高齢者の食を支える新たなビジネスモデルの構築にチャレンジしている。働きたい意思のある障がい者を 高齢者施設の厨房スタッフとして働けるようにする取り組みだ。
 「障がいを持った人たちは、その時の精神状態によって仕事ができたり、 できなかったりする。その心の動きを『見える化』して、指導員が適切な 指導や対応ができるよう支援する」とN社長は説明する。障がい者就労 支援事業所などと連携し、ビッグデータとITを活用して「障がい者の気持ち 見える化システム」の開発を進めている。
 M社では、「真空調理法」で調理したメニューを全国の高齢者施設などに届けている。食材を皿に盛り付け、再加熱するだけで健康に配慮した美味しい料理が食べられる。障がいを持っている人でもしっかり支援をすれば、盛り付けから配膳までワンオペレーションでこなすことができるそうだ。
 「高齢者施設の厨房は働き手が少ない分野。一方で、就労支援事業所の 多くは赤字経営といわれている。この取り組みが全国に広がれば、少なくとも 3万人の雇用を生む。自立する障がい者を増やすことができる」とN氏。 高齢者施設の人手不足と障がい者の働く場の確保という2つの社会的課題の 解消への貢献が期待される。

【 コメント 】
 高齢社会が大きな問題となっています。
 M社は、先を読んで2040年問題に取り組んでいます。そのときに、「高齢者施設」「食問題」「人手不足」というキーワードを関連付けての経営判断です。
 その経営判断により、自社の成長も望めますし、社会が抱える2つの問題解決にも寄与でるビジネスです。
 経営というのは「時代対応業」と私の先輩が言っていましたが、時代の先を読んで、M社は、自社の長期戦略に取り組むという、経営の基本を実践しています。
 いわば、「あたり前」のことをあたり前に行おうとしているのです。それがやはり経営者にとって必要な思考法の一つといえます。
 一方で、同じようなことを考える人がいるでしょうから、その対応策も今から取り組んでいきませんと、「アレッ!想定していたことと少し違うな」という状況に陥りかねませんので、注意が必要です。
  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ■ 磐梯山に見守られ、会津でモノづくり 3b08-5423

2025-04-23 12:21:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ■ 磐梯山に見守られ、会津でモノづくり 3b08-5423   

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■ 磐梯山に見守られ、会津でモノづくり 3b08-5423
 磐梯山は日本百名山にも数えられる福島を代表する山だ。明治時代の大爆発で 山体が大きく変わったが、同時に五色沼などさまざまな湖沼が形成された。 今では登山客が足を止めて魅入るほどの美しい景観をみせている。あざやかな 紅葉が過ぎ、まもなく本格的な冬支度のシーズンを迎える時期は魅惑的だ。

 会津若松市にあるS社の主力工場は、磐梯山が一望できる 高台の河東町工業団地にある。同社はここで、高級カメラや航空機、自動車 向けマグネシウム合金の切削加工を行っている。マグネシウムは実用金属中で 最軽量の金属だが、加工が難しい。同社は他社ができない困難な課題に挑戦し、 実績を積み重ねることで、多くの取引先から頼りにされる存在となった。
 同社がこの地でモノづくりを始めたのは2011年12月。同じ年の3月、本社が ある双葉郡大熊町が原子力発電所の事故で避難命令が出され、操業できなく なった。W社長は「再開は無理だな」と思っていたが、社員の熱意と取引先 カメラメーカーの支援、さらには会津若松市役所の強力な後押しで、震災から わずか9か月で新工場での操業再開を成し遂げた。立ち入り禁止区域にある 本社工場から、線量計を携えた社員が機械設備を持ち出すなど、苦難の末の再開。 W社長は「必ずこの会社を成長させる」と心に誓った
 同社は着実に事業の幅を広げるとともに、会津若松市の伝統工芸に従事する 企業と連携して、高級なくしを開発するなど、地域に根付いた活動も始めて いる。本社工場は今も帰還困難区域のままだ。W社長は大熊町の復興に協力 したいという気持ちは持ち続けつつも、会津でのモノづくりの継続を決めている。 本社工場から一緒に移ってきた社員も、子供たちの多くは会津で生まれ育った。 その子たちにとっては会津がふるさとだからだ。大災害に見舞われながらも 美しい姿をたたえる磐梯山に見守られ、同社は会津と大熊町、二つのふるさとを 思いながら事業を続けていく。

