版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

「花笑う」

2009-04-30 11:04:48 | その他 Other
いい季節になりました。
近くの城山公園は花盛りです。


北海道のライラックより小振りで 
花付きも良くありませんが香りは同じです。



近くの高校の生徒たちが 
制作と手入れをしている見事な花壇です。



各地の藤の名所より かなり見劣りしますが...
でも初夏には 見たい花のひとつです。



正に「花笑う」

心落ち着かない 不安な予感の多い近頃ですが
花を愛でる安らぎと癒しは貴重なひと時でした。



そこで久し振りに<今日の一句>

花笑う 季節にじじと ばばになり  啓



このブログも5月8日までお休みします。
次回は9日より再開いたします。
皆様も素敵なゴールデンウイークを



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「Song of Earth -Urashima Tarou- 」

2009-04-27 10:12:27 | 作品 Works
「浦島太郎」3部作を完成させた後も
まだ描き足りないような想い 
あるいはもっと 浦島の魅力を借りて 
その想像世界に遊んでみたいという強い想いに捕らわれて
大判の「Urashima Tarou」を制作してみました。
After finished the trilogy, I felt I hadn’t enough expressed Urashima’s enchantment yet.
I was caught up in desire to play more in the world of its imagination and made this large sized “Urashima Taro”



「Song of Earth -Urashima Tarou- 」
870×630mm ED 30 2009年制作
18色23回通し 中金・青貝・赤貝箔使用
870x630mm ED30 2009 19colors, 23times impressions
Used Chu-gold, Blue-shell, Red-shell leaf


圧倒的で豊かな自然の中に囲まれた環境であったからこそ創造しえた物語
背景には現在よりももっともっと大きく感じられただろう地球の存在があったように思います。

そんな気持ちを「Song of Earth」というタイトルに込めました。

The environment surrounded with overwhelming and bountiful nature….
that’s what makes such a story possible.
And there must be the earth in the background、which people felt too large , I believe.
So, I put the feeling in the title.


UP画像


と言う事で それでもまだ「浦島」は作り足りない気持ちはあるのですが...

今は新たな作品 御伽草子から 「一寸法師」に取りかかっています。
鬼が出て来たりして これまたワクワク どきどきしながら制作しています。
まだ原画段階ですが いずれご紹介いたします。
In fact, I have not been satisfied yet…
But I’m working on another old tale “ The Inch-High Samurai”
Still designing, I’m excited at it.
What is waiting for you ? Yes, Demons!



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最新作「浦島太郎」シリーズ 4The Series “Urashima Taro 4

2009-04-24 11:19:41 | 作品 Works
3部作の最後「浦島太郎 その3 回帰」
Last installment of trilogy “Urashima Taro 3 Recurrence”


540×460mm ED 70 2008年制作
21色31回通し 中金・青貝・赤貝箔使用
540x460mm ED70 2008 21colors, 31times impressions
Used Chu-gold, Blue-shell, Red-shell leaf



その3 UP

その1・その2・その3は
一応良く知られている物語の流れに沿って描いています。

副題の「邁進」・「夢中」・「回帰」も
それぞれのシーンを強調するために付けました。
I pictured “Urashima1,2,3” according to the course of the well-known story.
And I subtitled them ”Advance” “Enamored” “ Recurrence ” respectively to emphasize
each scene.




「浦島物語」はいかようにも解釈できる
不思議なお話であるところが魅力なのですが
私は 明治以降の日本 あるいは戦後から現在までの
日本の歴史的な流れにも似ているところを感じて
この様な副題を付けてみました。

次回は日本版画協会展に出品した
「Song of Earth Urashima Tarou」のお話です。
“Urashima” is a wonderful story you can interpret anyway, which makes it attractive.
I feel that the course of the story is similar to that of Japanese history, for example,
after the Meiji Era or from the postwar period to the present day, so entitled like these.

Next time, I‘ll post “ Song of Earth Urashima Taro”



<CWAJ現代版画展について>
College Women's Association of Japanは
戦後 日本の女子留学生支援のために設立され
その資金獲得の手段として日本の創作版画家の
作品を展示販売するチャリティー展を始めました。

今年で54回になります。
現在では150名前後の作家が選択され
毎年10月中旬に東京アメリカンクラブで開催されています。

日本現代版画の一側面が展覧できると共に
日本人留学生だけではなく 海外からの留学生支援や
障害者支援にも役立っている素晴らしい展覧会です。

詳しくはこちら

About CWAJ print show, please visit this Website



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最新作「浦島太郎」シリーズ 3The Series “Urashima Taro 3

2009-04-21 17:19:40 | 作品 Works
gooのブログメンテナンスで少し遅れの更新です。


「浦島太郎 その2 夢中」
“Urashima Taro 2 Enamored”

540×460mm ED 70 2008年制作
24色31回通し 中金・青貝・赤貝箔使用
540x460mm ED70 2008 24colors, 31times impressions
Used Chu-gold, Blue-shell, Red-shell leaf

