版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

版画の話(16)Hanga(16)

2007-05-31 14:35:17 | 作品 Works

左下が棟方志功のペンで書かれたサイン
On the bottom left corner,you can see his signature with pen

前回の棟方の挿絵版画は 版木は本物なのですが
刷りは別の職人が刷ったものです。
ある出版社が大量に刷らせたもののようで
棟方のフルサインが入るはずでしたが
本人は気が進まなかったのか 鉛筆ではなく
ペンで簡単なサインですましたようです。
すべて自分で刷り上げなかった棟方の
良心でしょうね。
作品は素晴らしいのですが そのような経緯で
市場価値は低いようです。

As for this Munakata's Hanga,
the wooden plate is genuine,
i.e. he carved it in person.
But printing was done by other artisans.
Some publisher seemed to have them print
a large quantity of this Hanga.
Then Munakata was supposed to sign
his name in full.
However, he perhaps minded doing so.
Therefore, the signature was simply written
in pen not pencil.
As he didn't print them himself,
his conscience might have made
the signature like this.
The print is wonderful, but on that account
the market price appears to be low.

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版画の話(15)Hanga(15)

2007-05-29 14:58:05 | 作品 Works

棟方志功制作による
谷崎潤一郎「痴人の愛」の挿絵
"NAOMI"by Tanizaki, illustrated(wood block) by Munakata

棟方志功は限定番号は入れずに 注文が
あればどんどん刷ったそうですが 本人は
「一所懸命刷って 題名とサインを丁寧に
たくさん書き入れるからいいのだ(番号を
入れなくとも)」と言っていたそうです。
それでも人気があって 値も下がらないのは
流石です。
絵としての魅力が大きいからでしょう。
このお話はその昔 棟方本人から直接版画を
手に入れた方からお聞きしたものです。
冒頭の棟方版画もその方からいただいた
ものです。この版画については次回に
お話します。

The late Munakata Shiko didn't put
an edition number on his prints.
He printed as many as he took orders.
He said " I put my heart and soul into
printing and writing my signature and
the title, so even without an edition number,
that's OK"
Even though there is no edition number on it,
his prints were so popular that the price
didn't fall ......Munakata the Great ........
Probably, his pictures themselves are fascinating,
His Hanga used today's blog is a real print.
Someone who bought it immediately from Munakata
told me this story and gave it to me.
I'll continue about this next time.

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芍薬 Peony

2007-05-27 11:59:24 | その他 Other

しゃくやく Peony

最近 妙に花に目がゆきます。
若い頃は花より団子・酒・○○○で 
ほとんど関心がなかったのですが.........
単に年をとったと言われると それまでですが....
中国では老眼の事を「老花眼」と言うそうです。
「花の美しさが解る眼になった」
という事なんですね。
さすが中国です。

文葦さん 訂正ありがとうございました!
ちなみに 文葦さんは中国から来られた
若い記者さんです。ブログを書かれていますので
こちらも是非どうぞ
   http://koubuni.exblog.jp/

I don't know why
but I'm attracted to flowers these days.
When I was young, I preferred food,
drink and so on to flowers.
You may say that I'm not as young as I
used to be.
I've heard, in Chinese, they call presbyopia
or old sight "old Flower sight" which means
you are old enough to appreciate flowers.
Fabulous China!

今日の句
芍薬の あでやかなるや 影までも

芍薬の 重き蕾も 華のうち 

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版画の話(14)Hanga(14)

2007-05-25 12:53:06 | 作品 Works

自家製はがき(12)シルクスクリーン silk screen

版元が作家個人ではなく画廊や版画販売会社などの
場合 やはり付加価値を高める限定が必要なのでしょう。
また この版画作品がどの位市場に出ているのかを
知りたいという方のためも番号を付けるのだと
思います。
私も当分その必要性を考えて限定数を入れて
ゆくつもりです。

In the case a dealer is not an artist him or herself
but a gallery or a store,
they still need an editon number to raise added value.
And there may be someone who wants to know how many prints
have come onto the market.
Thinking of its needs, I'm going to put an edition number
on my prints for the time being.