【 コメント 】
 東日本大震災・福島原発事故の後遺症で、本社工場の操業が絶望的な中、経営者としては諦めかけました。しかし、社員が被曝線量の高い中、必要な機器・機材を搬出し、会津工場に運ぶという熱意にほだされて、操業再開という決断に踏み切りました。
 社員の熱意に加え、地元自治体や取引先の応援が得られ、軌道に乗せられたのです。平素の、地元や取引先との密なコンタクト、特殊技術を残すべきと言う自治体の英断など、いろいろな要因のベクトルをあわせられた結果のことです。
 経営というのは、経営者ひとりがやることではなく、ステイクホルダーが一丸となりますと、その力は大きくできるのです。経営者は、いかにステイクホルダーのベクトルをあわせるかに腐心することです。
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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ピアノ→クルマ→ボート…浜松だからこその事業展開 3b01-5416

2025-04-16 12:21:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 ピアノ→クルマ→ボート…浜松だからこその事業展開 3b01-5416   

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■ ピアノ→クルマ→ボート…浜松だからこその事業展開 3b01-5416
 静岡県浜松市を訪れた際、地元・浜松商工会議所の職員からこんな クイズを出された。「浜松アクトタワー(JR浜松駅前の高層ビル)はなんの 形をモチーフにしているか?ヒントは浜松にちなんだもの」。往年の人気刑事 ドラマ「古畑任三郎」にも登場した同ビルは確かに特徴的な外観だ。結局、 正解は出せず、「答えはハーモニカ」と教えられた。浜松には有名楽器メーカー があり、“音楽の街”として知られるのだ。
 その“音楽の街”の代表的な楽器といえばハーモニカ、ではなくピアノだろう。 ヤマハの創業者、山葉寅楠は1900年からピアノを製造。ヤマハから独立した 河合小市は1927年に河合楽器を設立した。そのため浜松周辺にはピアノ関連の 仕事を行う業者も数多い。

 1963年創業のH社(1989年に浜松市から 隣の磐田市へ移転)もそのひとつで、当初はピアノの塗装を手掛けていた。
 浜松は、楽器だけでなく、バイクメーカーの創業の地としても有名だ。H社もやがて二輪車部品の塗装に転換。さらに2008年のリーマンショック後には、同じく浜松で製造が盛んな四輪車に対象を広げ、今では四輪車部品の塗装が中心に。時代の流れとともに事業内容を変えてきている。ところが、課題も見えてきた。二輪車と合わせて売上の9割を車部品の塗装で占め、顧客としては自動車部品メーカー1社に7割ほどを依存しているのだ。
 こうした偏りを是正するため同社は新規事業を模索。目を付けたのは船外機 だった。浜名湖に近くプレジャーボートの生産も盛んな立地条件を活用しようという狙いだ。コロナ禍で密を避けられるレジャーとしてボートの需要が 高まったことも追い風となり、船外機の塗装は出足好調だ。こうした事業展開ができるのも、多くの産業が発展している浜松だからこそ。冒頭のクイズに戻るが、ヒントを出されても「浜松にちなんだもの」が次々と頭に浮かび、さほど役に 立たなかったのが実情だ。

【 コメント 】
 ABC分析という言葉を近年あまり聞かなくなったような気がします。
 しかし、経営コンサルタントとして、常に意識して、この半世紀をやってきました。
 その一つが、「顧客のABC分析」です。Aランク社数が少ないですと、万一、その会社が倒産したり、契約を打ち切られたりしたときには、倒産の危機に直面することになりかねません。
 H社は、1社に7割も依存していることのリスクに気がつき、もう一本の柱を作ろうと考えました。「遅きに失する」という悔やみに繋がる前に気がついたことは、経営者としての判断力が評価されます。
 私達、コンサルタント・士業は、クライアントさんの状況を常に俯瞰的にも見ている必要があります。
 ABC分析は、その観点でも重要なのですが、その知名度は高いものの、コンサルタント・士業でありながら、ABC分析・パレート図の読み方を知らない先生が何と多いこと・・・

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312 失敗も「学びの経験」として活かす

2025-03-19 12:21:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312 失敗も「学びの経験」として活かす   

