版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

カワタヤの理髪師 その2

2008-06-29 12:02:24 | その他 Other

髪を切るときは 細かい髪が服に着くのがいやで
スッポンポンになって新聞紙にあぐらをかいて切ります。
このスッポンポンがいいんですね 爽快で!

使うのはハサミだけ 10分程で仕上がります。
後は風呂に飛び込んで襟足を剃って完成。

最近は失敗はまったくありません。


切り立て後の一服

子供達も小さい頃は切っていましたが
年頃になると裸にされるのを嫌がってか
私の「髪切り」から遠ざかってしまいました。

こんな話を友人にしても
髪を自分で切ると言う事が(それも裸になって)
理解不能のようで 怪訝な顔をされます。
そんなに変な事ではないんですがね.....




ちなみに相方の髪も私がカットしています。

我が家のちょっとした風習でした。


<お知らせ>
札幌の「道都大学中島ゼミ」と言えば
最近シルクスクリーン版画・染色でつとに
全国的に名が知れるようになりましたが
そこから案内状をいただきました。






明日から1ヶ月の開催です。
私も見たいのですが残念ながら行けそうにありません。
関心のある方 是非ご覧下さい。
見応えがあると思います。




にほんブログ村 美術ブログへ

にほんブログ村 美術ブログ 版画へ

にほんブログ村 英語ブログ 英語の日記へ

カワタヤの理髪師 その1

2008-06-26 13:20:25 | その他 Other

gooのメンテナンスが予定よりだいぶ遅れたので
私も更新の内容を変えてみました。
(あまり関係ありませんが.....)



ミヤマオダマキ   Photo by NORIKO


うっとしい梅雨が続いているので
髪でも切ってさっぱりする事にしました。
と言っても床屋さんに行く訳ではありません。
自分でカットします。

もうかれこれ 三十数年床屋には行った事はありません!
(22歳のとき気まぐれに坊主頭にした時に行った以来です)

そもそもの始まりは北海道弁で出て来た「よっちゃん」と
中学生の頃 床屋代をおこずかいに回そうと 
お互いに髪を切り合ったのが始まりです。

最初は何度も失敗しました。 
切り過ぎて 薄くハゲの様になったところを
消し炭!などを塗ってごまかしたり..... 苦労の連続でした.....

その後 彼と別れ別れになっても 私は自分でカットし続けました。
東京に出て来て版画修行をしている頃は生活費を切り詰めるために....

でもその頃になると腕が上がって 
結構上手に切れるようになっていました。

つづく



これも「ミヤマオダマキ」?



にほんブログ村 美術ブログへ

にほんブログ村 美術ブログ 版画へ

にほんブログ村 英語ブログ 英語の日記へ

なぜ 版画? その7 Why Hanga? 7

2008-06-23 11:09:03 | 作品 Works


庭の紫陽花

「他者の目」を持つと言うのは
これはこれでなかなか厄介な事です。

しかし版画の場合 必須となる原画を「版」に起こす工程そのものが
one cushionとなって 計らずとも少しは客観的な目を持つ
手助けとなっているようです。

また シルクスクリーン版画以外は
刷り上げた作品が「版」とは左右反転した状態となるのも
自然と別の視点から眺めることを容易にしていると考えられます。

多彩な技術を利用し 数多くの工程を経て 版を作り
試し刷りを繰り返し 完成させる....
この間というのは イメージの熟成・修正や
別視点からの検証をも可能としているのではないかと思います。

「版画って いいとこだらけ!」...... でもないんですが.....

これまで版画の作り手側からのお話を中心にしてきましたが
次回は見る側からの「なぜ版画?」をお送りします。 つづく

 

我が家の紫陽花は綺麗に丸くならないで いまいち「イジッ」としています。
毎年花芽を付ける時期に バーベキュウの煙で燻されるせいかもしれません。
今年はBQを中止したのでまだいい方です。




にほんブログ村 美術ブログへ

にほんブログ村 美術ブログ 版画へ

にほんブログ村 英語ブログ 英語の日記へ


なぜ 版画? その6 Why Hanga? 6

2008-06-20 12:39:23 | 作品 Works

再び「なぜ版画?」シリーズです。

前回までは版画の魅力のひとつとして
「プロセス」のお話をしてきました。


作り上げてゆく工程の面白さと共に 
多様な技術の導入が可能な事ももちろん大きな魅力です。
しかし 版画の魅力はそれだけではありません。



6月の豊平公園  Photo by NORIKO


「絵画」に限らず他の表現方法
「文学」「音楽」等にも言えると思うのですが
自作を別方向から検証することができる...
第三者の目をもって自作を見つめる事ができる...