ある日の昼食 my lunch..Ramen
冒頭の画像と雰囲気がまったく合ってません.........
今日は(また!)これから飲み会なのであっせた結果です......

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版画の話(13)Hanga(13)

2007-05-23 13:06:39 | 作品 Works

自家製はがき(11) シルクスクリーン silkscreen

私はどちらかと言えば 番号なんかいらないと
思っている方です。
自画・自刻・自刷の版画家による作品は
広義で言えば1枚1枚がオリジナルだからです。
サインだけで充分とも考えています。

In my humble opinion,
there is no need for an edition number.
A print work made by an artist all the process
in person is, in the broad sense,
an original work each.
I think the signature is good enough.


19日(土)は第3回東京テクテク歩き隊でした。
まず浅草三社祭り見物

The third "Teck Teck Walking Culb"seeking for good old Tokyo
Sanja Festival in Asakusa

いなせなおねぇさん Dashing lady



大小100基の御神輿が浅草寺めがけて集まってきます。
その後は国技館で相撲観戦
100 of portable shrines were coming together toward
Sensoji-temple. After this, watched Sumo in Kokugikan.


幕内の土俵入り The ring entering ceremony


弓取り式 the bow-twirling ceremony
締めは「ちゃんこ鍋」江戸情緒を満喫した 濃い1日でした。

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版画の話(12)Hanga (12)

2007-05-21 10:21:13 | 作品 Works

自家製はがき(10)木版画 woodblock

4 作家がたくさん刷るのはめんどうなので
  上限を決めた。
5 多くの作家や先輩がしているから
  なんとなく入れている。
6 番号を付けないと版画っぽくないから。

4、5、6は決して冗談ではありません。
意外とこのような動機で記入している作家が
多いと思います。
私はどちらかというと 4 の理由で
限定番号を入れています。

4 It's troublesome to print a lot in person,
so they fixed the upper limit.
5 For no special reason.........
Many artists do so........
6 Without an edition number,
it doesn't look like Hanga.......

I'm never telling jokes.
Surprisingly, those reason like 4,5,6
make many artists put an edition number
on their works.
I'd rather put it by the reason 4.


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版画の話(11)Hanga (11)

2007-05-19 08:49:21 | 作品 Works
版画に関するお話を再開します。
Starting again on Hanga


自家製はがき(9)木版画 woodblock

なぜ版画に限定番号を入れるのか?
諸説あります。
1 大数量の印刷物との違いを表すため
2 付加価値を高めるため
3 その昔 英国で70部以上の刷り物には
  税金がかかったため 70部以下の限定数を
  記入したのを 日本でも数字記入だけ真似た。
                  つづく

Why do they put an edition number on their Hanga?
There are a variety of views concerning
the origin of it.
1 to differentiate print works(Hanga) from
a large quantity of printed matters.
2 to add value to their Hanga.
3 In the old days. over 70 copies of printed matters
were taxable in Britain.
Therefore, they held an edition number
less than 70 when they put it on their
printed matters.
In Japan, they imitated just numbering
their Habga.
to be continued.


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北海道弁(その3)Hokkaido dialect (3)

2007-05-17 11:27:27 | その他 Other
また北海道弁のお話を続けます。


「思えば遠くへ来たもんだ」 荒川にて
Along Arakawa riv. Rape flowers at their best
高校2年の頃の友人との会話

「受験編」
私 「期末の結果 たいして いいんでしょ」
友 「なんもだ なんもいくない」
私 「なしてぇ 50番以内だも
   たいていのとこ 行けるべさ」
友 「いや おやじはもっと
   けっぱらないとだめだって 言うんだ
   ゆるくないよ......」
私 「あぁ やっぱ東大か? そんじゃもっと
   はっちゃきこかないと」
友 「もう こきようないっ
   なんか もう たいぎで」
私 「おやじさんの前で だはんこけば?」
友 「できるなら せわない......」
私 「ははっ..... 元気出しに 風月か
   まんぷく屋に 行くべ 腹減った」
友 「絵描き志望はいいよな のんきで.......
   オレ食欲ないから いいわ 
   カツゲンでも飲むわ」

