■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 DXで進化する地域協業“令和の仲間まわし” 3a11-5326
経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。
【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。
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■ DXで進化する“令和の仲間まわし” 3a11-5326
2023年で関東大震災から100年。10万人以上の死者・行方不明者を 出し、首都・東京を壊滅状態にした未曽有の大災害はその後の東京の姿を 大きく変えた。とくに被害が大きかった中心部からは多くの商店や工場、 住宅などが郊外に移転した。2023年9月まで放送されたNHK朝の連続テレビ小説 「らんまん」でも、それまで鄙びていた渋谷が震災を機に繁華街へと変わって いく様子が描かれていた。
様々な町工場が集積し、国内有数の“ものづくりのまち”と呼ばれる現在の 大田区でも震災のあと、地盤が強固な台地では宅地化が進む一方で、工場が 次々と移転してきた。当時はまだ東京市外だったが、1932年には東京市に編入 された。余談だが、当初は大森区と蒲田区に分かれており、戦後に2区が合併。 「大」森と蒲「田」で大田区と名付けられたのである。
その大田区では、複数の町工場がそれぞれの得意分野を活かす形で分業して 仕事を仕上げるという「仲間まわし」という伝統文化があった。「自分たちの 親世代では行われていたが、町工場の減少もあって薄れてきた」と話すのは F社の代表取締役、K氏。K氏は同じ町工場の若手経営者らとともに「仲間まわし」を新たな形で復活させようと取り組んでいる。その象徴が、町工場の技術を結集して製造し、海外のトップ選手が採用して いる「下町ボブスレー」である。
2018年には仲間とともにI合同会社を設立。参画企業は 大田区内外で約80社にのぼる。さらに2022年8月にはクラウドサービス「プラッと ものづくり」を立ち上げ、受発注システムのデジタル化を実現した。「従来の 電話やファクスでは情報の見落としもあったが、デジタル化でビジネスチャンス を逃さないようにしたい」とK氏。2023年6月に、日本DX大賞のBX部門で優秀賞を 受賞するなど各方面から注目される“令和の仲間まわし”は、DXで進化を遂げて いる。
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東京都大田区というのは、仲間同士の結束が比較的強い地域です。「仲間まわし」という伝統的なやり方が、その結束の原点なのかも知れませんが、消えかけていました。その伝統を復活しようという試みが起こり、地域協業により、再び大田区が元気を取り戻しています。
その背景には、「言い出しっぺ」すなわち「ファースト・ペンギン」が縁の下の力持ちとして動いているのです。一般的には、ファースト・ペンギンに、なんでも押しつける傾向がありますが、大田区では結束力がそれに勝っているのです。DXという単独の中小企業にとっては難問である課題も解決して活用しています。
営業力の弱い、中小の工場(こうば)にとって、DXの恩恵は大きいでしょう。地域おこしの良い見本のひとつといえます。