この様な事が可能になって 初めて創作者としての自立が始まります。

自己の中に他人の目をもてるかどうか....
ここがかなり重要です。       つづく



銭函海岸



にほんブログ村 美術ブログへ

にほんブログ村 美術ブログ 版画へ

にほんブログ村 英語ブログ 英語の日記へ

版画家のお友達 歯科医師編(32)Spcial Column (32)

2008-06-17 10:32:03 | その他 Other
前回からのつづき



べにばなスモモ  Photo by NORIKO
(5月23日着の写真)


徳川家康が入れ歯をしていたのは有名な話で、その頃の入れ歯は
硬く抗菌作用のあるツゲの木で出来ていました。
江戸時代、入れ歯を作るのはお医者さんではなく、
仏像を作る仏師が副業として作っていたそうです。




べにばなスモモの実 
(昨日着いたばかりの画像です。実になるのが早いですね!)


「解体新書」で有名な杉田玄白が84歳のときに著したという随筆
「ぼうてつ独語」の中で、「入れ歯を作り、用いし事ありしに・・・」と
自ら入れ歯を使っていた事を述べ、その不具合を愚痴っています。
「いかように上手に作られても馴れぬうちはいとうるさし」
「ぼうてつ」は漢字が検索できませんでした・・・NORIKO


(むりしゃり調べたらありました
「ぼうてつ独語」「耄耋独語(ぼうてつ)」
http://japanfestival.web.fc2.com/kanren/shogatsu/shogatsu.htmlより
意味は解りません.... kei)




蝦夷の子りんご


資生堂は明治21年(1888)日本初の練り歯磨き「福原衛生歯磨石鹸」を
発表。 粉歯磨きが一袋2?3銭の時代に歯磨石鹸は陶器の容器に入って
25銭と大変高価な品物でした。
1896年チューブ入りペースト歯磨剤がコルゲート社により世界初製品化されました。


(今回の写真はNORIKO先生がフルーツ花でまとめてくれました。
画像も素晴らしいですが 話題も雑学大好きの私には大変面白かったです kei)



<ちょっとお知らせ>
明日18日より札幌市民ギャラリーで全道展が始まります。
お時間のある方是非ご覧下さい。


(画像悪くてすいません... 絵は青木淳子さんの作品です)




にほんブログ村 美術ブログへ

にほんブログ村 美術ブログ 版画へ

にほんブログ村 英語ブログ 英語の日記へ

版画家のお友達 歯科医師編(31)Spcial Column (31)

2008-06-15 10:50:23 | その他 Other
札幌はYOSAKOI祭りが終わって 
北海道神宮祭が始まる頃でしょうか。

今回はそのいい季節の札幌から送られてきたNORIKO先生のコラムです。

「歯」にまつわる面白いお話満載です。



あさひりんご  Photo by NORIKO

サティのピアノ曲「Enbryon deseches」の楽譜には
「歯痛のナイチンゲールのように」という演奏注釈が書かれているそうです。
いったいどうのように奏でるのでしょう。




同じくあさひりんご


役作りのために歯を抜いたのが新旧「楢山節考」
女優の田中絹代、坂本スミ子。
後年今井監督から同役の出演依頼を受けたミヤコ蝶々は歯を抜く事が
条件だったので断ったそうです。



ぶどう「デラウエァ」


ハリウッドスター、ニコラス・ケイジの役者魂は有名。
「バーディ」(1984)では、ベトナム戦争の兵士の痛みを知ろうと
麻酔なしで歯を2本抜歯したそうです。



梨の花


イギリスやオーストラリアで第二次世界大戦まで続いていた習慣に
娘が嫁に行く時、嫁いだ後に歯で苦労しないように両親は娘に入れ歯を
持たせたそうです。
入れ歯が必要な時には適合が非常に悪くなっていると思うのですが・・・NORIKO


つづく


<業務連絡>
昨日の同期会 急に欠席してすいませんでした!
仕方ないので相方と「2人同期会」をしました....