昔を思い出した方 コメントお寄せ下さい。


青春は はるか北の空の中 photo by NORIKO

語解説
けっぱる  がんばる 
ゆるくない  大変 きつい
はっちゃきこく  必死になる
たいぎ  おっくうな事 めんどうだ
だはんこく  だだをこねる
風月  お好み焼き屋
まんぷく屋  ラーメン屋 既出
カツゲン  北海道にしかない乳酸飲料


次回から再び「版画の話」の続きをお送りします。

個人連絡
maasaさん 19期ですか?
もしかして 私ひどい勘違いしてます?
お知らせ下さい。

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北海道弁(その2)Hokkaido dialect (2)

2007-05-15 10:14:47 | その他 Other
引き続き北海道弁のお話です。


高校時代毎年キャンプに行った積丹のカムイ岬です。
photo by NORIKO

「青春編」
私が中学1年か2年の頃の親友との会話

友「この写真の子 めんこいべ」
私「おーぉ 平凡パンチ! へぇー
  まっぶいね! なまらだわっ
  よっちゃん これとばっくってくれない?」
友「ばか言えっ そんなガッチャイ写真と
  ばくれるわけないべやー」
私「じゃぁ ちょびっとでいいから 貸して?
  ねっ いっしょっ? だめぇー」
  ...............

友「わぁー! もちょこい! バカーッ
  やめれーてっ かしちゃるから ちょすなーっ」

友「あーぁ やぶけたぁ! わやだぁー
  だからちょすなって 言ったべ!」
私「そんなおっかない顔すんなよ ごめん」


ばかですねー(状況 解りますよね。) 
思わず笑った方コメントお寄せ下さい。

語解説
平凡パンチ  当時創刊された男性雑誌
まぶい  素晴らしい事
なまら  すごい 非常に
ばくる  交換する
ガッチャイ  良くない 格好悪い
ちょびっと  少し
もちょこい  くすっぐたい
ちょす  さわる いじる
わや  めちゃくちゃな状態 最悪
おっかない  おそろしい

北海道弁2回で終わるつもりでしたが
なんか愛着がわきまして 次回も「受験編」と
してお送りします。

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北海道弁(その1)Hokkaido dialect (1)

2007-05-13 10:37:12 | その他 Other
これから書くのは一部の人には懐かしい
北海道弁のお話です。
北海道でも浜や山の方では かなり
きつい「なまり」や「方言」が
あったようですが 私は札幌でしたので
一応その周辺で使われていた言葉を集めて
今回と次回お送りします。
This theme is about the Hokkaido dialect,
sorry I can't put this into English.


菜の花 荒川にて

今日は「母の日」でもありますので
記憶をたどって50年近く昔の母の
しかり声を再現してみました。

「ジョンバ しまったぁ?」
「ジュウノとデレキ 元に返しなさいよ!」
「ちゃんと ジョッピンかけなきゃ
 だめって言ったっしょ! なんべん言ったら
 わかるのっ この子ったら はんかくさいねぇー」
「ちょっと あんたっ! 聞いてんのぉ
 そんなの 早くなげなさいって いっつも
 言ってるのに..... おはらい屋にだしちゃうからね」

懐かしくなった方 コメントお寄せ下さい。
次回は青春編をお送りします。

語解説(もし違っていたらお知らせ下さい)
ジョンバ スコップ
ジュウノ 石炭すくい用のショベル
デレキ  石炭ストーブ用火かき棒
ジョッピン 鍵をかける事
はんかくさい バカみたい
なげる  捨てるの意味
おはらい屋 廃品回収業の人

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版画家のお友達 歯科医編(6)Special Column

