神田川 「まる歩き」 しちゃいます!!

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おとめ山

2018-07-30 06:06:18 | 落合・目白崖線

 藤稲荷の祀られている左岸台上はおとめ山と通称されています。漢字に当てると御留め山で、江戸時代将軍の狩猟場だったことから、一般の立ち入りが禁止されていたのがその由来です。→ 「下落合村絵図」当時は、旗本酒井家の屋敷地であり、明治に入り近衛公爵家が所有、大正の初めには南西の一角を相馬子爵家が入手します。相馬家は日本人最初の公園デザイナー、長岡安平に依頼して、回遊式庭園を築造、おとめ山公園の池や流れの配置は、この時のものが元になっているようです。

 

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    ・ 「陸地測量部発行の1/10000地形図(大正5年第一回修正) / 早稲田」  おとめ山公園を薄緑で、公園内の池をブルーで重ねています。公園の色に濃淡がありますが、薄緑で塗りつぶしたのが既存のおとめ山公園で、その外側の枠は平成26年までに整備され公開されました。

 上掲「地形図」は近衛、相馬両家が二分していた時代です。戦後曲折を経て、相馬家の所有地の大半は国有となり、当時の大蔵省は官舎とする予定でしたが、住民運動の結果その一部が公園となり、昭和44年(1969年)に開園します。そして今回、残りの官舎だったところも整備されました。一方、東半分の近衛家の所有だったところは、大正から昭和にかけて分譲され、近衛町という高級住宅街へと変貌しました。

 

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    ・ おとめ山公園  東南角にある新井薬師道に面した区画です。公園内の小川はこの上にある下の池(弁天池)にいったん集められ、この区画を流れ下るように設計されています。  

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    ・ おとめ山公園  二つある谷頭のうち西側のものです。 ここは「東京の名湧水57選」の一つで、下流に細長い池を形成、落合蛍の復活を目指す飼育室を経て下の池に流れ込みます。