版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

398円のワイン

2013-04-20 12:14:14 | 食品 Food



特に何かあった訳ではないのですが
相変わらずワラワラと暮らしている内に すっかり更新が遅れてしまいました。

今回は 安ワインをアッと言う間に 熟成高級ワインに変身させるお話です。


以前ニセコの井上君から 在京中に「クレデュヴァン」という 
不思議な金属製のワイン熟成器を見せてもらった事があります。
こちら


ワイン雑貨ドットコムさんのホームページより借用(http://winezakka.com/)

<渋いワインがあっという間にまろやかなビンテージワインに
100ccのワインにクレデュヴァンを1秒浸せば1年分相当の熟成感を引き出します。
3秒間浸すと3年分の熟成が可能という 夢の様な道具です>

私も井上君にこの道具を見せてもらった折 数秒浸したワインを試した事がありますが
浸す前とはまったく違う 柔らかで芳醇なワインに変化していました。
感動的でさえありました。

ただこのアイティム ¥12,600と ちとお高い.....
日常的にワインを楽しむのであれば高くはないのでしょうが
私はそれほどワインは飲まないので諦めていました。



しかし 今回はそのような道具なしで 安ワインを美味しくいただく方法です。

こちらは近くのスーパー・ヨークマートで売っていた¥398のワイン


スペイン産「ロスモリノス」の赤

生産年も記載されていない安ワインです。
不味かったら料理用にでも使おうと1本買ってみました。

栓を開けてすぐ 味見してみましたが やはり 渋くて 重ったるくて飲み続けるのは辛いワインでした。
でも....
以前版画の大先輩中山正さんに教えていただいた「デカンタ」を使った飲み方を想い出して
駄目もとで試してみる事に。
(「ブルーチーズに赤い酒」を参照して下さい)


安ワインの定番 スクリューキャップです

中山さんのお話では
ボルドーワインの赤は 産地・銘柄にもよりますが
飲む前4~5時間に栓を開け 飲む2時間程まえにデカンタに移しておく というものでした。
酵母が生きているので 空気に触れて 一層熟成が進むのだそうです。
(ブルゴーニュ産赤は 開けてすぐ飲んで 飲み切る方がいいともお聞きしました)

もちろんボルドーなどではないのですけれど 今回このワインで「デキャンタ」してみました。

で その結果は.....


(チーズはレッドチェダーとブルーチーズのスティルトン 共にイギリス産)

い・け・る!!!!

信じられない程 渋みも苦みも重ったるさも薄まって 舌の上を転がる様な美味しさです。
398円が十倍 いやそれ以上のワインに化けてしまいました。
アッと言う間に相方と1本開けたのは言うまでもありません。

その後 かのスーパーから せっせと「ロスモリノス」を買い込んでいます。
(ちなみに この「白」はさっぱりし過ぎて 葡萄ジュースみたいであまり良くありません)

ふっと想うのですが.....
このワイン 生産者には果たしていくら払われているんでしょうね.....
多分 100円以下でしょうね..... ちょっと気の毒.....


と云った所で
安いワインすべてに当てはまる方法ではないかも知れませんが
皆様も機会があれば試してみてはいかがでしょう。




<業務連絡>
井上君 お元気ですか! 
今冬は雪が多いとのことで心配しています。




 

 









2013 お花見テクテク隊 その2

2013-04-08 11:16:28 | その他 Other


うかうかしている内に 桜はすっかり散ってしまいました。
我が家の庭では若いウグイスが「鳴き」の練習をしています。
いよいよ春です。

では お花見テクテク隊の続きです。
たっぷりあります!



神田川の上流を臨んだ位置です。

花を眺める人の表情は 皆 穏やかでいい顔をしています。
気持ちも優しくなって 心も落ち着きます。
多分 普段はそんな心持ちからは程遠い時間を過ごしているからかもしれません。
お花見の効用 カタルシス ですね。


神田川下流を臨む

満開の桜を観て 「死にたい.....」 と言ったのは 西行ですが これもまたこれで凄い美学です。
<願わくは 花のもとにて 春死なん その如月の 望月のころ (続古今和歌集)>

まっ たまにはそんな美意識に想いを馳せるのもいいのですが
やっぱり「花のもとにて 我喰わん やれ飲まん」の方が私には合っている様です。

 
川沿いにある椿山荘の出店で買った桜まんじゅう(相方へのお土産 帰宅後撮影)

あれやこれや 勝手な想いに浸りつつ 川沿いにそぞろ歩きつづけます。
途中 神田上水工事に携わった芭蕉が滞在していた「関口芭蕉庵」も覗きます。


芭蕉の「古池や蛙飛びこむ水の音」の句碑

この松尾芭蕉さん 上水工事までやっていたんですね 不思議な人です。
一説では「隠密」あるいは「忍者」とも言われていますな。(伊賀上野の出身からか)

(余談ですが 北斎も隠密説があります。北斎も芭蕉も裏の仕事があったと思うと
 また別の興味が湧いてきます 芭蕉1644~1694 北斎1760~1849 )


庭を開放している椿山荘にも寄りました。

山県有朋の別邸だった所
(ここから山県が大隈の早稲田方面を見下しながら 悦にいっていたとの話しをS君から聞く)


さて この辺りの「関口大洗堰」から 神田川を離れ 小石川後楽園(水戸藩の江戸上屋敷)まで 
神田上水が流れていた跡を江戸絵地図と現代の地図を見比べながら 歩きます。
これがまた長い! およそ4km近くもあるでしょうか。
今や上水は埋め立てられて 見るべき程の建物も殆ど無い単調な道で 今回の一番の難所でした。
疲れが出始めて 話しも弾まず もくもく歩きました......