2007-05-11 10:23:05 | その他 Other
引き続きNORIKO先生のお話です。


カタクリ 浦臼神社(砂川の手前、浦臼町)にて Photo by NORIKO

小児歯科医のささやかな喜び

うちの診療室には、治療拒否症とも言うべき子供が
常に2~3人います。
この子供たちは年齢的に拒否しているのではなく、
以前に受けた治療の体験から拒否しているもので、
たいていは多数の要治療歯があります。
建物の中に居ても、来院する事がわかるほど、
大騒ぎで連れてこられ、治療室に入るのも大変です。
勿論治療そのものも、
通常の2倍くらいの時間がかかります。
この子達の予約の日は知らず知らず
身構えてしまいますが、
彼らは、ある日突然「大変身!!」するのです。
それまでのことは一体何だったのかと言うほど
治療に協力的になり、笑顔が戻ってきます。
この時、一緒に来ているお母さんの表情も変わります。
彼らにどんな心理的変化があったのかは、
わかりませんが、少なくとも、
治療恐怖心がなくなったのは、大きな一歩です。
私は、この瞬間
「この仕事をしていて、良かった。」と嬉しくなります。



エゾエンゴサク


カタクリとエゾエンゴサクの群生

kei
私今でも治療拒否症です........

NORIKO先生の画像はいつも素晴らしいですね。
片栗も蝦夷延胡索も 未だに見た事がないんですが
是非一度見てみたいものです。
ヤマ育ちの相方は むしょうに懐かしんでいます。

次回は北海道弁のお話です。
ちょっと笑えます。

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版画家のお友達 歯科医編(5)Special Column

2007-05-09 11:09:55 | その他 Other
今日から2回に渡って 札幌の春便りと共に
DENTIST NORIKO先生のお話をお送りします。
This topic is a domestic medical issue.
Carrying this without translation.

ミズバショウ(石狩市マクンベツ湿原) Photo by NORIKO

歯科には欠かせない存在の
歯科技工士さんの経済事情

技工士さんは冠や、入れ歯を作る専門家です。
「冠の1つくらいは口の中にある」という方が
ほとんどだと思いますが、
保険治療で奥歯に金属の冠を1つ作ったとして、
技工士さんの収入はいくら位だと思いますか?
だいたい2000~2500円です。

ミクロン、それ以上の精度の
フルオーダーハンドメイド品がです。
実際に患者さんの口に入れて適合が悪ければ、
無料再製。納期厳守。技工物の個別集配、
製作にかかる金属代以外の消耗品などが含まれます。

大きさの差こそあれ、
製作過程は美術品の鋳造物と変わりません。
大変手間のかかる作業です。

以前TVで技工士さんの実態が放映されましたが、
非常に厳しい労働条件と経済です。




北海道神宮の桜

kei
札幌もいよいよ春のようですね。
厳しい現実であればあるほど 
自然の美しさが目に染みます。

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半年経ちました A half year has passed

2007-05-07 11:45:21 | 作品 Works

支える人 Supporting Man 300×200mm
ED 70 2004年制作

11月から始めたこのブログも半年が経ちました。
1日50人程 海外を含めて100人以上の方々に
読んでいただいているようです。
ありがとうございます。
最近はDENTIST NORIKOさんの協力も得まして
内容も豊かになったのではと 自負しております。
これからも引き続き 版画の話 私の作品紹介
NORIKOさんからのお便り そしてたわいない
お話満載でゆきたいと思っております。
よろしくご愛読下さい。
次回は2回連続でNORIKO先生のお話を掲載します。

A half year has passed since I stared this blog
in last November.
Currently, I have 40~50 visitors a day.
Including overseas, the audience seems
to be over 100. Many thanks to all of you.
As a friend of ours NORIKO has supported it
thesedays, the content has been getting richer,
I blow my own horn........
I'll keep on the blog filled with stories of Hanga,
my works, NORIKO's messages and small talk.
Please continue to visit and enjoy this blog.
I welcome your comments.
Next time, twice in a row NORIKO's message
will be posted.


(ウルルン滞在記風に)中国雲南省南部の農家でぇーーーーー
笛を吹く男を見つけたぁーーーーーーー
では ありません。うちの庭なんです。
5日に毎年恒例のバーベキュウを開きました。
Our annual barbecue party on 5th,Children's Day.
I played the bamboo flute in our backyard.


和太鼓の演奏
The performance of Japanese Drum


三線やトランペットなどによる「花」の演奏
They played "Hana..Flower" on the Sansen and the trumpet


鳥の丸焼き 
楽しい一日でした!

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