「浦島太郎」に限らず 昔話の多くは
圧倒的な自然を背景にした中で展開されています。

どんなに荒唐無稽であろうと 辻褄がおかしかろうと
現代より遥かに大きくて豊かで 
時には恐ろしくもあった「自然」に囲まれていたからこそ
可能になったように思います。

長きに渡って語り続けられた
「昔話という暗黙の了解・記憶の共有」の中で
ほとんど無頓着に想像・空想を画面に走らせることができる
理屈も筋も内容もいらない しかしリアルでもある 

私が強く昔話しに惹かれるのも まさにそこの処です。

私にはうってつけの題材です。
Not only Urashima, most of the old tales unfold against a back ground of overwhelming
nature.
Even though the stories are preposterous or inconsistent they have become possible.
Because in the old days, people were surrounded with far bigger and more bountiful
Nature, which is sometimes terrible.
On an implicit understanding and a shared memory that the stories for generations have,
I can develop imagination and fantasy freely in my picture.
Besides, there are no logic, plot or content, but ”reality” in it.
That’s why I’m fascinated by old tales.
This is an ideal subject for me.


「その2」UP




これは深海に実際生息している
「竜宮の使い」という魚をモチーフにしています。
This is in the motif of the real abyssal fish named “ an errand from the Sea God’s palace”


「その1 邁進」と「その2 夢中」は
今年の CWAJ現代版画展(10月16日より)に採用されました。
限られた壁面のなかで 2点展示というのは嬉しいですね。

CWAJ現代版画展については次回詳しくお話します。

つづく
“Urashima 1,2” are chosen for CWAJ show starting on Oct 16th.
I’m glad both are supposed to be exposed.
Regarding CWAJ show, I‘ll talk about it next time.


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最新作「浦島太郎」シリーズ 2The Series “Urashima Taro” 2

2009-04-18 12:47:06 | 作品 Works
このシリーズの2作目は
「浦島太郎その2 夢中」という作品なのですが
その前に「その1 邁進」をもう少しお話します。
The second installment of the series is “Urashima Taro 2 Enamored” but I’d like
to talk a little more about “Urashima 1”


「その1 邁進」UP

この作品 原画の段階から気分が高揚して
非常にワクワクしながら描いたものです。
From the original drawing to the completion, I made it excitedly.

制作途中

ダイナミックな動きとリズム感を盛り込み
色と箔のバランス・効果などを考慮しながら
構成してゆく作業はいつも以上に楽しいものでした。 

浦島物語の「奔放さ」と 「不可解さ」が
私の想像力と見事合体したのかもしれません。 

原画制作時の高揚感と 
刷り上がった状態を早く見てみたいと思う 逸る気持ち
これがなければ私にとっての創造・版画制作は
ほとんど意味が無いと言っても過言ではありません。

そして完成した「浦島太郎その1」は
私にとって充分満足できる作品となりました。
(めったにない事です....)

つづく
Including dynamism and rhythm in it,
taking balance and effect of colors and leaf into consideration,
I really enjoyed the making process more than ever.
Abandon and mysteriousness in Urashima’s story apparently incorporated
to my imagination.
It is meaningless to my creation if there are not a sense of exaltation when designing
and impatience to see the finishing in me.

And I’m satisfied with this Urashima 1, which rarely happens …




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最新作「浦島太郎」シリーズ 1The Series “Urashima Taro” 1

2009-04-15 11:16:12 | 作品 Works
今回から私の新作版画のお話です。

まず日本版画協会展の出品作の前に
昨年から作り始めていた「浦島太郎」シリーズを紹介します。

以前こちらなどで何度もお話してきましたが
いよいよー日本の昔話ーに取り組み始めました。

その第一作目として取り上げたのが
御伽草子に出てくる「浦島太郎」です。
I’ll talk about my new works.
This is the first part in the trilogy “Urashima Taro”, I began since last year.
I’ve been working on Japanese old fairy tales as I said before
and the first story I took up was “Urashima”from "Otogi-Zoshi"




「浦島太郎 その1 邁進」
540×460mm ED 70 2008年制作
22色31回通し 中金・青貝・赤貝箔使用
Urashima Taro 1 Advance
540x460mm ED70 2008 22colors, 31times impressions
Used Chu-gold, Blue-shell, Red-shell leaf

この作品は3部作シリーズなので
ー何故浦島太郎なのかー等のお話は
次回より順次進めたいと思います。
I’ll talk about “Why Urashima?” from next time.





先日のお花見の時のお弁当です。
We enjoyed lunch viewing cherry blossoms.


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09お花見&篠笛

2009-04-13 10:54:35 | その他 Other

今年は随分長く桜を楽しみました。

我が家の近くの城山公園でのお花見です。


4月7日撮影  満開です!

こんなに見事に咲き誇っているのに 
音も無く 香りも無く
非常に静謐な雰囲気が不思議です。



相方と 久し振りに遊びに来た娘と 
お弁当・ビールを持って行きました。

なるべく人の少ない所で篠笛も吹きました....

