外堀通りを南下して六本木通りとの溜池交差点まで来ました。ここから現特許庁前に設けられた堰(通称赤坂のどんどん)までが、溜池のもっとも幅広な個所で、幕末の切絵図などで左岸にふくれヘチマのように描かれているところです。もっとも、こうなったのは18世紀に入ってからで、当初は→ 「段彩陰影図」にも書き込んだように、左右共にふくれた瓢箪型でした。その経緯は項を改めて詳細します。なお、下掲「1/5000実測図」当時は、溜池の水を落として造成する工事に着手しているため、元の形がよく分からなくなっています。そこで、江戸末の切絵図などを参考に、薄いブルーでその形を重ねてみました。
- ・ 「参謀本部陸軍部測量局の1/5000実測図(明治16年測量及び同17年測量)」 「紙久図や京極堂 古地図CD-ROM」収録の南西部及び南部の一部で、同社の基準(72dpi)で掲載しています。
- ・ 溜池交差点 外堀通りと六本木通りの交差点で、高架は六本木方面に向かう都心環状線です。手前の三角コーナーにあるのは、平成9年に設けられた「溜池発祥の碑」です。
- ・ 特許庁前 外堀通り特許庁前交差点から永田町方面です。切絵図で溜池がふくらんで描かれているところで、今でもはっきり分かる低地が左岸に食い込んでいます。
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