 
やっと着いた小石川後楽園入り口





集合写真2
モザイクがかかっていますが 集合写真1と比べ 全員疲れ切った顔をしています。

携帯が無くて連絡の取れなかったMちゃんもここでやっと合流
今回の女子二人は なんと札幌からの参加です。
特にY子さんはこの日のためだけに昨夜上京し この日の夕方帰札したんですね。
ご苦労様でした!


さてさて まだあるんですよ

関口大洗堰からはS君に代わって 隊長の誘導で神田上水跡を巡ってきましたが
その後は 後楽園から水道橋へ出て 江戸期神田川にかかっていた掛樋跡の石碑を見て
順天堂大学ウラの最後の訪問地「東京水道歴史館」へ向かいます。


歴史館裏にある「神田上水石樋」
皆で夕日を眺めています..... 疲れが背中に出ています.....


歴史館内部を見学
リュックを背負って展示物を見ている様子は まるで小学生が社会科見学に来ているみたいな あどけない姿ですな。
やはり歳が元へ戻ってゆくと言われる「還暦」は正しいのかもしれません。


そしていよいよ最後の御苦労さん会はお茶の水の居酒屋

一段とビールが旨かったのは言うまでもありません。



早稲田界隈から神田川のお花見・江戸水道辿り そして終着の歴史館まで 今回は非常に多彩な行程でした。
その行程をアレンジし 案内してくれたS君と隊長に大感謝
そして皆様 お疲れさまでした。
今度は船で巡る「江戸水路探訪」なんか いいと思うんですが......




 











2013 お花見テクテク隊 その1

2013-04-01 10:26:06 | その他 Other


今年の桜の開花は非常に早かったのですが
その後寒さが続いたせいか 今だに散りもせず咲き誇っている様です。
散り際の悪い桜もいいものです。

で 我々拡大テクテク隊も先週の24日 お花見に行ってきました。
今回はお花見とともに 歩いた距離も十数キロと 過去に無い長距離となりました。


行程地図

東京メトロ早稲田駅からJRお茶の水駅まで(AM10:30~PM5;30)
6人(途中から7人)での楽しい散策です。

まず


早稲田駅近くの「漱石生誕の地」(ただ碑があるだけ)


同じく近くにある漱石山房の「漱石終焉の地」にある「猫塚」
(猫塚といっても「我が輩は猫である」の由来ではなく 漱石の遺族が飼っていた猫・犬・鳥のために建てたそうです)

国民作家にふさわしく 漱石ほど各地に史跡の多い作家もいないですね。

さて まだ昼食には早いのですが 
今回の特任早稲田界隈案内者の指示で急遽 穴八幡神社向かいのそば屋に向かいます。


食べっぷりのいい隊長

大隈重信など著名人がおとづれたという「三朝庵」
ここは日本で初めて「カレーうどん」を出した店としても有名だそうです。
まだ午前中ということで 我々には珍しく酒無し昼食でした。

そこから早稲田大学構内へ 


集合写真1
特任案内者S君はここの卒業なので 皆より一歩前に出ています。
一人 構内禁煙にも関わらず煙草をくわえていますが 火は付いていません。
(大学も変わったものです.... 喫煙所くらいもっと作れよ!)

つれづれ 構内を散策しながら 高田馬場跡に寄って 面影橋へ
いよいよ桜の名所神田川です。


この日は心配された雨も無く 風も穏やかで 花見日和となりました。



神田川といえば我々世代は かぐや姫の「神田川」です。
その歌が大ヒット(昭和42年頃)した後
案内者S君も学生時代この神田川界隈に下宿していて 近くの銭湯に通っていたそうです。
でも 一人だったとか。(本当か......)


面影橋のそばに 太田道灌の「山吹の里」の碑がありました。



このいわれ ちょっと書きますと
「太田道灌が鷹狩りの途中雨に合って 近くの農家に蓑を借りに寄ったところ
 そこの娘が黙って山吹の枝を差し出したそうです。
 訳が判らぬまま屋敷に帰った道灌は 家臣から 
 <七重八重 花は咲けども 山吹の実の一つだに なきぞ悲しき>という
 古歌にかけて 蓑が無い事を優雅に詫びたのだろうと言われ
 それ以来道灌は改めて和歌の勉学に励んだそうな」

しかしですな この話
蓑も無い貧しい家の娘が 秀才道灌も知らない古歌を知っていたのは 何か不自然ですな。
小癪な娘です。
現にこの話し ここ新宿区以外に 荒川区の町屋 横浜市金沢区と埼玉の越生にも
伝わっているそうで やはり眉唾ものの話しのようです。

随分 山吹にこだわってしまいました。
なんだかんだと こんな話しをしながら
我々は引き続き神田川沿いに見事な桜を観賞しながら下流へと向かいます。


元江戸小紋などを染めていた東京染工場で この時期お休みどころを開いていました。
ちょっと一服 ちょっと冷や酒 で一休み 


つづきます。