にほんブログ村 美術ブログへ

にほんブログ村 美術ブログ 版画へ

にほんブログ村 英語ブログ 英語の日記へ


偽からすみ

2008-06-12 12:39:14 | 食品 Food
版画のお話がつづきましたので
ちょっとお休みして また食べ物の話題です。

昨年 相方が本物のからすみを冷凍してしまった事件を書きましたが
今回は「贋作からすみ」です。



これがその「からすみもどき」

福井県産で 例のアメ横のセンター街で買ってきました。
(アメ横はなんでもあるんです!)

以前は千歳空港や札幌のデパートにも北海道産の
「北海からすみ」なるものもありましたが 今は売っていないようです。

上記のからすみは 鮫の子!とタラコを練り合わせて
かなり本物に近い味を出しています。
おつまみには最適です。

それにしても 日本人は「もどき」を作るのが実に巧いです。

ちなみに値段ですが 本物はひと腹約一万円ほど
かたや「偽」は 片腹550円!
(冷凍されてもショックはありません...)




お口直し画像


エイレイソウ Photo by NORIKO’s Friend

北大の校章になっている花だそうです。
六花亭から同じ名前のお菓子も出ているようですよ。

一身上の都合で(?)しばらく英訳休みます。すみません。(相方)
Suspending the tranlation,for time being,sorry.
にほんブログ村 美術ブログへ

にほんブログ村 美術ブログ 版画へ

にほんブログ村 英語ブログ 英語の日記へ

なぜ 版画? その5 Why Hanga? 5

2008-06-09 18:12:02 | 作品 Works

Photo by NORIKO (チュウリップってゆり科なんですね)

面倒で時間も気力も必要な「プロセス」が意外と
作品の魅力となっていることをお話してきました。

版画は正にその代表的な表現方法です。

版画作家は作品完成までのプロセスそのものが
好きなんだと思います。

絵を描く事よりプロセスの方に面白みを感じて
制作しているような方もいるようです。

様々な道具を駆使し 版種それぞれにある独自の技術的効果や 
あるいは新しい技術(写真やパソコンデータ等)も
取り込む事ができる面白さがあります。

つづく
I’ve mentioned that the process, which requires time and energy, makes the work
attractive.
Method of Hanga makes a good example of it.
Hanga artists like the process to completion itself and some of them seem
to prefer the process to making the art works.

Making full use of various implements, they take advantage of specific technical effects
that each method has or new technique like photographs, PC data and so on, which is
very interesting.


<ちょっとお知らせ>

「非常に古くからの友人」が本を出しました。

An old friend of ours published a book.

凱風社より出版 ?1,900
北京を案内する日本人ガイドさん達も利用しているそうです。

その出版記念の展覧会が画面右のBook Markにある
間瀬ギャラリーで開かれています。

昨日見て来たのですが 本に使った日本画などを中心に
なかなか見応えのある展示です。
お時間がありましたら是非どうぞ


It’s used by the Japanese guides showing around Beijing.
Her exhibit to celebrate the launch is being held at Mase Gallery.
(Please take a look at the Book Mark on the right in this blog)
I saw it yesterday, there have been shown the Japanese paintings used in the book.
It’s worth seeing, please visit there if you like.








にほんブログ村 美術ブログへ

にほんブログ村 美術ブログ 版画へ

にほんブログ村 英語ブログ 英語の日記へ

なぜ 版画? その4 Why Hanga? 4

2008-06-06 11:01:12 | 作品 Works

随分前に作った葉書 木版です。A postcard made long time ago, Woodblock

さて「もの」を作る時 当たり前ですが
完成までには手順・工程が必要です。
出来るなら簡単な工程で最高の仕上がりがほしいものです。

最近「プリントゴッコ」の生産が中止になったそうです。
パソコンプリントが普及して 簡単で早く 誰にでも
高品質のプリントが出来るようになったからでしょう。

確かにPCプリントは綺麗ですが.......

プリントゴッコは上手・下手が結構出てしまいますし
時間もかかり手も汚れる。 
しかし手作りの感じや作者の人柄が出て 
目の立ち止まりがPCプリントよりも 遥かに長いように私は思います。

プリントゴッコの方が 作る側も見る側も楽しめたと
思うのですが.....
生産中止は ちょっと残念な気もします。

つづく

When we produce something, a matter of course, some procedure is needed for that.
If possible, we want the best finish with easy and short process.