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■ 土木工事のイメージ変えるICT技術 3a04-3319
 ショベルカーとブルドーザーは土木工事に欠かせない建設機械だ。油圧式 アームの先端についたショベル(バケット)で地面の掘り起こし、土砂をすくい 上げて移動させるショベルカー。バックホー、ユンボとも呼ばれ、幅広い作業に 活躍する。一方、ブルドーザーは、車両の前方に土砂を押し出すブレード (排土板)と呼ばれる盾がついており、土砂を押し出しながら平らに整地する。
 「ショベルカーとブルドーザー、操作はどっちが難しいと思う?」。埼玉県 春日部市のK社を取材した際、Y社長からこんな質問を投げかけられた。「どうみてもショベルカー」と思ったのだが、答えは意外にも ブルドーザーだった。「前後に車両を移動させながらブレードだけで繊細に土をコントロールする。簡単そうでそこが難しい。熟練したオペレーターはブルドーザーの方が圧倒的に少ない」と説明してくれた。
 K社はICT技術を搭載したショベルカーなどの建機や測量機器など積極的に導入し、効率的で生産性の高い土木工事を実現している。2022年度、インフラ分野での優秀なDXの取り組みを表彰する「インフラDX大賞」 (工事・業務部門)で国土交通大臣賞を受賞した。Y社長は効率的な経営を目指し、ICT建機を毎年1台、2台と増やしていったそうだ。
 ICT技術を搭載した建機は、測量や設計のデータを入力すると、カーナビのように作業を指示する。データ通りに自動で作業してくれる建機もある。 「ふだんショベルカーを操作していてブルドーザーは初めて」という オペレーターも滞りなくブルドーザーを操縦することができる。 人材確保が難しい重機オペレーターの効率的な活用に役立っている。
 ショベルやブレードのすぐそばで高さを確認するなどオペレーターをサポートする作業が必要だったが、ICTを導入すると、その必要がなくなる。 省力化だけでなく、安全性を高める効果も期待される。DXに踏み込めない中小の建設業者は少なくないが、「ICT建機は大きな資産。買ってうまくいかなかったら売ればいい。まずは積極的にチャレンジすることが大事」とY社長は話していた。

【 コメント 】
 経営者の中には、石橋をたたいても渡らない人もいれば、詳しく事前調査もしないで新しいことに挑戦する人もいます。昨今では、自分では判断力がないためにSNSの評判を聞いたり、多くの人が「いいね」をしていることを重視したりという人が多すぎます。
 某県の知事選挙で、現職よりライバル優勢という状況の中で、現職が当選するという結果になったことは、まだ記憶に新しいことです。SNS上における一部の人の発言が拡散して、それが「真実」であるかのごとく受けとめた人が、現職に投票したと考えられます。このように、自分自身の考えを持たない人に世の中が動かされてしまっているのは残念なことです。
 兼題のY社長は、豊富な経験から、「これならいける!」という判断をできる人なのでしょう。もちろん、判断を誤って失敗したこともあると思いますが、失敗を失敗で終わらせないで、「学びの経験」としているのではないでしょうか。それが、今日の成功に繋がり、「元気な会社」になったと考えられます。
 良いアイディアを持っていても、行動しなければ結果となって出てきません。成功している企業というのは、行動力があるのです。