桜の木の下で吹く「さくら」は 
気恥ずかしい位 合い過ぎです。

翌日は満月で また夜桜見物に行きました。


8日撮影



かなりブレていますが 満月です。

季節は違いますが 花札の役にある
「花見で一杯」「月見で一杯」が
同時に出現できたような夜でした!


この時も 夜桜の元で「荒城の月」を吹きました。

「春 高楼の花の宴....」って
音はいまいちでも 最高のムードでした.....

と言う訳で 今年はいつになく桜を楽しむことができました。 





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09春の上野 その2

2009-04-10 11:44:01 | その他 Other


4月6日より21日までここ上野の都立美術館で
日本版画協会展が開かれています。

来年から2年間 改修のためこの会場は使えないので
次回からは京都市立美術館で行われることになっています。

私の出品作など 最近の作品の紹介は近々お送りします。

昨年の4月のブログで紹介しました「上野東照宮」
他にも 意外と知られていない素敵な散策場所があります。


上野「花園神社稲荷」

東照宮よりもう少し南に歩いて行くと
あまり目立ちませんが この鳥居があります。
目の前は一番人出の多い桜並木通りで 花見客で大変賑わっています。



びっしり並んだ鳥居トンネルをくぐって行くと


周りの喧噪が嘘のような ひっそりしたお社があります。

趣といい 風情といい ここだけ別の時間が流れているようです。

上野散策の折には東照宮とともに是非訪れてみてください。



花園神社前は このとうり 大賑わい!

神より花見 花よりお酒!!


次回は我が家の近くのお花見をお送りします。



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09春の上野 その1

2009-04-07 10:29:35 | その他 Other


3月21日の開花宣言から10日経った31日の上野公園
まだ 3分咲き位でしょうか。
昨日4月6日は満開でした。今年は随分長く桜が楽しめます。

今回は上野の別な表情をお送りします。


上野公園には土日になると 
たくさんの大道芸の人達が得意の芸を見せてくれます。
そのごく一部ですが 
都立美術館の中庭で演じていた方々をご紹介します。


人形を操りながら まるで生きている様に一緒に踊っています。


この方は上野では もうすっかりお馴染みの のこぎり奏者です。


この女性は アコーディオンを弾きながら オペラを歌っていました。
(結構 沢山の投げ銭が入っています)


自転車で世界を回りながら 民族楽器を演奏している方を
テレビが取材していました。
インタビュアーは元関取の舞の海さんです。


こちらは大道芸ではなく
三味線と笛と唄の同好会の人達のようです。

美術館・博物館・音楽ホール・動物園・神社・池 そして人々
上野公園は様々な表情が沢山あって非常に魅力的な公園です。

つづく



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お知らせ 2つ

2009-04-04 10:17:59 | その他 Other



漸く暖かくなってきました。

今回はお知らせ 2つ

その1
以前募集しました「赤笛プレゼント」の当選者が決まりました。
千葉県の鈴木さんです。 
おめでとうございます!



こちらの笛を昨日お送りしました。
着きましたら どんな感じか コメントでお知らせ下さいね。

その2
前回の「沢庵酒」
もうほとんどの方はお判りと思いますが
あれはApril fool用の作り話でした。

いかにも漬け込んだ様に見えるお酒は
水に醤油を2・3滴たらして 
その中に切った沢庵を入れただけのものです。

「糠」臭い日本酒なんて とんでもないですよね。
失礼しました!

ちなみに今年の沢庵は酸っぱくなる前に
もう全部 美味しくいただきました。


次回は上野界隈の花見の様子などをお送りします。


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沢庵酒

2009-04-01 10:49:23 | 食品 Food

漸く暖かくなってきました。
上野公園の桜もなんとか5-6分咲きになったようですが
そのへんの上野界隈のお話は次回するとしまして
今日は久し振りに「美味しい」話題です。

今年の沢庵漬けは大変美味しくでしたことはこちらで取り上げましたが
毎年3月も過ぎる頃になると
美味しい沢庵も漬かり過ぎて酸っぱくなってしまいます。

しかしどう考えてももったいないので 
漬かり過ぎた沢庵を何とか利用できる方法はないものか
思案したのが これです。


「沢庵酒」!!

昨年 余ってすっぱくなった沢庵を日本酒に漬け込んでおいたものです。

元々 沢庵漬けの「糠」は 玄米の外皮ですから
米から作られる日本酒と絶対に相性はいいのではと 思い付いたのです。
この思い付きで 私は自分の「食物的天才」を自覚したものです。




1年間日本酒に漬かった沢庵をつまみに
沢庵酒をいただく!!
このアイディアだけで酔ってしまいそうです。

作り方はいたって簡単
安い日本酒に切った沢庵を入れて置くだけ。
一切何も付け加えません。

色といい 香りといい
安酒が久保田万寿 いや碧寿にも劣らないお酒になると思います。

心ある方も 無い方も お試しあれ!




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