I‘ve heard Print-Gokko (small screen-printer for home-using) has been discontinued
lately.
As printers with PC have come into wide use, it is possible for every one to make
quality prints easily and quickly.
Prints by PC are good of course, on the other hand, the finish by Print-Gokko is affected by user’s skill, and time consuming, moreover, hands become dirty.
However, you can feel something good with creator’s hands and personality,
so the impression lasts longer, I believe.
It’s kind of a pity that it was discontinued.


NORIKO先生から素敵な画像がたくさん着きました。
The latest fabulous photos from Noriko
札幌は花真っ盛りのようです。
Flowers are at their best,in Sapporo

まずは すずらんです。First, Lilies of the valley









にほんブログ村 美術ブログへ

にほんブログ村 美術ブログ 版画へ

にほんブログ村 英語ブログ 英語の日記へ

なぜ 版画? その3 Why Hanga? 3

2008-06-03 11:26:20 | 作品 Works


引き続き同じ方の切り絵です。「流氷」と題されています。

思い切り単純化して 自由に色を遊ばせているところがいいと思います。
(トリミングラインが入っているので 何かの出版物に利用されたのでしょうか)

Another cutout titled “Ice Floe”
Simplifying the design as possible, he allows the colors to play freely,
which is really good.
(There is a trace of trimming, was it used for something?)  


旧北大工学部
The previous institute of faculty of technology, Hokkaido University



このスケッチもとても魅力的な絵に仕上がっています。
スケッチは記録という要素も大きいので一概に言えないのですが
絵としての魅力のひとつ
ー見る側に様々なイメージを喚起させるー 点に於いて
切り絵の方が勝っているように思います。

その魅力の違いはやはりイメージを画面に定着させる
「プロセス」ではないかと考えます。

時間がかかり
技術も必要となる創作はその工程の中で作家の感情が
熟成してゆくのではないでしょうか。

今回掲載させていただいた作品は
見事にそのプロセスの違いがどのように反映されるか
その魅力の違いを見せてくれているように思います。


いろいろ書き綴ってしましました。
Hさん 掲載ご協力 ありがとうございました。

つづく
This work is also very attractive.
Record is one of factors in sketching; therefore I can’t compare the two methods easily,
but cutout is better in terms of arousing various images in audience.
This is one of fascinations pictures have.
A difference of the two is in the process of putting images on the papers.
In the process of the creation that requires much time and technique,
the feelings of the creator may become matured.

These works beautifully give us a hint to think about this.

I really appreciate Mr.’s approval for posting his works.



にほんブログ村 美術ブログへ

にほんブログ村 美術ブログ 版画へ

にほんブログ村 英語ブログ 英語の日記へ


なぜ 版画? その2 Why Hanga? 2

2008-06-01 10:19:51 | 作品 Works

岬 (積丹の神威岬)Cape Kamui in Shakotan,Hokkaido

同じ方が制作した「切り絵」です。

自由にのびのびと「作る」ことを楽しんでいる感じが
伝わってくるとてもいい作品と思います。

風景全体が 作者の中で充分熟成された後の
表現ではないかと感じます。

実際に見た風景からだいぶ時間が経ってから
ご自宅で作られたものなのでしょう。

実際に見ながらのスケッチは その方法上
風景を写し取ろうという気持ち
再現しようという気持ちが強く出て 説明的な画面に
ならざろう得ないのは 致し方ないことです。
作画道具も即座に使えて 扱い易いペンとか鉛筆が多いと思います。

かたや上記の切り絵は 
ひとつひとつ紙をちぎったり 切ったり
色を選んだりの作業が必要です。
仕上げる工程はスケッチより はるかに
時間と根気がいるのではないでしょうか。

つづく

This is a paper cutout that the same person made.
It is a fabulous work which makes us feel that he is enjoying making freely.

It appears to be made after the image was matured enough in him.
Perhaps he made it at home after a while since he saw the scene.

If you sketch something looking at it, sometimes the image tends to be explanatory,
because you are eager to copy or reproduce the object, which may be inevitable
due to its method.
Mostly, drawing implements need to be easily and immediately usable,
for example pens or pencils.

In contrast, the paper cutout above needs the process of tearing or cutting
various scraps of paper, then choosing colors, piece by piece.

It is work that requires much more time and perseverance than a sketch to complete.



にほんブログ村 美術ブログへ

にほんブログ村 美術ブログ 版画へ

にほんブログ村 英語ブログ 英語の日記へ