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312

2025-03-12 12:21:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312   

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■ 家康のおひざ元で、半導体検査市場の天下取り 3927-3312
 愛知県岡崎市は、徳川家康の生誕地として知られる。NHKの大河ドラマ 『どうする家康』が放送されました。JR岡崎駅を降り立つと、家康ゆかりの地を紹介 するコーナーが設置されているなど、市を挙げて家康ブームを盛り上げていました。近年、岡崎城などを巡る家康ファンの姿がよく見られるという。
 この岡崎の地で、世界の半導体市場に挑戦しているのが、A社。創業者であるM社長が、大手自動車部品メーカーに 在職中に研究した技術をもとに開発した商品は、 非破壊・非接触で半導体製造の後工程の接合状態を瞬時に検査するという 業界初の検査装置。それまでの半導体検査は、抜き取りによる破壊検査か画像 処理による外観検査が主流で、良品を破壊するムダや、接合状態を直接検査 できないことによる不良品の発生といった課題があった。
 M社長が同社を創業したのは2018年。大手自動車部品メーカーを定年退職 した60歳の時。在職していたメーカーで事業化しない方針が決まり、「それなら 自分でやってみよう」と決意しての起業だった。開業資金は日本政策金融公庫 の創業融資でまかなった。この商品は1台2,500万円程度という高額商品。しかし、 半導体の歩留まり改善に寄与する検査装置として、半導体メーカーから注目 されている。
 M社長が心掛けているのは、社員のワークライフバランス。残業ゼロを 掲げている。「私の若いころは会社に寝泊まりしてでもやれという時代だったが、 実際は疲れていい力はでない。短時間に集中して仕事してもらった方がいい」 と長時間労働には否定的だ。また、社員の給料は毎年社長との相対交渉で決める ことにしており「中には私より高給な社員もいる」と報酬面でも配慮している。 「日本は技術者のステータスが低い。私も若いころから発明をしていたが、 報われなかった。だから優秀な人が海外に流れてしまう」と自身の経験から、 技術者・社員を大切にする経営を心掛けている。
 この商品は国内外の半導体メーカーからの要望が相次ぎ、受注を待ってもらっている状況。「まずは国内の半導体メーカーからの発注に対応し、来年には台湾 など海外メーカーからの需要にも応じていく」という。同社は早期に年間売上高 20億円を達成し、さらに成長を目指している。徳川家康が関ケ原の合戦に勝利し、 天下統一を果たしたのは59歳、徳川幕府の基盤を築いたのは60歳代でのこと。 60歳で起業したM社長の世界市場を見据えた天下取りもこれからが本番だ。

【 コメント 】
 半導体産業といえば、今後も成長を続ける分野の一つです。そこで困っている問題の一つが、検査工程の精度アップという課題があります。成長産業であっても、その位置部分の工程用途ですから、市場は限られています。
 大手企業に在席していたときに、提案をしたものの受け入れられず、「それなら自分で作ってやる」という気持ちで独立起業して着手したそうです。
 成長産業の中のニッチ部分というのは、必要性が高くても大手企業が手を出さない、ニッチ市場なのです。「困っている」「大手が手を出さない」というニッチ産業こそが中堅・中小企業の出番です。その分野でナンバーワンになることは、問題の難しさ、開発費用・期間を勘案しますと大変なことでしょう。
 そのような状況下では、開発者等は寝食を惜しまず仕事をしがちですが、M社はワーク・ライフ・バランスを重視するという、一見矛盾をはらんだことをやり遂げているのです。
 このような矛盾を解決するには、熱意・意気込み・使命感などが高くなければできないことです。
 中堅・中小企業成功の鍵が、ここM社にも潜んでいますね。

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 膜で世界の課題を解決 3906-5225

2025-02-25 12:21:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 膜で世界の課題を解決 3906-5225   

 経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 膜で世界の課題を解決 3906-5225

 子どもの頃、親に連れて行ってもらったサーカスは、大きくてカラフルな テントの中で、空中ブランコやピエロの曲芸が次々と繰り広げられ、夢のような 時間だったことをおぼえている。そして、大人になって下北沢のテント劇場で 見た演劇は親密で秘密のにおいがした。テントには、人を非日常の世界に いざなう効果があるのかもしれない。

 日本で最初にサーカスの大型テントが登場したのは、1950年代。木下サーカス がそれまでの丸太小屋組みから、持ち運びが便利で設営しやすい膜によるテント を張ったことが始まりと言われている。その大テントを製造したのが、大阪の T社だ。木下サーカスに納めたテントは、長さ37.8m、幅46.8m で周囲を驚かせた。

 大型テントの可能性を世界に知らしめたのは、1970年の大阪万博だった。 万博に出展するパビリオンは、短い工期で建設し、会期中は多数の来場者に 耐える堅牢性を保ちつつ、終了後は跡形もなく撤収させなくてはならない。 軽量の膜を空気で支える構造は、万博で建築物に求められる特性に合ったもの だった。T社は大阪万博でアメリカ館や富士グループ館など、万博会場の 膜構造物関連の9割を受注し、万博成功を黒子として支えた。膜構造はその後 世界に広まり、大型ドームの建設ブームを呼んだ。

 膜構造の良さは、軽量で曲面的なデザインができること。光を採り入れられる ので、省エネにもなる。また、世界で発生する廃棄物の約半分は建築由来と 言われるが、膜構造であればそれも大幅に減量できる。地球環境にも優しい。 コロナ禍においても、膜は大活躍した。感染者を隔離したり、ワクチン接種 会場を臨時に設ける時も、空気で膨らませて短期で設営できるエアドームは 重宝された。

 T社は膜技術の最先端を走る企業として、世界で開催される万博会場で、 パビリオンやファサード、スクリーンなどさまざまな構造物を提供している。 同社のN社長は「当社は膜の伝道師として、世界を変える膜の新しい 技術に挑戦していく」と覚悟を語る。2025年の大阪・関西万博においても関西 パビリオンの施工を受託したほか、多くのパビリオンの建設にもかかわっていく という。子ども時代にサーカスでワクワクしたような、新たな体験を私たちに 見せてくれることを期待したい。

【 コメント 】
 T社も、成功企業の典型的な「新商品」を成長と安定経営に繋げるという【事例】といえます。
 それに加えて、「万博」という商機を逃さず、それに適した商品創りをしたことも成功要因といえます。
 コロナ禍の時には、自社商品を上手に利用するようにと提案営業が成功したのでしょう。
 時代の動向とそこに顕在的・潜在的に潜むニーズの掘り起こしができる企業は成長します。ここではクリティカル・シンキングやシステム・シンキングが役立っていると推察します。

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 御堂筋の一方通行も始まりは大阪万博 3830-5218

2025-02-18 00:21:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 御堂筋の一方通行も始まりは大阪万博 3830-5218   

 経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 御堂筋の一方通行も始まりは大阪万博 3830-5218

 大阪のキタ(梅田)とミナミ(難波)を結び、市中心部を南北に貫く御堂筋。 「雨の御堂筋」をはじめ数々の歌にも登場する大阪のメインストリートだ。 長さ4km、6車線もある御堂筋は元々対面通行だったが、1970年の大阪万博が きっかけで南行きの一方通行になった。すでに渋滞が慢性化するなか、万博が 開かれれば混雑はいっそう深刻になる。そうした事態を避けるため開幕2カ月 前の同年1月に一方通行化され、今に至っている。

 御堂筋の一方通行のように、大阪万博を機に導入・普及となったものは多い。 たとえば動く歩道やモノレール、電気自動車、携帯電話など。ケンタッキー フライドチキンはアメリカ館で日本に初お目見えし、明治ブルガリアヨーグルト は同社社員がブルガリア館で本場のヨーグルトを試食したことがきっかけで 誕生した。大阪ではエスカレーターで左側を空けるという習慣も万博が始まり だといわれる。

 S社のインク浸透スタンプも万博で注目された商品だ。 スタンプ台でインクをつけることなく何度もスタンプを押せるもので、10年 以上の開発期間を経て1965年に発売。当初は苦戦したが、万博で一変した。 各パビリオンが記念スタンプとして、このスタンプを設置したところ、 スタンプ台不要という便利さが評判に。会期途中から設置するケースもあり 最終的には約40カ所のパビリオンで使用された。認知度は一気に高まり、万博後には2倍、3倍と売れ行きを伸ばしていった。「出展の目的は一人でも多くの 方にこの商品を実際に使ってもらい、便利さを感じていただくこと」 (同社のF社長)。狙いはまさに的中した。

 2025年には同じ大阪で大阪・関西万博が開かれる。空飛ぶクルマや70年万博 にも登場した人間洗濯機など話題の出展があるが、この商品のように 中小企業の技術・製品が注目されるかもしれない。

【 コメント 】
 S社の当該商品を知らない人はいないほど、身近な商品です。
 その開発には、10年の長い年月がかかったと言われますが、同社の商品のように市場に染み込んだ普及率からしますと、モトはすぐに取れたのではないでしょうか。
 中小企業は、新商品がヒットすることにより、知名度が急に上がり、売り上げも急上昇します。この時に、気をつけなければいけないのが、急ごしらえの組織で、管理が行き届かず、急激に業績が悪化して行くことです。また、競合品・類似品が出てきますと、それに輪をかけることになります。
 S社の場合には、順調に進んできているようですが、今後の市場動向や技術革新で、その順調さが持続するとは限りません。経営が順調なときこそ、将来への投資が必要で、次のヒット商品開発に尽力すべきでしょうし、おそらく同社はそうなさっていると思います。次の新商品を期待しています。
  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

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